最強は絶対、弓矢だろ!
あ?魔物か?
☆☆☆
王都への道を東に逸れた場所にあるフィジン大森林まではそう遠くもなかった。
およそ数時間歩いた後にフィジン大森林の入り口に入り、シールが簡単な息を吐いた。
「うわぁ……木がおっきいなぁ」
「うむ!大きな木ばかりだな!」
シールの驚きの声に続いてディースが近くにあった巨大な樹木の幹をバシバシ叩いて揺らしながら言った。
レシアはそんな二人に説明するように口を開く。
「フィジン大森林の木々は全てが巨大です。最も大きいのが大森林の奥に佇むフィジン大樹で、全長数百メートルの大樹です」
「あ!王宮の窓からもよく見えたわ」
エルフィアは懐かしむように目を閉じて言う。そういえば森の近くに来る前にも一本だけ馬鹿でかい木が見えたっけな……今は木の枝やらが邪魔で見えねぇが。
「まあ、兎にも角にもここへ越えねばならんのじゃし〜。元気よくいくのじゃ〜」
「ガッハッハッハッ!全くその通りであるな!」
ハニーの掛け声に合わせてディースが笑い、笑いながら今だにバシバシと木を叩いていた。
ふと、ディースが叩いていた木の上から木ノ実のようなものが一個だけと落ちてくる。それは木の大きさに見合うほど巨大な……木ノ実?
「ディース!」
「む……ぬんっ」
俺が叫ぶと、ディースは上から落っこちてきた巨大なそれに向かってハイキックをかまし、巨大なそれはズンッと一瞬だけグニャと変形してから宙をぶっ飛んだ。
巨大なそれは物凄い勢いで別の木に直撃し、その衝撃がこちらにまで及んだ。
「す、すごい……」
シールの呆然とした呟きを聞き、ディースは気を良くしたように笑った。
「ガッハッハッハッ!我輩にかかれば木ノ実程度……」
「馬鹿が!ありゃあ木ノ実じゃねぇ!」
俺は叫びながら弓矢を準備……レシアも異変に気付いて背中の剣に手を掛けた。
「ど、どうしたの?ロアさん……」
「よく見ろ……あれの表面」
問われてエルフィアにそう言うと、エルフィアは遠目から木ノ実の表面を見る。それの表面は奇妙な模様が浮かんでおり、一つだけ穴が空いている。
それを見たエルフィアが震え声で俺に再度問いかけてきた。
「え……あ、あれって……」
「多分想像通りだぜ、お嬢様。俺も近くの森の中で何回も見たが……こんだけでけぇのは見たことねぇわな」
俺が言い終えると同時に、それに空いていた一つの穴から……ブーンという羽音を立てながら黄色と黒の色が特徴的な……、
「おぉ!あやつはジャイアントビーじゃな!」
「の、呑気に言っている場合じゃないですよ!先生!」
「お、お嬢様!」
ハニーの側にいたエルフィアを護るようにシールが前に出る。
ブーンという羽音を立ててエルフィア達の方へジャイアントビーは凶悪な表情で飛び、今にもお尻についた針で貫こうとしていた。
だが、そんなことはさせないとハニーがニヒル笑みを浮かべてシール達の前に躍り出ると、腕を交差しせてポーズをとって叫んだ。
「【ビリビリしたいのかえ?】」
ハニーがそう口にすると頬に刻まれていた稲妻の刻印が輝き、ハニーの正面にその刻印が浮かび上がると刻印の中心から稲妻が走り、シール達を襲おうとしていたジャイアントビーを一撃でビリビリと倒してしまった。
「へぇ……あれが魔法かよ」
「何を今更……前にも見たことがあるでしょう」
俺の何気ない感想にレシアが突っかかってきた。
