俺の嫁はデレない異世界のお姫様
第40話ナルカディア王国祭
その日の晩、俺は何故かリタに呼び出されていた。
「何だよ急に呼び出して。話ならちゃんと終わっただろ?」
「仕事の件は終わったけど、まだまだ話したいことがあるのー」
用意してもらった部屋の(ちなみに俺の部屋ではない)ベッドの上でピョンピョン跳ねながら俺と会話をするリタ。やっぱりこういうところが子供に見えるんだよなぁ。
「何だよ話したいことって」
「うーん、例えばこの国の事に関してとか」
「ナルカディアの事?」
「うん。五年前の悲劇は私も聞いたことがあるんだけど、どうしてここまでの被害が出たのかなって」
「そんなの魔物が国を襲ったからだろ?」
「そうだけど。それを踏まえたとしても、あんなに自然豊かだった国がここまでなるのかなって」
「それはどういう意味だ?」
「あまりに不自然すぎるんじゃないかな。この国の状況が」
「確かに言われてみれば……」
ココネが言っていたけど、確かナルカディアはたった一晩でここまでの状況になってしまったらしい。でもよく考えたら、一晩で国が滅ぶほどの被害が出るのだろうか?
「意外と鋭い考えを持ってんだな、子供の癖に」
「だから子供じゃないってばー」
突然枕を投げてくるリタ。反射神経が鈍い俺は、それを避けきれずに顔面に直撃してしまう。
「痛って。何すんだよいきなり」
「私を子供呼ばわりした罰だよー」
「何をー」
その後ちょっとした小競り合いが合ったが、あまりにもくだらない戦いだったのでカット。
十分後
小競り合いでヘトヘトになってしまった俺は、息を切らしながらリタに軽い質問をしてみた。
「そういえばお前って、いつから料理始めたの?」
「うーん、物心付いた時から既に包丁握らされていたから、何歳からまでは覚えていないや」
「へえ、じゃあ小さい頃から料理してたんだ」
「私の家系がそういう系統の家系だったから仕方がないの。でもここまで誰かに認めてもらえるようになったのは、その努力があったからこそなんだって、今更思ったりしてるんだけどね」
「なるほどな。それは間違ってないかもしれないな」
努力を積み重ねれば積み重ねるほど、いつかは大きなものを得ることができる。それはどこに行ったって共通して言えることだと思う。それは今の俺達にだって言えることなのだから。
「じゃあ今日は疲れたし、そろそろ部屋に戻るな」
適当に話をしたあと、俺は腰を上げ部屋に戻ろうとする。
「あ、ちょっと待って」
「何だよ。まだ話し足りないのか?」
「いや、そうじゃないの。一つ他の煎ことがあって」
「頼みごと?」
■□■□■□
リタからある頼みごとをされた俺は、いつも通り(と言うのもちょっと変だけど)、ココネの部屋で彼女と一緒に眠っていた。
「あのコックの両親?」
「ああ。少し間から行方不明でずっと探してんだってさ」
「で、その捜索を私達がしろって?」
「今他に頼める人がいないんだってさ」
「ふーん」
リタの頼みごととはこういうものだった。さっきの彼女の話にmあったとおり、リタの家系はそういう家系だったらしく、当然のように彼女の両親もかなりの腕前の料理人だったらしい。しかし一年前くらいから、ふたりとも仕事先から帰ってきておらず、二人の子供である彼女はわざわざ捜索する為に、最近旅に出ていたらしい。
そこで俺達と偶然出会ったわけだ。
「じゃあそれが、私達の仕事を引き受ける条件なの?」
「どうやらそうらしい。まあこっちからしてみれば、かなり得な話だと俺は思うけど」
「でもどうやって探すのよ。私も名前くらいは聞いたことがあるけど、それ以上詳しいことは分からないわよ」
「それはまた後でゆっくり考えるよ」
「結局無計画なのね」
何だよ無計画だっていいじゃないか。
「それにしても家族……ね。あんたにもいたんでしょ? 両親」
「ああ。今でもバッチリ生きている……はず」
「はずって、それ大丈夫なの?」
「大学入ってからかれこれ二年半近く会ってないからな。ちょっと不安だったりするんだよ」
「ダイガク? 何よそれ」
「簡単に説明すると、沢山の人が集まって一緒に勉強する場所だよ。由奈とかならもっと詳しく教えてもらえると思うから、今度聞いてみなよ」
「気が向いたら聞いてみるわ」
そうは言いながらも、目をキラキラと輝かせるココネ。どうやらこれは、由奈に面倒くさい役割を押し付けちゃったかもな。
「そういえばまだ話してなかったけど、来月にナルカディア王国祭が行われるから、そこで話す事ちゃんと考えておきなさいよ」
「王国祭? 何だよそれ」
「一年に一度、国が総出で行う大きなお祭りみたいなものよ。丁度その日が建国した日でもあるから、それと重ねて祭りを開くのよ」
建国記念日みたいなものか。
「へえ、それは面白そうだけど、人が集まるか?」
「他国からのお客様も勿論くるわ。それにこの前のあんたの演説の効果を信じていいなら、今までで最高に面白いものができるわよきっと」
「なるほどな。ちょっと楽しみだな」
「あんたが楽しみにしてどうするのよ。私達は主催者側なんだから、しっかりしなさいよね」
「はいはい、分かってるって」
王国祭か……ちょっと楽しみなイベントが一つ増えたな。
「何だよ急に呼び出して。話ならちゃんと終わっただろ?」
「仕事の件は終わったけど、まだまだ話したいことがあるのー」
用意してもらった部屋の(ちなみに俺の部屋ではない)ベッドの上でピョンピョン跳ねながら俺と会話をするリタ。やっぱりこういうところが子供に見えるんだよなぁ。
「何だよ話したいことって」
「うーん、例えばこの国の事に関してとか」
「ナルカディアの事?」
「うん。五年前の悲劇は私も聞いたことがあるんだけど、どうしてここまでの被害が出たのかなって」
「そんなの魔物が国を襲ったからだろ?」
「そうだけど。それを踏まえたとしても、あんなに自然豊かだった国がここまでなるのかなって」
「それはどういう意味だ?」
「あまりに不自然すぎるんじゃないかな。この国の状況が」
「確かに言われてみれば……」
ココネが言っていたけど、確かナルカディアはたった一晩でここまでの状況になってしまったらしい。でもよく考えたら、一晩で国が滅ぶほどの被害が出るのだろうか?
