俺の嫁はデレない異世界のお姫様
第28話結婚式当日の朝
その後由奈の説得とか色々あったが、無事(?)に初日を終え迎えた翌日。式自体は午後かららしいが、主役である俺は朝から格好などの準備に振り回されていた。
「なあ、服装は別になんでもいいんじゃないのか? お前だってそんなにこだわってないんだろ?」
「普段は私も服は気にしない方なんだけど、今日くらいはしっかりとしなきゃ駄目じゃない。一応国の一大行事なんだし」
「国の状況からして、そんなに人が来ないと俺は思うんだけど?」
「いちいちそんなこと気にしている場合? ほら、とっとと着替えなさいよ」
結婚式の服装なんて考えたことがない俺にとっては、朝からの着替えやらなんやらは俺にとって正直面倒くさいことばかりだった。最終的に着替えるのに二時間かかり、どんな服装になったのかというと……。
「何というか無難すぎるな」
簡単に説明すると、俺が着させられたのは結婚式でよく使われているセレモニースーツ。色は白でちょっと俺には似合わない気がするけど、まあ良しとしよう。
着慣れていないスーツを鏡を見ながら整えていると、由奈がからかいにやって来た。
「ふーん、白色のスーツなんだ」
「何か着心地よくないんだよなこれ
「圭ちゃんが着ているからじゃない?」
「サラッと酷いこと言うなお前」
「私は昔からそうでしょ?」
「自覚しているなら自重しろよ」
ていうかそんな性格だったか?
「そういえばお前は服とかどうするんだ?」
由奈はどんな服を着ているのか気になって、鏡越しに見るがまだ普段着のままだったので尋ねてみる。
「私? 一応城のメイドさんに服を用意してもらったんだけど、ちょっと着にくいのよ」
「着にくいって、一体どんなものを着ようとしているんだ?」
「何かね、ドレスみたいな何かなんだけど、あんまし私に似合うようなものじゃないのよ」
「何だよドレスみたいなものって」
普通にドレスじゃないのか? まあ数時間後には見れるんだからいいか。
「あ、そういえばココネちゃんが今すぐこいって呼んでたわよ」
「何だよその命令口調は。相変わらずだな」
多分着替えが終わったから、見てほしいんだろうけど、いちいち命令しなくてもいいんだよな。
「それに慣れている圭ちゃんもどうかと思うけど」
「とにかくちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい」
きちんとスーツを整えた俺は、由奈に言われたとおり再びココネの元へと向かうのであった。
■□■□■□
で、ココネの元にやってきたのだが、
「どう? 似合ってる?」
「どうってお前、そりゃあ……」
俺が到着するなり自分が着るウェディングドレスを見せびらかしてきた。それを見た俺の率直な感想は、
(やばい、すげえ可愛いんだけど)
女性がウェディングドレスを着ると、すごく綺麗に見えるとはこういう事なのだろうか? 真っ白な純白のウェディングドレスを身にまとっている彼女は、美しいというよりは可愛いの部類に入る。これが花嫁というやつなのだろうか?
「で、どうなのよ? 感想くらい述べなさいよ」
「え、えっと、その……か……」
「か?」
「か、か、か」
感想を求められ、そのまま感じたことを口にすればいいのだが、なかなか言いにくい。だって今までそんなセリフ言ったことがなかったし、相手がココネなら尚更かも知れない。
「か、可愛いな」
それでも言わないと怒られてしまいそうなので、勇気を振り絞ってそおセリフを言う。それに対してココネは、
「ふぇ? か、可愛い?」
と不抜けた声を出したあと、顔を真っ赤にして慌て始めた。
「な、な、何よ急に可愛いだなんて言い出して。お世辞にも程があるでしょ」
「いやお世辞じゃないんだけど」
「お、お世辞じゃないの? ほ、本当に思っているってわけ?」
「ま、まあな」
実際そう思っているのは否定できない。今のココネはウェディングドレスが似合っているし、ちょっと化粧でもしているのかかなり可愛い。普段の彼女とはまた違った雰囲気が出ている。
「あのセレスが、私のために特別に発注したらしいのよ。彼が選ぶのって今までまともなものがなかったから心配だったけど、あ、あんたがそう言うなら大丈夫かな」
「似合っているから心配ないと思う。胸を張っていいんじゃないかな」
「そ、そうなんだ。何かそう言われるとすごく恥ずかしいけど」
「言っている俺が一番恥ずかしいんだけどな」
変なものを着られるより百倍マシだ。それにこれだけ似合っているんだから、人前に出ても問題ないだろう。あとはメンタル面での問題か。
「なあココネ、お前緊張してないのか?」
「緊張? 私がそんなのするわけないじゃない」
「随分と余裕なんだな。流石は一国の姫だな」
「ふん、これでも私は姫なんだからね」
「まあ俺も国王になるけどな」
「うっ、それはそうだけど。私の方が経験豊富なんだから」
「はいはいそうですか」
二年ほど引きこもってたくせにとは、口が裂けても言えない。言ったら確実に殺されるだろうし。
「そういうあんたはどうなのよ」
「俺か? 俺は勿論緊張してるに決まってるだろ。結婚式なんて一生に一度の経験なんだから」
「ふーん、緊張しているんだ。まあ精々私の足を引っ張らないでよね」
「分かってるよ」
そんな感じで適当に雑談していると、セレスが部屋に入ってきて俺達にこう告げた。
「ココネ様、ケイイチ様、そろそろ式の時間ですので、式場までご案内します」
それは結婚式が始まるという知らせだった。
「じゃあ行くか」
「うん」
いよいよ俺いとって人生でたった一度の大イベントが始まる。
「なあ、服装は別になんでもいいんじゃないのか? お前だってそんなにこだわってないんだろ?」
「普段は私も服は気にしない方なんだけど、今日くらいはしっかりとしなきゃ駄目じゃない。一応国の一大行事なんだし」
「国の状況からして、そんなに人が来ないと俺は思うんだけど?」
「いちいちそんなこと気にしている場合? ほら、とっとと着替えなさいよ」
結婚式の服装なんて考えたことがない俺にとっては、朝からの着替えやらなんやらは俺にとって正直面倒くさいことばかりだった。最終的に着替えるのに二時間かかり、どんな服装になったのかというと……。
「何というか無難すぎるな」
簡単に説明すると、俺が着させられたのは結婚式でよく使われているセレモニースーツ。色は白でちょっと俺には似合わない気がするけど、まあ良しとしよう。
着慣れていないスーツを鏡を見ながら整えていると、由奈がからかいにやって来た。
「ふーん、白色のスーツなんだ」
「何か着心地よくないんだよなこれ
「圭ちゃんが着ているからじゃない?」
「サラッと酷いこと言うなお前」
「私は昔からそうでしょ?」
「自覚しているなら自重しろよ」
ていうかそんな性格だったか?