こいつ、ハニーがジャイアントビーを止められると分かってワザと動かなかったな……試すような真似しやがって、スカした顔しやがる。
まあ、レシアならエルフィアが本当にピンチなようなら数十メートル程度の距離、どうということもないのだろうが。
俺はムスッとした感じで腕を組み、言った。
「たしかにな……だが、あいつのあれはあん時よりも早くねぇか?しかも、なんか詠唱?も変だしな」
「刻印魔法は決められた言葉を口にし、魔力を流せば発動します…通常の魔法よりも圧倒的に発動は早いのです。もちろん、それ相応の弱点もありますが」
「はぁーん……っと、出てきやがったな」
俺とレシアが話している間にも……さっきディースが蹴り飛ばした木ノ実、ではなくジャイアントビーの巣からブーンッとジャイアントビーが大量に出てくる。
俺は矢筒から矢を三本ほど取り出し、出てきたジャイアントビーの額を射抜く。
「おぉ!やるのぉ〜」
「馬鹿言え。んなもん、ちっとばかし弓の使いが上手くなりゃあ誰でも出来るっつの」
「えぇ……」
ハニーの過小評価に俺がもっとやれるという意図で返すと、そんなわけないという感じでシールが引きつった笑みを浮かべた。
「おっと……だが、矢の本数が心許ねぇからな!頑張れお前ら!」
「ろ、ロアさん……」
親指を立てて、前衛職のディースとレシアに言うとエルフィアもシールと同じように引きつった笑みを浮かべた。
何が悪いという。
「これだから弓は……お前は後ろで大人しくしていてください」
「ガッハッハッハッ!弓というのは不便であるな!」
「なんだとてめぇら!上等じゃボケェ!」
馬鹿にされては黙ってられん。矢が尽きても拾って再利用して戦ってやる。
そうして俺たち三人で、巣から噴水のように湧き出てくるジャイアントビーと戦闘を始める。ハニーはその光景を俺の後ろでエルフィアもシールを背にしながら苦笑して見ていた。
「主ら、楽しそうじゃのぉ……いつもこんな感じなのかえ?」
「うん……」
「どこの誰が相手でも、みんなこんな感じです……」
エルフィアとシールも苦笑しながらそう言って、ハニーはコロコロと笑った。
「そうかえ……。くふふ、うむ!では儂も力を貸そうかのぉ〜。【ヒヤッとするぞぉ〜】」
ハニーがそう叫ぶと、今度はハニーの大胆に見えた太もも辺りが輝き、再び腕を交差するハニーの正面にまるで雪の結晶のような刻印が出現し、それと同時に数匹ほどのジャイアントビーが飛んでいる地面上に同じ刻印が出現する。
それから直ぐに地面から氷の柱が隆起し、ジャイアントビー達を氷結させ、最後には粉々に砕け散った。
「おぉ!やるではないか!ぬんっ」
ディースはハニーの魔法を見てやる気を出したのか、空を飛んでいるジャイアントビーに飛びかかって片側の羽を片手で束ねるように鷲掴み、地面に叩きつけて足で頭を踏み潰す。
ベチャっと緑色の液体が飛び散ったがディースは気にしていない風で、楽しげにまた高笑いした。
「ガッハッハッハッ!脆すぎる!もっと身体を鍛えよ!」
「遊んでいないで早く片付けてください。……ふっ」
レシアもディースを注意しながら空をブンブンと飛ぶジャイアントビーを一刀両断している。
その刃や、レシア自身に返り血が付着していないのを見て俺は少し関心した。
達人クラスともなると、返り血すら浴びないというが……はぁーん。やっぱり、やるもんだ。
まあ、だからなんだって話だが。結局、弓が一番なんだよ!