「意外と鋭い考えを持ってんだな、子供の癖に」
「だから子供じゃないってばー」
突然枕を投げてくるリタ。反射神経が鈍い俺は、それを避けきれずに顔面に直撃してしまう。
「痛って。何すんだよいきなり」
「私を子供呼ばわりした罰だよー」
「何をー」
その後ちょっとした小競り合いが合ったが、あまりにもくだらない戦いだったのでカット。
十分後
小競り合いでヘトヘトになってしまった俺は、息を切らしながらリタに軽い質問をしてみた。
「そういえばお前って、いつから料理始めたの?」
「うーん、物心付いた時から既に包丁握らされていたから、何歳からまでは覚えていないや」
「へえ、じゃあ小さい頃から料理してたんだ」
「私の家系がそういう系統の家系だったから仕方がないの。でもここまで誰かに認めてもらえるようになったのは、その努力があったからこそなんだって、今更思ったりしてるんだけどね」
「なるほどな。それは間違ってないかもしれないな」
努力を積み重ねれば積み重ねるほど、いつかは大きなものを得ることができる。それはどこに行ったって共通して言えることだと思う。それは今の俺達にだって言えることなのだから。
「じゃあ今日は疲れたし、そろそろ部屋に戻るな」
適当に話をしたあと、俺は腰を上げ部屋に戻ろうとする。
「あ、ちょっと待って」
「何だよ。まだ話し足りないのか?」
「いや、そうじゃないの。一つ他の煎ことがあって」
「頼みごと?」
■□■□■□
リタからある頼みごとをされた俺は、いつも通り(と言うのもちょっと変だけど)、ココネの部屋で彼女と一緒に眠っていた。
「あのコックの両親?」
「ああ。少し間から行方不明でずっと探してんだってさ」
「で、その捜索を私達がしろって?」
「今他に頼める人がいないんだってさ」
「ふーん」
リタの頼みごととはこういうものだった。さっきの彼女の話にmあったとおり、リタの家系はそういう家系だったらしく、当然のように彼女の両親もかなりの腕前の料理人だったらしい。しかし一年前くらいから、ふたりとも仕事先から帰ってきておらず、二人の子供である彼女はわざわざ捜索する為に、最近旅に出ていたらしい。
そこで俺達と偶然出会ったわけだ。
「じゃあそれが、私達の仕事を引き受ける条件なの?」
「どうやらそうらしい。まあこっちからしてみれば、かなり得な話だと俺は思うけど」
「でもどうやって探すのよ。私も名前くらいは聞いたことがあるけど、それ以上詳しいことは分からないわよ」
「それはまた後でゆっくり考えるよ」
「結局無計画なのね」
何だよ無計画だっていいじゃないか。
「それにしても家族……ね。あんたにもいたんでしょ? 両親」
「ああ。今でもバッチリ生きている……はず」
「はずって、それ大丈夫なの?」
「大学入ってからかれこれ二年半近く会ってないからな。ちょっと不安だったりするんだよ」
「ダイガク? 何よそれ」
「簡単に説明すると、沢山の人が集まって一緒に勉強する場所だよ。由奈とかならもっと詳しく教えてもらえると思うから、今度聞いてみなよ」
「気が向いたら聞いてみるわ」
そうは言いながらも、目をキラキラと輝かせるココネ。どうやらこれは、由奈に面倒くさい役割を押し付けちゃったかもな。
「そういえばまだ話してなかったけど、来月にナルカディア王国祭が行われるから、そこで話す事ちゃんと考えておきなさいよ」
「王国祭? 何だよそれ」
「一年に一度、国が総出で行う大きなお祭りみたいなものよ。丁度その日が建国した日でもあるから、それと重ねて祭りを開くのよ」
建国記念日みたいなものか。
「へえ、それは面白そうだけど、人が集まるか?」
「他国からのお客様も勿論くるわ。それにこの前のあんたの演説の効果を信じていいなら、今までで最高に面白いものができるわよきっと」
「なるほどな。ちょっと楽しみだな」
「あんたが楽しみにしてどうするのよ。私達は主催者側なんだから、しっかりしなさいよね」
「はいはい、分かってるって」
王国祭か……ちょっと楽しみなイベントが一つ増えたな。
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