天女×天姫×天使…天華統一
第24話 リフレッシュ
カポンとか、なんかそういう音がテレビとかだと使われそうな雰囲気の中、俺は肩までしっかりと湯に浸かっていた。
「ふー。あ〜疲れた。ほんとに疲れた」
思わずそう呟いてしまう。
思い出すのは今日1日の出来事。
異世界から日本の自分の家に帰ってきて、姉ちゃんとアマとパールとなんか話し合いになって、そのあと遊びに出かけたという出来事。
けっこうハードな1日だったな。けど、明日から異世界に戻ってまた戦が始まる毎日が始まると思うと、今日はいい休暇みたいになっただろう。考え方がOLみたいだな。姉ちゃんもこんなことを思っていたりするのか?あとで肩もみでもしてやりながら愚痴ぐらい聞こう。
「おー!パールちゃんすごいの持ってるね〜!これで大和を落とすのかな?」
「んぁ……。な、何を言っているのですか姉君。姉君だってすごいものをお持ちではありませんか。それに大和はこんなことでは微動だにしないと思うのですが」
「ん〜。そうなんだよね〜。私のこれだって大和のことを思っ……違うのよ!?勝手にこうなったんだからね?大和えっちな本はもってるくせに、実際には興味なさそうに女の子を見るからね。パールちゃんのこれはあまり使えないかもね」
「いや〜日本の銭湯という場所は広くていいですね!大和さまー!聞こえますかー!」
能天気なアマが聞いてくる。
今は男湯には俺しかいないが、ほかに誰かいたらどうすんだよ。あとでデコピンだな。
つかなアマ?お前の声だけじゃなく、姉ちゃんたちの聞いてはいけないであろう会話まで聞こえてて、何げにきまづい思いをしてんだよ俺は。あの会話を聞く限り女湯のほうも姉ちゃんたちしかいないんだろうな。
結構いい時間帯の銭湯なのに、おれたちしかいない貸切状態。大丈夫なのか?この銭湯?
「あー聞こえてるぞアマ。泳ぐなよー」
それにしても姉ちゃんたちこえー会話してたな。俺を腕で落とすとか。あとで首でも締められるのか?俺は。
「お、泳ぎませんよ!犬かきしかしませんよ!」
「んーグレーゾーンな気もするが、犬ならしょうがないしな。姉ちゃんたちに迷惑かけないようにな」
「わんわん!」
ついに人間語を話せなくなったか。あのメス犬は。
つか、元気だな。あんなにはしゃいでたのにまで元気があるとは。あれが若さなのかもな。
「や、大和!?聞こえているのか?」
狼狽したパールの声が聞こえてくる。
そんなにやばい会話をしてたのか?
「ちょっとは聞こえてるぞ」
「人の会話を盗み聞くのはダメなんだよ?大和」
「ごめん姉ちゃん」
聞きたくて聞いたわけじゃ全然ないんだけどな。
でも、姉ちゃんに言われたら何も言えないな。うん。悪いのは盗み聞いてた俺だ。
☆
「いやーいい湯だった」
「なんかオヤジくさいぞ大和よ。言動といい、その顔といい」
「顔ってどう言う意味だよ。事と次第によっちゃ泣くぞ。それに、いい湯だったのは本当なんだからしょうがねぇだろ。それになオヤジじゃなくてもこれはみんな言うぞたぶん」
「そうなのか?」
「そうだ。ほらアマだって言ってんじゃねーか」
先を歩くアマを俺は指差す。アマは姉ちゃんと談笑しながら歩いていた。
「いや〜いいお湯でしたね!お姉さま!それに泳ぎやすかったです!」
「必死に犬かきをしてるアマちゃんは可愛かったよ?妹にするならアマちゃんかなー?」
「?また行きたいです!」
「アマちゃんにはまだ分からないかな。うん。また行こうね!」
仲良く歩いている二人を見ると、姉妹にみえる。パールも入れたら仲良し三姉妹だな。
「平和だなここは」
となりで歩いているパールが、そう呟く。
俺はいろいろな思いでそういったパールにたいして返事を出来なかった。
