かみさま、殺してきました「テヘ♡」

なぁ~やん♡

第四プロローグ;「殺之心」(1)

「ねぇ・・・?行くの・・・?」
少女はもう一度問いかけた。
『大丈夫だよ。私がいるから。』
もうサランは、私の中で敵ではない。かといって警戒していないわけでもないけれど・・・。

   ♢     ♦     ♢
「オレ、やっぱ戻ります!」
れいじだった。
『もう、あきらめるのか・・・?』
「いいえ!セルステアの気配があるのです!」
『あぁ、確かにある。それに、あいつらの気配も・・・』
「えっと・・・師匠一行?」
『あたりだ。』
坂ノ橋神奈は続ける。
『あいつらも来る。早めに戻った方がいい。それに、クリスタルも来る。セルステアより後に。さっさと帰ろう。時間の無駄だ。』
「は、はい!」

   ♢     ♦     ♢
〔師匠・・・?〕
師匠が冷めた顔をしている。
{早く行きましょう?}
「いや・・・坂ノ橋神奈様のところに行かなくては!」
「は?なぜ?」
師匠の言う、坂ノ橋神奈様。のことはここにいる誰もが詳しく知らない。
「知らねーけど、クリスタルの気配がそっちに行っている・・・!」
〔だから、道が遠く感じたのね・・・?〕
「あぁ、そうゆうことだ。」
{じゃあ、出発っしょ!}
「あぁ。」

   ♢     ♦     ♢
「ねぇ、サラン・・・早く行きたい・・・」
まだパンを頬張続けるサランに少女は注意する。
『え~、だってぇ・・・もっと食べたいしぃ・・・人間界の食べ物初めて・・・』
「ほら!もうなくなった!何日かかるかわからないのよ!?」
『そんなの・・・いい。お金あるから!』「あ、そうだ。」
体の中にいるにもかかわらず、この会話のしやすさはなんという便利なものなのだろう。ただ、行動できないのは少しつらいが・・・。
「ねぇ?あの・・・、今から行かない?」
『ちょっと待ちなさい。まだ夜じゃないわ。人がいる。危ないから。』
「あ、そっか、みんなは魔法なんて知らないか・・・」
『普通の人間だからな・・・』
女の子は頷いた。
「あ、ねぇ、そこになんかない?」『え?』
サランが手を動かすと、ガタガタしたものがサランの手に当たった。ボードだった。それに一番先に反応したのはサランではなく、少女だった。
「ねぇ、サラン。こんなのあったっけ?」
『・・・え?なんだっけ・・・』
どうやら、サランも知らないようだ。目を丸くしている。サランはボードを持ち上げる。
「なになに・・・?・・・坂ノ橋神奈の情報だ!」
サランもその文字に目を向けると、確かに坂ノ橋神奈の情報が並んでいる。
『あぁ、これか。私が書いたものだ。』「え?そういうこと?」
『えっと・・・新しく調べたこともあるから書かなきゃ』
「でも・・・字綺麗だね・・・」『う~ん・・・・』
サランがそれを書き終わると、ちょうど人通りも途絶えた。サランは自分の周りを見渡した。
『テントは壊れたから要らない。ご飯ももうない。必要なものはボード、携帯、櫛。これだけ。』
「へぇ~、まとめるね。私だったらテントの布の切れとかもってっちゃう・・・」
『う~ん、私も普通ならもってっちゃうかもしんないけど、今回は特別じゃん?戦いだもの。邪魔になるからな』
「へぇ~」
『心に準備と体の準備したら行くぞ?』「おけけ」
少女とサランは頷いた。さぁ・・・、どうなる?

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