かみさま、殺してきました「テヘ♡」

なぁ~やん♡

本章プロローグ:「さぁかぁのぉはぁしぃ かぁんなっ!」

「さぁかぁのぉはぁしぃ~かぁんなっ!」
短い髪の少女。黒いぼろぼろのフードで、ぼろぼろのコートに覗く真っ白な肌。少女の手にはボードがあり、行き止まりの角に、彼女はいる。彼女はもう一度繰り返した。
「さっかのっはしっかぁんなっ」
今度は少女の口の中にキランと歯が光った。殺気立っている赤い少女の目と伸びた銀色の髪がうまく映る。繰り返し口ずさんでいた名は「坂ノ橋神奈」一級神という最上級の神だ。ボードには坂ノ橋神奈の様々な情報がメモされており、その字は少女とは言えないほど美しいものだった。
「さ~か~の~は~し~、か~ん~なぁ」
少女はもう一度口ずさみ、ガっとそばにあった髪ときをつかんだ。するっと通る髪は、長年手入れしているように見える。
「かぁとぉおぉ~れぇいぃじぃ♪」
今度は違う名前を口ずさんだ。坂ノ橋神奈の一流臣下の二級神。
「いぃまぁかぁらぁいぃくぅよぉ☆」
よく聞いてみると、それは歌になっていた。確かになのだ。リズムは4分の3拍子。少女はすくっと立、ボードと横に置いてあるカバンをつかみ、人差し指をくるっと回すと、ぼろぼろの服とスカートは黒い新品になっていた。少女はにたぁと笑い、歩き始めた。よく見ると、黒いハイヒール…黒でまとまっている。いつの間にか腰には剣が収められていた。長袖の服は秋の始まりの風にびくともしない。

少女の髪が舞うとき、秋は始まった。少女は気にせず歩く―――――――――――――――――――。

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