4‐4　訓練の日々Ⅰ

軍に登用されたスカイとフィナ。
スカイは少尉、フィナは准尉。
部下はなし。スカイの下にフィナがいるだけだ。
すでに浮遊大陸の外に出ている時点でスカイとフィナの隷属関係はなくなっているが、
今までとあまり変わらない…というべきだろう。
そんな2人の最近の日常は…。
「ほれ、軍人用のステータスカードの確認」
「ああ」
軍に入ると同時に手渡された半透明なカード。
通常ならば銀や銅でできているが、軍人だと分かりやすいように半透明だ。
そして、スカイのステータスは今こうなっている。

名前name：スカイ
レベル：126
階級class：少尉
配属部隊：第五遊撃旅団
武器weaponスキル
　総合格闘…14
　剣…17
　　短剣…5
　　刀…17
　槍…8
　弓…20
　斧…17
　棒…12
　盾…3
魔法magicスキル
　闇dark…■■（邪・■の開放）
　　邪…MAX
　　　■…■■
　光light…5（聖の開放）
　　聖…1
　火fire…MAX（炎の開放）
　　炎…12（爆の開放）
　　　爆…3
　水water…MAX（氷の開放）
　　氷…MAX（冷の開放）
　　　流…MAX
　土soil…MAX（岩の開放）
　　岩…18（剛の開放）
　　　剛…1
　風air…MAX（雷の開放）
　　雷…10（柔の開放）
　　　柔…8
　霊spirit…MAX（幻の開放）
　　幻…5

「んし。あと魔力波の確認」
「ああ」
軍の中で部下の人間をこの『魔力波』でチェックするのが規則・通例となっている。
この『魔力波』は個人個人で違う。これによって違う人間が本人と成り済ますことはできないらしい。
この国では、問題児といえどもこの検査を受けないことはできないらしい。
「…魔力パターンを検知。よし。問題ないな」
「ああ」
正直スカイとしてはこれほど面倒な物はないが、
軍の中に他国の密偵がいつの間にか入り込まれている…などということが起こるのは、
国として、避けたい事案の一つなのだ。
今スカイのステータスカードと魔力波を確認したのは、第五遊撃旅団長グラドム大佐だ。
ちなみに軍の内部で第五遊撃旅団は厄介者として扱われている。
「チェックも終わったし、訓練開始！」
「なぁ、本当にこんなことが必要なのか？」
「必要だぁ！」
スカイはこの団に所属して二週間、団長であるグラドムとの一騎打ちをし続けている。
ちなみにどちらも金属製の武器を使用中だ。
というかこの国の軍の練習は基本的に真剣勝負。
グラドムの武器は主に手甲で、魔力の反応で指の間からスパイクの形状をした爪が出てくる。
一方スカイは未だにあの迷宮で貰った刀を使っている。
すでに刀は少しづつ削れてきており、もう少しで折れる…といったところだ。
もちろん弓の練習も欠かしてはいない。
そしてまた、火花が散る。
「お前はやはりどこかの流派を教わったな。型が見え隠れしている」
「それがっ問題になるのかっ！」
「ああ。五分もすればお前の型を見破る達人はこの国にもいるのだっ！」
キンッと刀が飛ばされる。
「…ちっ」
スカイは刀を拾ってくる。
「ふむ…確かにお前は弓の方が腕が良いことは分かったが、やはり剣ができないのはまずいぞ？」
「そうは言ってもな…正直ある程度まで出来ればいい、という程度しか教わっていない」
「そうか。ならお前が打ち負かしたあれに教えるか」
「あれ？」
「そう。あれだ」
「…とりあえず今日はもういいか？弓の練習もしたいんだ」
「ん？何を言っている。俺の暇つぶし相手はお前しかいないんだ。
さぁもう一度だ！今度は違う武器にしようじゃないか！」
「…ええー」
「今の内に基礎を固めないと、後々苦労するぞ！」
「やっぱり理解できねぇ」
すこしグドラムと師匠の姿が重なるスカイだった。
ちなみに軍の中で上位階級の者に敬語で話さないのは第五遊撃旅団くらいのものである。
五時間後。
夕方になり、各自の自由時間となるこの時間帯。
スカイはフィナと主に王都を散策している。
やはりかなり大きな国なだけあって王都の大きさもかなりの物だ。
日本の地方都市かそれ以上の大きさと言えばいいだろうか。
が、夜になるまでそこまでの時間はなく、行ける場所と言っても軍の施設の付近にある商店街程度だ。
「スカイ、今日もやらされたのか？」
「まぁな。だが、やはり魔力や魔法を使わずに純粋な技術であの団長に勝てないのは悔しいな」
「スカイが勝てないのか！」
「いつもは身体強化魔法をかけて戦闘しているからな。
あの試験の時は勝てたが…魔力なしでは勝てないだろう。
基礎が足りないのが一発でばれるとは思わなかったが…」
特に師匠から受け継がされた技術の一つがあまり相手に通用しないのは嫌そうなスカイだった。
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メインストーリー：【死神】
『第一章【胎動】第七節：訓練の日々編』が継続中です。
完了条件『【グドラム】に勝利、【フィナ】への贈り物、【■■■】の到着』が完了していません。
サブストーリー：【那奈】
『第？章【■■】第？節：出会い編』が開始されました。
これに伴いメインストーリー：【死神】が改変されました。
『第一章【胎動】第七節：訓練の日々編』に完了条件『【那奈】と初めて出会う』が追加されました。