「俺もいくぞ!オラァ!!」
俺も矢が尽きるまで矢を連続で放ち、ジャイアントビーをドンドンノシていく。
と、矢が尽きた。
「あ……」
矢……拾いにいかないとなぁ……俺は頭を掻きっつの面倒ながらもジャイアントビーに刺さっている矢を回収にいく。
その間もディースとレシア、ハニーがジャイアントビーを屁でもないように片付けていって……俺が矢を回収し終えた頃には一匹だけになっていた。
その一匹のジャイアントビーハニーが動かないように拘束魔法を掛けているようで、五人はそれに対峙するように立っていた。
「なんだ?あく仕留めろよ」
五人のところに戻って言うと、レシアが俺の方に目を向けて首を振った。
「なんだよ」
「お嬢様です」
「あ?」
何言ってんだこいつ?と思いながらエルフィアの方に目をやると、エルフィアは腰に下げたそれの柄に手を掛けていた。
 
そういうことか……。
「いーのかよ。お嬢様?」
俺が問うと、エルフィアは頷いて言った。
「う、うん……みんなに任せてばっかりじゃ、王様になんてなれないもの。私だって一応剣術は習ってたし……これがあれば戦えるわ」
そう言って、エルフィアは腰に下げていた聖剣『エクスカリバー』を鞘から引き抜いた。
所持者の背負うものの大きさによって、その刃の重さを変える王の剣……こいつはエルフィアが持っているのが一番だと俺たちで判断したのだ。
それに鞘は所持者を護る絶対の盾だ。うちの大将にもしものことがあっても、鞘さえ身に付けておけば最低限自分の身を守れる。
エルフィアが剣を構えると、ハニーは頷いてジャイアントビーの拘束を解く。
ジャイアントビーもまた、示し合わせたようにエルフィアへと向かっていく。
「やぁ!」
エルフィアは恐れることなく、思いっきり『エクスカリバー』を襲いかかってきたジャイアントビーへと振るい……ジャイアントビーを一刀両断する。
だが、エルフィアはそこで止まることが出来ずに剣を勢いそのままに地面へと振り下ろした。
その瞬間、地面が揺れたと思ったらエルフィアが剣を振るった直線上が一直線に切断され、巨大な樹木が地面ごと真っ二つになっていた。
「お、おぉ……」
俺は思わず頬を引攣らせ、他のメンツも呆然としている。
……なるほど。背負うものの大きさ……か。
お嬢様怒らせない方がいいな……。
王都への道を東に逸れた場所にあるフィジン大森林まではそう遠くもなかった。
およそ数時間歩いた後にフィジン大森林の入り口に入り、シールが簡単な息を吐いた。
「うわぁ……木がおっきいなぁ」
「うむ!大きな木ばかりだな!」
シールの驚きの声に続いてディースが近くにあった巨大な樹木の幹をバシバシ叩いて揺らしながら言った。
レシアはそんな二人に説明するように口を開く。
「フィジン大森林の木々は全てが巨大です。最も大きいのが大森林の奥に佇むフィジン大樹で、全長数百メートルの大樹です」
「あ!王宮の窓からもよく見えたわ」
エルフィアは懐かしむように目を閉じて言う。そういえば森の近くに来る前にも一本だけ馬鹿でかい木が見えたっけな……今は木の枝やらが邪魔で見えねぇが。
「まあ、兎にも角にもここへ越えねばならんのじゃし〜。元気よくいくのじゃ〜」
「ガッハッハッハッ!全くその通りであるな!」
ハニーの掛け声に合わせてディースが笑い、笑いながら今だにバシバシと木を叩いていた。
ふと、ディースが叩いていた木の上から木ノ実のようなものが一個だけと落ちてくる。それは木の大きさに見合うほど巨大な……木ノ実?