「町は栄えていたし、笑いがあちこちで飛び交っていた。どこが影があるようにわらっている者など居なかった。あっちの世界とは別世界だ」
「パールは平和を望んでいるんだな。優しいな」
「う、うむ……。だが、戦が無くならければいいとも思ってしまう自分がいる。戦のために体を鍛えたし、何より慣れてしまった。戦うことに」
「難しいな」
パールの考えは、正直俺はなんとも答えてやることはできない。平和がいいというのは分かる。けど、戦が無くなってしまうのは、パールにとっては存在意義が無くなってしまうのと同じなのだろう。ほんとうに難しい。
「まぁでもまずは天下をとろう。天下をとったらパールの何かが変わるかもしれないしな。変わらなくて戦いたいという欲求があるんなら、俺がいつでも相手してやるよ」
「うむ。その時は頼む」
「おう」
こっちに帰ってきて何度目か分らない決意を俺は固めた。
☆
「姉ちゃん起きてたのか?」
「うん。ちょっと目が覚めちゃてね」
飲み物を飲もうと来たら、姉ちゃんが起きていた。てっきりもう寝たもんだと思っていたからちょっとびっくりした。
「大和は……」
「うん?」
「ううん。なんでもない。明日もう行くんでしょ?」
「うん。明日また行ってくる。いつ帰れるかは分かんないけど」
俺は明日、また異世界へと行く。今回は何もなくて帰ってこれたが、次はそうは行かないかもしれない。姉ちゃんに心配をかけないようにしないとな。
「うん。でもいい?大和」
俺に近づき、ギュッと俺を抱きしめながら、姉ちゃんは囁くように、赤ちゃんに語りかけるように言った。
「いつになってもいいから。ちゃんと帰ってきてね?じゃないとお姉ちゃん怒るからね?」
「うん。分かってるよ」
久しぶりに受けた抱擁に多少ドキドキしながら、俺は、更に決意を固めた。
やっぱ、姉ちゃんに抱擁されるのは落ち着くな。またされるためにもさくっと終わらせて帰ってこよう。決して俺はシスコンじゃないからな。姉ちゃんに心配をかけたくないだけだから。
「ふー。あ〜疲れた。ほんとに疲れた」
思わずそう呟いてしまう。
思い出すのは今日1日の出来事。
異世界から日本の自分の家に帰ってきて、姉ちゃんとアマとパールとなんか話し合いになって、そのあと遊びに出かけたという出来事。
けっこうハードな1日だったな。けど、明日から異世界に戻ってまた戦が始まる毎日が始まると思うと、今日はいい休暇みたいになっただろう。考え方がOLみたいだな。姉ちゃんもこんなことを思っていたりするのか?あとで肩もみでもしてやりながら愚痴ぐらい聞こう。
「おー!パールちゃんすごいの持ってるね〜!これで大和を落とすのかな?」
「んぁ……。な、何を言っているのですか姉君。姉君だってすごいものをお持ちではありませんか。それに大和はこんなことでは微動だにしないと思うのですが」
「ん〜。そうなんだよね〜。私のこれだって大和のことを思っ……違うのよ!?勝手にこうなったんだからね?大和えっちな本はもってるくせに、実際には興味なさそうに女の子を見るからね。パールちゃんのこれはあまり使えないかもね」
「いや〜日本の銭湯という場所は広くていいですね!大和さまー!聞こえますかー!」
能天気なアマが聞いてくる。
今は男湯には俺しかいないが、ほかに誰かいたらどうすんだよ。あとでデコピンだな。
つかなアマ?お前の声だけじゃなく、姉ちゃんたちの聞いてはいけないであろう会話まで聞こえてて、何げにきまづい思いをしてんだよ俺は。あの会話を聞く限り女湯のほうも姉ちゃんたちしかいないんだろうな。
結構いい時間帯の銭湯なのに、おれたちしかいない貸切状態。大丈夫なのか?この銭湯?
