「魔王様」の定義
火蓋は切られました
魔界に着いてしばらくすると、一緒に来たギルタブルルの戦士が固まった。
「我が領内が攻め入られておる」
「誰に?」
「分からぬ。族長からも連絡が来ぬ」
ソルトからの連絡も来ないとなると、厄介な感じがしてしまう。
どうするか迷っていたら、千紘のスマホから音楽が流れた。つまりは、誰かが時空を繋いだのだ。
『たつききけん』
その文字だけが送られてきた。
「戻るぞ!」
これが事実ならかなり大変である。領内では「不敗の王」と崇められている。それがいわば領民の希望の一つ。どんな相手であれ達樹が負けたとなれば、領民の心は一瞬にして絶望へ変わるだろう。
それだけは避けたい。どうせなら出来うるだけのことをして負けたいと思うのが達樹だ。そしてそれを留めるのが千紘たちの役目である。
今まで通ってきた道を慌てて戻り、そして自治領についた時には、遅かった。
達樹が倒れていたのだ。
「タツキ様がずっと指揮を執られていたので、おそらくは疲れとあとは暑さによる症状悪化かと思われます」
神殿の魔法医師が冷却魔法と共に治療に当たっていた。
「他は?」
「エリ様、エルフリーデ様、神官長そしてソルト殿がまだ応戦中です」
「俺たちも行くぞ! 千佳は……」
「達樹の薬を用意するわ」
そして、暑さをしのぐための魔法を使い、外へ出た。
「一度魔法かけなおせ!」
千紘は四人へ声をかけた。そしてそこを見計らい、翠と哉斗がすぐさま切りかかっていく。
「人数増えたんだ、魔法は温存で。シスとエルフリーデちゃんは治癒に回って」
勿論千夏も治癒に回る。
「承知」
一振りの剣を哉斗から渡され、千紘はかまえた。一応、武道の心得はある。勿論、翔のところに世話になっていたエリも心得はある。
武器に魔法を乗せて攻撃をしていく。その四人に対して治癒を行うのは三人。
既に消耗戦といっても過言ではないはずだった。
「我が領内が攻め入られておる」
「誰に?」
「分からぬ。族長からも連絡が来ぬ」
ソルトからの連絡も来ないとなると、厄介な感じがしてしまう。
どうするか迷っていたら、千紘のスマホから音楽が流れた。つまりは、誰かが時空を繋いだのだ。
『たつききけん』
その文字だけが送られてきた。
「戻るぞ!」
これが事実ならかなり大変である。領内では「不敗の王」と崇められている。それがいわば領民の希望の一つ。どんな相手であれ達樹が負けたとなれば、領民の心は一瞬にして絶望へ変わるだろう。
それだけは避けたい。どうせなら出来うるだけのことをして負けたいと思うのが達樹だ。そしてそれを留めるのが千紘たちの役目である。
今まで通ってきた道を慌てて戻り、そして自治領についた時には、遅かった。
達樹が倒れていたのだ。
「タツキ様がずっと指揮を執られていたので、おそらくは疲れとあとは暑さによる症状悪化かと思われます」
神殿の魔法医師が冷却魔法と共に治療に当たっていた。
「他は?」
「エリ様、エルフリーデ様、神官長そしてソルト殿がまだ応戦中です」
「俺たちも行くぞ! 千佳は……」
「達樹の薬を用意するわ」
そして、暑さをしのぐための魔法を使い、外へ出た。
「一度魔法かけなおせ!」
千紘は四人へ声をかけた。そしてそこを見計らい、翠と哉斗がすぐさま切りかかっていく。
「人数増えたんだ、魔法は温存で。シスとエルフリーデちゃんは治癒に回って」
勿論千夏も治癒に回る。
「承知」
一振りの剣を哉斗から渡され、千紘はかまえた。一応、武道の心得はある。勿論、翔のところに世話になっていたエリも心得はある。
武器に魔法を乗せて攻撃をしていく。その四人に対して治癒を行うのは三人。
既に消耗戦といっても過言ではないはずだった。
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