「ディース!」
「む……ぬんっ」
俺が叫ぶと、ディースは上から落っこちてきた巨大なそれに向かってハイキックをかまし、巨大なそれはズンッと一瞬だけグニャと変形してから宙をぶっ飛んだ。
巨大なそれは物凄い勢いで別の木に直撃し、その衝撃がこちらにまで及んだ。
「す、すごい……」
シールの呆然とした呟きを聞き、ディースは気を良くしたように笑った。
「ガッハッハッハッ!我輩にかかれば木ノ実程度……」
「馬鹿が!ありゃあ木ノ実じゃねぇ!」
俺は叫びながら弓矢を準備……レシアも異変に気付いて背中の剣に手を掛けた。
「ど、どうしたの?ロアさん……」
「よく見ろ……あれの表面」
問われてエルフィアにそう言うと、エルフィアは遠目から木ノ実の表面を見る。それの表面は奇妙な模様が浮かんでおり、一つだけ穴が空いている。
それを見たエルフィアが震え声で俺に再度問いかけてきた。
「え……あ、あれって……」
「多分想像通りだぜ、お嬢様。俺も近くの森の中で何回も見たが……こんだけでけぇのは見たことねぇわな」
俺が言い終えると同時に、それに空いていた一つの穴から……ブーンという羽音を立てながら黄色と黒の色が特徴的な……、
「おぉ!あやつはジャイアントビーじゃな!」
「の、呑気に言っている場合じゃないですよ!先生!」
「お、お嬢様!」
ハニーの側にいたエルフィアを護るようにシールが前に出る。
ブーンという羽音を立ててエルフィア達の方へジャイアントビーは凶悪な表情で飛び、今にもお尻についた針で貫こうとしていた。
だが、そんなことはさせないとハニーがニヒル笑みを浮かべてシール達の前に躍り出ると、腕を交差しせてポーズをとって叫んだ。
「【ビリビリしたいのかえ?】」
ハニーがそう口にすると頬に刻まれていた稲妻の刻印が輝き、ハニーの正面にその刻印が浮かび上がると刻印の中心から稲妻が走り、シール達を襲おうとしていたジャイアントビーを一撃でビリビリと倒してしまった。
「へぇ……あれが魔法かよ」
「何を今更……前にも見たことがあるでしょう」
俺の何気ない感想にレシアが突っかかってきた。
こいつ、ハニーがジャイアントビーを止められると分かってワザと動かなかったな……試すような真似しやがって、スカした顔しやがる。
まあ、レシアならエルフィアが本当にピンチなようなら数十メートル程度の距離、どうということもないのだろうが。
俺はムスッとした感じで腕を組み、言った。
「たしかにな……だが、あいつのあれはあん時よりも早くねぇか?しかも、なんか詠唱?も変だしな」
「刻印魔法は決められた言葉を口にし、魔力を流せば発動します…通常の魔法よりも圧倒的に発動は早いのです。もちろん、それ相応の弱点もありますが」
「はぁーん……っと、出てきやがったな」
俺とレシアが話している間にも……さっきディースが蹴り飛ばした木ノ実、ではなくジャイアントビーの巣からブーンッとジャイアントビーが大量に出てくる。
俺は矢筒から矢を三本ほど取り出し、出てきたジャイアントビーの額を射抜く。
「おぉ!やるのぉ〜」
「馬鹿言え。んなもん、ちっとばかし弓の使いが上手くなりゃあ誰でも出来るっつの」
「えぇ……」
ハニーの過小評価に俺がもっとやれるという意図で返すと、そんなわけないという感じでシールが引きつった笑みを浮かべた。
「おっと……だが、矢の本数が心許ねぇからな!頑張れお前ら!」
「ろ、ロアさん……」
親指を立てて、前衛職のディースとレシアに言うとエルフィアもシールと同じように引きつった笑みを浮かべた。
何が悪いという。
「これだから弓は……お前は後ろで大人しくしていてください」
「ガッハッハッハッ!弓というのは不便であるな!」
「なんだとてめぇら!上等じゃボケェ!」
馬鹿にされては黙ってられん。矢が尽きても拾って再利用して戦ってやる。
そうして俺たち三人で、巣から噴水のように湧き出てくるジャイアントビーと戦闘を始める。ハニーはその光景を俺の後ろでエルフィアもシールを背にしながら苦笑して見ていた。