「あー聞こえてるぞアマ。泳ぐなよー」
それにしても姉ちゃんたちこえー会話してたな。俺を腕で落とすとか。あとで首でも締められるのか?俺は。
「お、泳ぎませんよ!犬かきしかしませんよ!」
「んーグレーゾーンな気もするが、犬ならしょうがないしな。姉ちゃんたちに迷惑かけないようにな」
「わんわん!」
ついに人間語を話せなくなったか。あのメス犬は。
つか、元気だな。あんなにはしゃいでたのにまで元気があるとは。あれが若さなのかもな。
「や、大和!?聞こえているのか?」
狼狽したパールの声が聞こえてくる。
そんなにやばい会話をしてたのか?
「ちょっとは聞こえてるぞ」
「人の会話を盗み聞くのはダメなんだよ?大和」
「ごめん姉ちゃん」
聞きたくて聞いたわけじゃ全然ないんだけどな。
でも、姉ちゃんに言われたら何も言えないな。うん。悪いのは盗み聞いてた俺だ。
☆
「いやーいい湯だった」
「なんかオヤジくさいぞ大和よ。言動といい、その顔といい」
「顔ってどう言う意味だよ。事と次第によっちゃ泣くぞ。それに、いい湯だったのは本当なんだからしょうがねぇだろ。それになオヤジじゃなくてもこれはみんな言うぞたぶん」
「そうなのか?」
「そうだ。ほらアマだって言ってんじゃねーか」
先を歩くアマを俺は指差す。アマは姉ちゃんと談笑しながら歩いていた。
「いや〜いいお湯でしたね!お姉さま!それに泳ぎやすかったです!」
「必死に犬かきをしてるアマちゃんは可愛かったよ?妹にするならアマちゃんかなー?」
「?また行きたいです!」
「アマちゃんにはまだ分からないかな。うん。また行こうね!」
仲良く歩いている二人を見ると、姉妹にみえる。パールも入れたら仲良し三姉妹だな。
「平和だなここは」
となりで歩いているパールが、そう呟く。
俺はいろいろな思いでそういったパールにたいして返事を出来なかった。
「町は栄えていたし、笑いがあちこちで飛び交っていた。どこが影があるようにわらっている者など居なかった。あっちの世界とは別世界だ」
「パールは平和を望んでいるんだな。優しいな」
「う、うむ……。だが、戦が無くならければいいとも思ってしまう自分がいる。戦のために体を鍛えたし、何より慣れてしまった。戦うことに」
「難しいな」
パールの考えは、正直俺はなんとも答えてやることはできない。平和がいいというのは分かる。けど、戦が無くなってしまうのは、パールにとっては存在意義が無くなってしまうのと同じなのだろう。ほんとうに難しい。
「まぁでもまずは天下をとろう。天下をとったらパールの何かが変わるかもしれないしな。変わらなくて戦いたいという欲求があるんなら、俺がいつでも相手してやるよ」
「うむ。その時は頼む」
「おう」
こっちに帰ってきて何度目か分らない決意を俺は固めた。
☆
「姉ちゃん起きてたのか?」
「うん。ちょっと目が覚めちゃてね」
飲み物を飲もうと来たら、姉ちゃんが起きていた。てっきりもう寝たもんだと思っていたからちょっとびっくりした。
「大和は……」
「うん?」
「ううん。なんでもない。明日もう行くんでしょ?」
「うん。明日また行ってくる。いつ帰れるかは分かんないけど」
俺は明日、また異世界へと行く。今回は何もなくて帰ってこれたが、次はそうは行かないかもしれない。姉ちゃんに心配をかけないようにしないとな。
「うん。でもいい?大和」
俺に近づき、ギュッと俺を抱きしめながら、姉ちゃんは囁くように、赤ちゃんに語りかけるように言った。
「いつになってもいいから。ちゃんと帰ってきてね?じゃないとお姉ちゃん怒るからね?」
「うん。分かってるよ」
久しぶりに受けた抱擁に多少ドキドキしながら、俺は、更に決意を固めた。
やっぱ、姉ちゃんに抱擁されるのは落ち着くな。またされるためにもさくっと終わらせて帰ってこよう。決して俺はシスコンじゃないからな。姉ちゃんに心配をかけたくないだけだから。
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