俺の嫁はデレない異世界のお姫様
第29話俺と姫と結婚式 前編
式の準備が整ったということで、俺とココネが連れられてきたのは、城内にある大部屋の入口だった。
「あれ? ここって普段結構使われていなかったか?」
「式のために色々と改造させていただきました。中はかなり変わっています」
「私が知らないところでこそこそ何かやっていると思ったら、この事だったのね」
「バレないようにするの大変だったんですよ?」
「いや知らないわよそんな事」
俺も一度この部屋に入ったことはあるが、確かこれといって目立つような物が置いていなかった気がする。そのくせ中はかなり広く、結婚式を開くには丁度いい大きさなのかもしれない。
「ではそろそろ、入場のコールが入りますので、お二人はしばらくそこでお待ちください」
「はいよ」
ここまで案内してくれたセレスは、一旦俺達の元から離れ、再び俺とココネだけになる。入場まで少し時間があるので、ココネにちょっとだけ話しかける。
「何かあれだな」
「あれって何よ」
「いつかはさせられると思ってはいたけど、まさか本当にお前なんかと結婚するなんて思っていなかったよ」
「そんなの私もに決まってるじゃない。元々あんたのこと嫌いだったし、結婚なんて一切しないと思ってたわよ」
「じゃあ何で呼んだんだよ」
「まさかここまで性格が悪いと思わなかったの! それだけ」
「ふぅん」
ずっと気になっていたが、何故彼女は俺を選んだのだろうか。男なんていくらでもいるし、わざわざ俺の部屋を撤去までして何故選んだのだろうか。未だに理解不能だ。
「でも、まあ、今は嫌いではないかな……」
「え? 何だって?」
「な、なんでもないわよ」
何かボソッとココネが呟くが、聞き取れず聞き返してみたが答えてくれない。今嫌いではないと言っていたような気がする。
「ココネ様、ケイイチ様、お時間です」
その後適当に雑談していると、一人のメイドが準備化が完了したことを伝えに来てくれた。という事は、いよいよ入場か。
「私が扉を開きますので、お二人はそこにお立ちしてください」
言われた通りに扉から少し離れたところに立ち、その時を待つ。そしてメイド達二人によって扉が開かれ、ついに俺達の結婚式が幕を開ける。中からは主役の登場を今か今かに待ち続けていた人達の歓声が沸く。あれ? もしかして俺が思っていた以上に人が来てたりするのか?
「皆様新郎新婦のご登場です。盛大な拍手でお迎えください」
パチパチパチパチ
同時に拍手が起き、俺の緊張感が更にあがる。
「なに緊張してるのよ。とっとと歩くわよ」
「あ、お、おう」
ココネに引っ張られる形で入場する俺。一度周りを見渡してみるが、結構な人数の人が着て
姫が結婚するというのだから人は集まってもおかしくはない話だ。こうした形でお焼けの場に立つこと自体が初めての俺はすごく緊張して、先ほどから動きがぎこちない。と、とりあえずリラックスリラックス……。
「って、おわぁ」
「馬鹿、力抜きすぎよ、きゃあ」
リラックスしすぎたせいで、歩いている途中にまさかの転倒。一応手をつないでいたので、ココネもそれに釣られて転倒する。入場からまさかやらかすなんて……。
「ココネ様、大丈夫ですか?!」
そしてお前はもう少し俺も心配しろセレス。
■□■□■□
入場からまさかの失敗に、俺とココネは既に意気消沈していた。折角の結婚式だというのに、これじゃあ国の長としてみっともない。
「ええ、まずは新郎新婦のご紹介からさせていただきます」
あわや大惨事となりかけた入場を何とか誤魔化して、用意されていた席に座ると、早速俺とココネの紹介を始めた。それを聞きながら、今日来ているお客人を見渡す。この城に仕えている人ばかりと思っていたけど、どうやら知らない人が結構多いようだ。
「意外に人来てるな」
それらを見て出た率直な感想を、小声でココネに話しかける。
「当たり前でしょ。なんと言われようが、私はこの国の姫なのよ。他国からの客が来てもおかしくない話じゃない」
「まあ、それはそうだけどさ」
どれが他国の人なのかはさっぱり分からないけど。
「あんたは分からないようだけど、ここにいる人のほとんどが、私達と同じ身分の人ばかりよ」
「まじか! じゃあもしかして、国王とかいたりするのか?」
「当たり前じゃない。ざっと見ただけでも、ナルカディア以外で四つの国の人が集まっているわね」
「まじかよ! ていうか分かるんだお前、そういの」
「それくらい知っておくのが常識なのよ。後で話す機会もあると思うから、その時にでもちゃんと覚えておきなさいよね」
「分かったよ」
ココネとそんな会話をしている内に紹介は終了し、次に移る。あらかじめどんな物をやるのか聞いてはいるが、全てを把握しきれていないので(内容を知ったのも今朝)、正直なにが起こるのか怖い。
「では続いて、新郎によるご挨拶をお願いいたします」
ほら、こうやって予想外な事が……。
「え? 俺から挨拶?」
「当たり前じゃない。来てくれた人に感謝の意を込めて、ちゃんと挨拶しなさいよ」
「あの、何にも考えていないんですけど」
「今考えなさい!」
「無茶すぎるだろ!」
アドリブで何とかなるようなものじゃないだろそれ絶対。