「主ら、楽しそうじゃのぉ……いつもこんな感じなのかえ?」
「うん……」
「どこの誰が相手でも、みんなこんな感じです……」
エルフィアとシールも苦笑しながらそう言って、ハニーはコロコロと笑った。
「そうかえ……。くふふ、うむ!では儂も力を貸そうかのぉ〜。【ヒヤッとするぞぉ〜】」
ハニーがそう叫ぶと、今度はハニーの大胆に見えた太もも辺りが輝き、再び腕を交差するハニーの正面にまるで雪の結晶のような刻印が出現し、それと同時に数匹ほどのジャイアントビーが飛んでいる地面上に同じ刻印が出現する。
それから直ぐに地面から氷の柱が隆起し、ジャイアントビー達を氷結させ、最後には粉々に砕け散った。
「おぉ!やるではないか!ぬんっ」
ディースはハニーの魔法を見てやる気を出したのか、空を飛んでいるジャイアントビーに飛びかかって片側の羽を片手で束ねるように鷲掴み、地面に叩きつけて足で頭を踏み潰す。
ベチャっと緑色の液体が飛び散ったがディースは気にしていない風で、楽しげにまた高笑いした。
「ガッハッハッハッ!脆すぎる!もっと身体を鍛えよ!」
「遊んでいないで早く片付けてください。……ふっ」
レシアもディースを注意しながら空をブンブンと飛ぶジャイアントビーを一刀両断している。
その刃や、レシア自身に返り血が付着していないのを見て俺は少し関心した。
達人クラスともなると、返り血すら浴びないというが……はぁーん。やっぱり、やるもんだ。
まあ、だからなんだって話だが。結局、弓が一番なんだよ!
「俺もいくぞ!オラァ!!」
俺も矢が尽きるまで矢を連続で放ち、ジャイアントビーをドンドンノシていく。
と、矢が尽きた。
「あ……」
矢……拾いにいかないとなぁ……俺は頭を掻きっつの面倒ながらもジャイアントビーに刺さっている矢を回収にいく。
その間もディースとレシア、ハニーがジャイアントビーを屁でもないように片付けていって……俺が矢を回収し終えた頃には一匹だけになっていた。
その一匹のジャイアントビーハニーが動かないように拘束魔法を掛けているようで、五人はそれに対峙するように立っていた。
「なんだ?あく仕留めろよ」
五人のところに戻って言うと、レシアが俺の方に目を向けて首を振った。
「なんだよ」
「お嬢様です」
「あ?」
何言ってんだこいつ?と思いながらエルフィアの方に目をやると、エルフィアは腰に下げたそれの柄に手を掛けていた。
 
そういうことか……。
「いーのかよ。お嬢様?」
俺が問うと、エルフィアは頷いて言った。
「う、うん……みんなに任せてばっかりじゃ、王様になんてなれないもの。私だって一応剣術は習ってたし……これがあれば戦えるわ」
そう言って、エルフィアは腰に下げていた聖剣『エクスカリバー』を鞘から引き抜いた。
所持者の背負うものの大きさによって、その刃の重さを変える王の剣……こいつはエルフィアが持っているのが一番だと俺たちで判断したのだ。
それに鞘は所持者を護る絶対の盾だ。うちの大将にもしものことがあっても、鞘さえ身に付けておけば最低限自分の身を守れる。
エルフィアが剣を構えると、ハニーは頷いてジャイアントビーの拘束を解く。
ジャイアントビーもまた、示し合わせたようにエルフィアへと向かっていく。
「やぁ!」
エルフィアは恐れることなく、思いっきり『エクスカリバー』を襲いかかってきたジャイアントビーへと振るい……ジャイアントビーを一刀両断する。
だが、エルフィアはそこで止まることが出来ずに剣を勢いそのままに地面へと振り下ろした。
その瞬間、地面が揺れたと思ったらエルフィアが剣を振るった直線上が一直線に切断され、巨大な樹木が地面ごと真っ二つになっていた。
「お、おぉ……」
俺は思わず頬を引攣らせ、他のメンツも呆然としている。
……なるほど。背負うものの大きさ……か。
お嬢様怒らせない方がいいな……。
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