分解っ!
5‐2
ピシャッとスカイの頬に吹きだした血が振りかかる。
すでに敵の一個大隊と戦い始めて殺した数は300人を超えた。
逆に、やられた味方の人数は五人に収まっている。
頬から垂れる血が口に入る。
「…戦争の味は何時舐めても―――最悪だ」
強敵と認識されたスカイ。
ジリジリと包囲されている。
もちろん、対抗策など建て終わっているのだが。
「『疾風』」
ヒュッとスカイの体が一瞬ブレる。
スカイと取り囲もうとした三十人程度の首がこぼれおちる。
受けいれる場所をなくした血が首から吹きあがる。
「352匹」
そう呟いて、スカイはさらに歩を前に進める。
ただ、最奥に居るであろう敵司令官にむかって。
フィナは敵を突き刺しながら、スカイの頭―――特に髪の色を気にしていた。
だが、スカイの髪は未だに銀髪のままだ。
目を閉じている気配もない。
と、また1人付き殺す。
おかしい―――何か、話されていない過去が―――。
思考の割合が戦闘から疑問へとシフトしかけた瞬間。ザワッと敵が引いていく。
「ん?」
バラバラな動きだったはずが、一斉に後退していく敵。あまりの違和感に戸惑う味方。
戦況の変化。
それに、どれだけついていけるかは―――生死を分ける能力だ。
背筋が凍るような殺気。
フィナは―――スカイからなるべく離れようと走り出す。
フィナがこの場を離れたことを感じるスカイ。
魔眼を通せば30m先の人物などいくらでも見れるのだ。
大きな図体。鍛えられた筋肉をむき出しにして、腕にはスパイクのついた腕輪。
背負っている剣は身長と同じかそれ以上。
傭兵というイメージそのものといったところか。
「殺気放ちすぎだろ…はぁ。大雑把な性格。
戦闘方法は主に大剣の重さで潰す、衝撃波で斬る…といったところかな」
「おうおうおう、うちのかわいい子分共を随分かわいがってくれたなぁ。あぁ?」
ブンブンと大剣を振り回す傭兵。
「戦場の生き死には常に一瞬。反応出来ない者の負けだ」
「はっはっは…よーくわかってるようだなッ!」
ドンッと地面にたたきつけられる大剣。
地面が揺れると同時に傭兵はスカイの居た場所へと剣をもう一度振り下ろす。
だが、すでにスカイの姿は上空だった。
「図体がでかいと視界もせまいよなぁッ!」
ドスッと傭兵の頭蓋骨に剣が突き刺さる。
「1人」
ヒュッと剣を振って血を払うスカイ。
傭兵だった体がゆっくりと倒れていく。
バフッとその体が地面に崩れた時には、すでに次の敵を屠っていたスカイだった。
「…少し黒くなった?」
フィナは確かにスカイの髪の毛先が黒く染まっているのを見た。
「多分…何かしらの方法で戦争として見ることが無いように思考を制御している…?」
フィナはスカイの秘密に近づきつつあった。
「やっと、か」
数は千を超えてから数えていない。
味方も善戦しているものの、これ以上の支援は期待できない。
「じゃあ…初陣で敵将の首はいただきっと」
スパンッと綺麗に頭と胴体が切り離される。
「ふぅ…後は殲滅戦と行くか」
戦闘は何と3時間で決着がついた。
敵兵の損害は死者1万と敵将及びその近辺。
こちらは死者2人とけが人500人。
圧倒的な勝利を収めた旅団。
だが、彼らはまだ知らない。「傭兵」という物はいくらでも湧いて出てくるものなのだ、と。
――――――――――――――――――――――――――――――
メインストーリー:【死神】
『第二章【戦場】第3節:戦争は続く』が継続中です。
ウォーストーリー:【名もなき戦争】
『第?章【?】第?節:?』が完了しました。
すでに敵の一個大隊と戦い始めて殺した数は300人を超えた。
逆に、やられた味方の人数は五人に収まっている。
頬から垂れる血が口に入る。
「…戦争の味は何時舐めても―――最悪だ」
強敵と認識されたスカイ。
ジリジリと包囲されている。
もちろん、対抗策など建て終わっているのだが。
「『疾風』」
ヒュッとスカイの体が一瞬ブレる。
スカイと取り囲もうとした三十人程度の首がこぼれおちる。
受けいれる場所をなくした血が首から吹きあがる。
「352匹」
そう呟いて、スカイはさらに歩を前に進める。
ただ、最奥に居るであろう敵司令官にむかって。
フィナは敵を突き刺しながら、スカイの頭―――特に髪の色を気にしていた。
だが、スカイの髪は未だに銀髪のままだ。
目を閉じている気配もない。
と、また1人付き殺す。
おかしい―――何か、話されていない過去が―――。
思考の割合が戦闘から疑問へとシフトしかけた瞬間。ザワッと敵が引いていく。
「ん?」
バラバラな動きだったはずが、一斉に後退していく敵。あまりの違和感に戸惑う味方。
戦況の変化。
それに、どれだけついていけるかは―――生死を分ける能力だ。
背筋が凍るような殺気。
フィナは―――スカイからなるべく離れようと走り出す。
フィナがこの場を離れたことを感じるスカイ。
魔眼を通せば30m先の人物などいくらでも見れるのだ。
大きな図体。鍛えられた筋肉をむき出しにして、腕にはスパイクのついた腕輪。
背負っている剣は身長と同じかそれ以上。
傭兵というイメージそのものといったところか。
「殺気放ちすぎだろ…はぁ。大雑把な性格。
戦闘方法は主に大剣の重さで潰す、衝撃波で斬る…といったところかな」
「おうおうおう、うちのかわいい子分共を随分かわいがってくれたなぁ。あぁ?」
ブンブンと大剣を振り回す傭兵。
「戦場の生き死には常に一瞬。反応出来ない者の負けだ」
「はっはっは…よーくわかってるようだなッ!」
ドンッと地面にたたきつけられる大剣。
地面が揺れると同時に傭兵はスカイの居た場所へと剣をもう一度振り下ろす。
だが、すでにスカイの姿は上空だった。
「図体がでかいと視界もせまいよなぁッ!」
ドスッと傭兵の頭蓋骨に剣が突き刺さる。
「1人」
ヒュッと剣を振って血を払うスカイ。
傭兵だった体がゆっくりと倒れていく。
バフッとその体が地面に崩れた時には、すでに次の敵を屠っていたスカイだった。
「…少し黒くなった?」
フィナは確かにスカイの髪の毛先が黒く染まっているのを見た。
「多分…何かしらの方法で戦争として見ることが無いように思考を制御している…?」
フィナはスカイの秘密に近づきつつあった。
「やっと、か」
数は千を超えてから数えていない。
味方も善戦しているものの、これ以上の支援は期待できない。
「じゃあ…初陣で敵将の首はいただきっと」
スパンッと綺麗に頭と胴体が切り離される。
「ふぅ…後は殲滅戦と行くか」
戦闘は何と3時間で決着がついた。
敵兵の損害は死者1万と敵将及びその近辺。
こちらは死者2人とけが人500人。
圧倒的な勝利を収めた旅団。
だが、彼らはまだ知らない。「傭兵」という物はいくらでも湧いて出てくるものなのだ、と。
――――――――――――――――――――――――――――――
メインストーリー:【死神】
『第二章【戦場】第3節:戦争は続く』が継続中です。
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『第?章【?】第?節:?』が完了しました。
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