「あれ? ここって普段結構使われていなかったか?」
「式のために色々と改造させていただきました。中はかなり変わっています」
「私が知らないところでこそこそ何かやっていると思ったら、この事だったのね」
「バレないようにするの大変だったんですよ?」
「いや知らないわよそんな事」
俺も一度この部屋に入ったことはあるが、確かこれといって目立つような物が置いていなかった気がする。そのくせ中はかなり広く、結婚式を開くには丁度いい大きさなのかもしれない。
「ではそろそろ、入場のコールが入りますので、お二人はしばらくそこでお待ちください」
「はいよ」
ここまで案内してくれたセレスは、一旦俺達の元から離れ、再び俺とココネだけになる。入場まで少し時間があるので、ココネにちょっとだけ話しかける。
「何かあれだな」
「あれって何よ」
「いつかはさせられると思ってはいたけど、まさか本当にお前なんかと結婚するなんて思っていなかったよ」
「そんなの私もに決まってるじゃない。元々あんたのこと嫌いだったし、結婚なんて一切しないと思ってたわよ」
「じゃあ何で呼んだんだよ」
「まさかここまで性格が悪いと思わなかったの! それだけ」
「ふぅん」
ずっと気になっていたが、何故彼女は俺を選んだのだろうか。男なんていくらでもいるし、わざわざ俺の部屋を撤去までして何故選んだのだろうか。未だに理解不能だ。
「でも、まあ、今は嫌いではないかな……」
「え? 何だって?」
「な、なんでもないわよ」
何かボソッとココネが呟くが、聞き取れず聞き返してみたが答えてくれない。今嫌いではないと言っていたような気がする。
「ココネ様、ケイイチ様、お時間です」
その後適当に雑談していると、一人のメイドが準備化が完了したことを伝えに来てくれた。という事は、いよいよ入場か。
「私が扉を開きますので、お二人はそこにお立ちしてください」
言われた通りに扉から少し離れたところに立ち、その時を待つ。そしてメイド達二人によって扉が開かれ、ついに俺達の結婚式が幕を開ける。中からは主役の登場を今か今かに待ち続けていた人達の歓声が沸く。あれ? もしかして俺が思っていた以上に人が来てたりするのか?
「皆様新郎新婦のご登場です。盛大な拍手でお迎えください」
パチパチパチパチ
同時に拍手が起き、俺の緊張感が更にあがる。
「なに緊張してるのよ。とっとと歩くわよ」
「あ、お、おう」
ココネに引っ張られる形で入場する俺。一度周りを見渡してみるが、結構な人数の人が着て
姫が結婚するというのだから人は集まってもおかしくはない話だ。こうした形でお焼けの場に立つこと自体が初めての俺はすごく緊張して、先ほどから動きがぎこちない。と、とりあえずリラックスリラックス……。
「って、おわぁ」
「馬鹿、力抜きすぎよ、きゃあ」
リラックスしすぎたせいで、歩いている途中にまさかの転倒。一応手をつないでいたので、ココネもそれに釣られて転倒する。入場からまさかやらかすなんて……。
「ココネ様、大丈夫ですか?!」
そしてお前はもう少し俺も心配しろセレス。
■□■□■□
入場からまさかの失敗に、俺とココネは既に意気消沈していた。折角の結婚式だというのに、これじゃあ国の長としてみっともない。
「ええ、まずは新郎新婦のご紹介からさせていただきます」
あわや大惨事となりかけた入場を何とか誤魔化して、用意されていた席に座ると、早速俺とココネの紹介を始めた。それを聞きながら、今日来ているお客人を見渡す。この城に仕えている人ばかりと思っていたけど、どうやら知らない人が結構多いようだ。
「意外に人来てるな」
それらを見て出た率直な感想を、小声でココネに話しかける。
「当たり前でしょ。なんと言われようが、私はこの国の姫なのよ。他国からの客が来てもおかしくない話じゃない」
「まあ、それはそうだけどさ」
どれが他国の人なのかはさっぱり分からないけど。
「あんたは分からないようだけど、ここにいる人のほとんどが、私達と同じ身分の人ばかりよ」
「まじか! じゃあもしかして、国王とかいたりするのか?」
「当たり前じゃない。ざっと見ただけでも、ナルカディア以外で四つの国の人が集まっているわね」
「まじかよ! ていうか分かるんだお前、そういの」
「それくらい知っておくのが常識なのよ。後で話す機会もあると思うから、その時にでもちゃんと覚えておきなさいよね」
「分かったよ」
ココネとそんな会話をしている内に紹介は終了し、次に移る。あらかじめどんな物をやるのか聞いてはいるが、全てを把握しきれていないので(内容を知ったのも今朝)、正直なにが起こるのか怖い。
「では続いて、新郎によるご挨拶をお願いいたします」
ほら、こうやって予想外な事が……。
「え? 俺から挨拶?」
「当たり前じゃない。来てくれた人に感謝の意を込めて、ちゃんと挨拶しなさいよ」
「あの、何にも考えていないんですけど」
「今考えなさい!」
「無茶すぎるだろ!」
アドリブで何とかなるようなものじゃないだろそれ絶対。
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