アンリミテッドペイン

チョーカー

後日談

 あの戦いの後・・・・・・
 俺とあかりは和解した。
 おそらく、昔のような幼馴染の距離感に戻るのは難しいだろう。
 溝を狭まったかもしれないけれども、一度、生まれた軋轢をなかった事にするには、時間がかかる。
 それに、互いの全てを許せるには、俺たちは若すぎるのかもしれない。
 そう俺は考えていた。いや、いたのだが・・・・・・

 学校の昼休み。
 なぜだか、俺と佳那とあかりの3人は、机を並べて、食事をとっていた。
 それを遠目に眺めるクラスメイト達も「なぜ?」という疑問の表情を見せていて、奇妙な居辛さを感じる。 
 「ねぇ、ねぇ、ししょー。私のお弁当で好きな物があったら食べていいよ」
 「お、おう」
 あの戦い以降、あかりは楽しむために『アンリミテッドペイン』をプレイするようになり、いろいろとアドバイスをする俺を師匠と呼ぶようになっていた。
 あかりは、俺の片腕にぶら下がるように、両腕を絡めて体重をかけてくる。
 おかしい。仲違えをする以前も、こんな距離感じゃなかった――――――はず。
  どうでも良い事かもしれないが、「師匠」のキーワードにクラスのサッカー部連中が過剰反応しているのはなんでだろう?

 不意に視線を感じて、正面を向けば佳那が怒りの表情を露わにしていた。
 「私だって、私だって・・・・・・」
 怒りを通り過ぎて涙目になっていた。
 それを見たあかりは「佳那ちゃんかわいい!?」と俺の腕から、佳那の胴体へ飛び移るように移動した。

 「いいよ。佳那ちゃんだったら、許しちゃうから!」

 「何をだよ!?」と俺の突っ込みが教室に悲しく響く。


 

 3人の高校生が下校している。
 女2人と男1人。
 その内、男1人は「じゃ、また」と別れの言葉を言い離れていく。
 残ったのは、女2人。
 仮に1人をKと呼び、もう1人をAと呼ぼう。
 しばらく、2人はたわいのない話を続けていたが。
 しかし、突然、改まった様子でAがしゃべり出す。
 「ねぇ。少し、ほんの少しだけ、不思議に思っている事があるんだけど・・・・・・聞いてもいいかな?」
 「ええ。何かしら?」とKは答える。
 「貴方って何者なの?」
 日常生活でもは、およそ使うことのない言葉をAは真面目な表情で使った。
 「・・・・・・」とKは言葉の意味を量りかねている様子だ。
 「これは後から聞いた話なんだけど、貴方が転向してきた理由や、PCの知識量って不自然だよね?」
 「そうかしら?」
 「え~そうだよ」
 2人はまるで日常会話の延長線上の感じを保ちながら話している。
 その内容は、とても日常会話とは言いがたいのだが・・・・・・。
 Kは暫く、考え込むように間をあけて

 「女の子は、1つ2つ秘密を持ってた方がかわいいそうですよ」

 Kはそう答えた。
 しれっとした感じでありながら、可愛らしく。 

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