「そういえばお前は服とかどうするんだ?」
由奈はどんな服を着ているのか気になって、鏡越しに見るがまだ普段着のままだったので尋ねてみる。
「私? 一応城のメイドさんに服を用意してもらったんだけど、ちょっと着にくいのよ」
「着にくいって、一体どんなものを着ようとしているんだ?」
「何かね、ドレスみたいな何かなんだけど、あんまし私に似合うようなものじゃないのよ」
「何だよドレスみたいなものって」
普通にドレスじゃないのか? まあ数時間後には見れるんだからいいか。
「あ、そういえばココネちゃんが今すぐこいって呼んでたわよ」
「何だよその命令口調は。相変わらずだな」
多分着替えが終わったから、見てほしいんだろうけど、いちいち命令しなくてもいいんだよな。
「それに慣れている圭ちゃんもどうかと思うけど」
「とにかくちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい」
きちんとスーツを整えた俺は、由奈に言われたとおり再びココネの元へと向かうのであった。
■□■□■□
で、ココネの元にやってきたのだが、
「どう? 似合ってる?」
「どうってお前、そりゃあ……」
俺が到着するなり自分が着るウェディングドレスを見せびらかしてきた。それを見た俺の率直な感想は、
(やばい、すげえ可愛いんだけど)
女性がウェディングドレスを着ると、すごく綺麗に見えるとはこういう事なのだろうか? 真っ白な純白のウェディングドレスを身にまとっている彼女は、美しいというよりは可愛いの部類に入る。これが花嫁というやつなのだろうか?
「で、どうなのよ? 感想くらい述べなさいよ」
「え、えっと、その……か……」
「か?」
「か、か、か」
感想を求められ、そのまま感じたことを口にすればいいのだが、なかなか言いにくい。だって今までそんなセリフ言ったことがなかったし、相手がココネなら尚更かも知れない。
「か、可愛いな」
それでも言わないと怒られてしまいそうなので、勇気を振り絞ってそおセリフを言う。それに対してココネは、
「ふぇ? か、可愛い?」
と不抜けた声を出したあと、顔を真っ赤にして慌て始めた。
「な、な、何よ急に可愛いだなんて言い出して。お世辞にも程があるでしょ」
「いやお世辞じゃないんだけど」
「お、お世辞じゃないの? ほ、本当に思っているってわけ?」
「ま、まあな」
実際そう思っているのは否定できない。今のココネはウェディングドレスが似合っているし、ちょっと化粧でもしているのかかなり可愛い。普段の彼女とはまた違った雰囲気が出ている。
「あのセレスが、私のために特別に発注したらしいのよ。彼が選ぶのって今までまともなものがなかったから心配だったけど、あ、あんたがそう言うなら大丈夫かな」
「似合っているから心配ないと思う。胸を張っていいんじゃないかな」
「そ、そうなんだ。何かそう言われるとすごく恥ずかしいけど」
「言っている俺が一番恥ずかしいんだけどな」
変なものを着られるより百倍マシだ。それにこれだけ似合っているんだから、人前に出ても問題ないだろう。あとはメンタル面での問題か。
「なあココネ、お前緊張してないのか?」
「緊張? 私がそんなのするわけないじゃない」
「随分と余裕なんだな。流石は一国の姫だな」
「ふん、これでも私は姫なんだからね」
「まあ俺も国王になるけどな」
「うっ、それはそうだけど。私の方が経験豊富なんだから」
「はいはいそうですか」
二年ほど引きこもってたくせにとは、口が裂けても言えない。言ったら確実に殺されるだろうし。
「そういうあんたはどうなのよ」
「俺か? 俺は勿論緊張してるに決まってるだろ。結婚式なんて一生に一度の経験なんだから」
「ふーん、緊張しているんだ。まあ精々私の足を引っ張らないでよね」
「分かってるよ」
そんな感じで適当に雑談していると、セレスが部屋に入ってきて俺達にこう告げた。
「ココネ様、ケイイチ様、そろそろ式の時間ですので、式場までご案内します」
それは結婚式が始まるという知らせだった。
「じゃあ行くか」
「うん」
いよいよ俺いとって人生でたった一度の大イベントが始まる。
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