人魚の呼吸

些稚絃羽

人魚の呼吸

闇を切り裂き泳ぐ人魚は呼吸する


それは泡となり水中を巡り上へ上へ


その先出口があるとしても


人魚はそこにしか世界を持たぬ


浮上し 浮遊し やはり沈下してゆく


例え揺らめく白を求めても


それを掴む術もなし


さすれば背を向け目を背け


そこにしか世界のないことを刻もう


浮遊し 浮遊し 浮遊する


例え新たな世界を得ても


身を置けるは唯一つ


さすれば背を向け目を背け


そこだけを世界とすると誓おう


闇を切り裂き泳ぐ人魚は呼吸する


それは泡となり水中を巡り上へ上へ


代わりに世界を得てきておくれ


人魚は そこにしか世界を持たぬ


故にそこにて呼吸する


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