かみさま、殺してきました「テヘ♡」

なぁ~やん♡

斬之心(3)完

歌い終わったら、少女と少年は二つの寝袋を広げ、その中に滑り込んだ。
『あしたは早いよ。おっと、もう8時だ。明日5時に起きるから、もう寝ないと・・・・』
「えっぇ!?灯り付けたまんま!」
『いいんだ。こっちのほうがラクなの』
「もう。」『ボクだってろうそくもってきてる。』「え~??」
こうして、二人の一日は過ぎた。
「あー、あれ、まだ4時半・・・よかったぁ~。」
『ン・・・ボクも起きたばっか・・・』

「今日ってはやいんだ?」
『うん・・・。』
妙にセルステアのテンションが低い。そんなの、あり得ない!
『ボク、今日ひどいことしちゃうかも?』
「やぁだ!セルステアがすることがひどいわけないじゃない!」
『キミとボク、そんなに知り合ってないからわかんないでしょ?』
「大丈夫だよ!許すもの!」
『ボクが何をしても?』「うん!」『甘やかしだ・・・』「えっ!(;^ω^)汗」

まだ私はあの時、セルステアが何をしようとしたのかわからなかった。でも、セルステアのテンションが上がってきたからそれでいい。そんな考えしかなかった。セルステアの言う通り、私は甘かった。
『はやく片づけて!』「はぁい!」
朝食はクロワッサン30個。セルステアは呆れて、
『キミ、ボクのも合わせたら1年分以上食べたよ?』「すっくね」
『もう食べるな!足取りが遅いじゃないか。』
5年分の食料を食べ、二人は人気のない行き止まり道についた。
『どうやらここは大都市でいらなくなった道路なのだろう。此処は誰も通らない。今日はここにしよう』
「わかった!」
『ボクが何をしても、許す??』「うん!」『そう。』
実はこの時、セルステアには悲しみの気持ちが満ちていた。そう。クリスタルはもう少年を大切な頼れる存在にしてしまったから・・・・・・。
そして、水を飲み、ご飯を食べ、二人は寝た。
翌日——————————。
「あれ?セルステア?」
そう。セルステアはいなかった。代わりに横に手紙が残された。
『探さないでください。食料は1か月分残しておきました。御免なさい。さみしいだろうけれども、あだ名の約束もかなえられなかったとしても・・・。あの男は貴女を探しています。ボクはそいつを止めに行くのです。それまで誰にも見つからない此処で待機してください。あなたがここに居続けることが、いまのボクの
一番の希望です―――セルステア』
怖かった。現実のすべてが怖くなった。
「寂しいよ・・・セルステア、戻ってきてっ!」
頬から涙が一筋、二筋・・・。そしてそれはだんだん強くなり、
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁっ。」
見つかっちゃいけない。だってセルステアの希望だもの。

でも、たとえ希望を為しても、この心の傷は消えませんよ。セルステア・・・。

まだセルステアを信頼していたクリスタルは、どうしてもセルステアを恨むことができなかった。少女はテントを壊して投げ捨て・・・。と。食料袋だけをそばに置いた。雨が降った。スカートの彼女は寒く感じた。そして雨は哀しく彼女の頬をぬらした・・・。

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