かみさま、殺してきました「テヘ♡」

なぁ~やん♡

決之意(3)完

翌日だった。
「ねぇ、サラン。このまんま?」
そうだ。何か行動をしなければ。
『はむ・・・ん~、そうだねぇ~、セルステアからなぁ~んにも連絡ないのねぇ~・・・なんか、何かしないと、計画が無駄になりそうねぇ・・・』
「知ってんのかよ!」
パンをほおばるサランに少女は言った。
「食べ過ぎたらなくなっちゃうよ。セルステア、残してくれなかった・・・」
『残そうともしてなかったんじゃなぁ~い?なぁ~んか、わざとぽいしぃ~・・・あぁ、ご飯なら、大丈夫!お金持ってきてるからぁ~。』
「あ!そういえば私のやつとられてる~」
『セルステアは強盗かよぉ・・・』「そかな?」『見ろよ』
心の中でも意外に便利に話せるのがいいと言いたい。
もう明日には出発すると昨日決めた。
そういえば、あそこを出てから、何日たったのだろう・・・。
間違いなく、少女はさまざまなことを学んできた。話してきた。見てきた。一緒にいた日々は、いつも楽しかったし、嬉しかった。
でも、少女は淋しくなかった。怒りだった。悪魔になっていたからだ。
『サランねぇ~エ、セルステアもあいつも坂ノ橋も好きじゃないんだぁ・・・』
「どうして?」
サランは食べる手を止めた。
『昔、悪魔になる前の試験に、すっご~い戦いがあったの。それはね、オーディションだったの。悪魔の神になるためには、戦って、生き残った人のみがなれるのぉ~。だからね、もう神であった3人はね、グループだったしすごく有利だったの。私は、一人でね・・・。みんな怖がってたのに、しかもグループも持ってた人が。でもね、その三人と戦わなきゃいけなかったのが、私だったの。こんなにいっぱいいるのに、どうして私なのだろうって、スっごくショックになった。予想どうり、苦戦したの。本当に死にそうになったわ。でもね、悪魔の素質を私は持っていたの。だから殺気をめちゃくちゃに出しちゃってね・・・。それで、係員が駆けつけて、私を調べるとあっちも私に素質があることがわかってね。こうなったの。』
「てことは、係員が命の恩人?」『そ。』
サランにも、こんな過去がある。だからこそ放っても置けない。
『死ぬかと思ってね。』
サランは続けた。
『でもそこで、係員さんがこう言ってくれたの。「大丈夫。頑張ったよ。きみは本当に素晴らしい!」ってね。魔法のことかわかんなかったけど、素直にうれしかったの。だから、どんなことがあっても、笑顔でいなきゃ、このことを忘れて「悪魔」にならなきゃ!って思って、いまに至るわけよ』
サランの今日初めての優しい表情だった。
「そっか・・・」
少女の顔が暗くなった。サランだからって思っちゃだめだ。悲しい過去は誰にだってある。こんな悲しい過去を持っている人がいる。だから、殺さなきゃだめだ・・・!

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