分解っ!
4‐1 大陸の淵へ
メインストーリー:【死神】
『第一章【胎動】第一節:大陸の淵へ編』が開始されました。
――――――――――――――――――――――――――――――
スカイとフィナは現状について考えた。
大きな振動。
やはり思い出されるのは「大陸の落下」の危険性だ。
だが、ゆっくりと落下するはずだった大陸が何故急降下してしまったのか。
それにはある理由があった。
地下王都に施された才能精査魔法結界。
一度張ってしまえばそれ以上魔力を使うことなく強度を変更することができる結界。
その魔法結界は―――大陸を浮遊させる魔法道具から魔力を得ていた。
そう、スカイが一度分解してしまったあの結界だ。
慌てて魔法士たちが魔法結界を張り直したものの、後々になって気づく。
残り少なくなっていた魔法道具の魔力が―――ほぼないに等しくなっていたのである。
懸命な対処も虚しく、魔法道具は四日ほどで魔力を失い、結果大陸は急降下したのだ。
「で、そうなると問題なのはこれだよな」
と自分の頭上を指すスカイ。
そこには赤色のバーと青色のバーが表示されている。
ついでに言えば、先ほど出てきたモンスターにもその表示が踊っていた。
「…多分、この大陸に説明できる人間はいないだろう。となれば…」
「この大陸より外側に出ないといけないの?」
「ああ。だが、西と東のどちらから大陸を出るのが正解なのか…」
「目印になりやすいのは、西じゃないの?」
「それもそうか…」
この世界における『月』がいつでも西にあるからだ。
その月は『固月』と呼ばれていて、四つある月の内、一番見つけやすい月と呼ばれる。
「よし、西に行こうか」
2人は決断した。
道中は国の機能を失い、統率がうまくいかなくなったせいで賊が跋扈する地域を制圧し、
礼の代わりに食事と一夜の寝床を貰う2人だった。
そして、約一週間早足で大陸の西の果てまでやってくる。
今までそこは、下の見えない空虚な場所。子供が近づいてはいけない場所だった。
が、今スカイ達の視線の先は砕けた大地の先にある―――森だった。
風化が進み、ぴったりと大地が接続されたわけではないようだが、確かに―――大陸は続いていた。
「よし、とりあえずこの割れ目を飛び越えよう」
フィナを抱きかかえ、跳躍するスカイ。
すると、先の方に町が見え、森へと落下した。
葉が揺れる音に反応して出てきたモンスターを確認すると、一気に切り裂くスカイ。
「…モンスターの強さはまぁまぁか…」
と、その時視界に青い透明な文字が表示される。
ゴブリンLv7討伐
淡々と描かれた文言。
スカイは迷宮で現れた文字と同じ雰囲気を感じ取った。
「…やっぱり法則の影響が大きい、か」
地下王都の情報を盗み見たスカイは、今降り立った大陸は主に
『数値』『行動』によって全てが決まる法則に縛られていると感じた。
今、感じているこの疲労感もその一つと言えよう。
剣を振るだけで疲労がたまるというのは理解しがたい。
だが、『スキル』を使ったと判定されているなら納得もいくというものだ。
「ま、全部町に行かないと分からない話か」
「スカイ、もう降ろしてっ!」
ジタバタするフィナ。
「ああ。悪い悪い」
ぱっと手を離し、フィナを地面に立たせる。
「さっき街が見えた。行くぞ」
「わかった」
すでにスカイは剣でモンスターを仕留める気が無くなっていた。
主に力任せに空へ投げるだけで勝手に潰れるからだ。
「さて…再出発だ」
2人は町へと歩いて行った。
――――――――――――――――――――――――――――――
タウンストーリー:【アクラチア】
『第?章【日常】第八節:現れる田舎者』が開始されました。
メインストーリー:【死神】
『第一章【胎動】第一節:大陸の淵へ編』が完了しました。
『第一章【胎動】第二節:田舎者』が開始されました。
サブストーリー:【鍛冶娘】
『第?章【逃走】第二節:大陸の外へ』が完了しました。
『第一章【胎動】第一節:大陸の淵へ編』が開始されました。
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スカイとフィナは現状について考えた。
大きな振動。
やはり思い出されるのは「大陸の落下」の危険性だ。
だが、ゆっくりと落下するはずだった大陸が何故急降下してしまったのか。
それにはある理由があった。
地下王都に施された才能精査魔法結界。
一度張ってしまえばそれ以上魔力を使うことなく強度を変更することができる結界。
その魔法結界は―――大陸を浮遊させる魔法道具から魔力を得ていた。
そう、スカイが一度分解してしまったあの結界だ。
慌てて魔法士たちが魔法結界を張り直したものの、後々になって気づく。
残り少なくなっていた魔法道具の魔力が―――ほぼないに等しくなっていたのである。
懸命な対処も虚しく、魔法道具は四日ほどで魔力を失い、結果大陸は急降下したのだ。
「で、そうなると問題なのはこれだよな」
と自分の頭上を指すスカイ。
そこには赤色のバーと青色のバーが表示されている。
ついでに言えば、先ほど出てきたモンスターにもその表示が踊っていた。
「…多分、この大陸に説明できる人間はいないだろう。となれば…」
「この大陸より外側に出ないといけないの?」
「ああ。だが、西と東のどちらから大陸を出るのが正解なのか…」
「目印になりやすいのは、西じゃないの?」
「それもそうか…」
この世界における『月』がいつでも西にあるからだ。
その月は『固月』と呼ばれていて、四つある月の内、一番見つけやすい月と呼ばれる。
「よし、西に行こうか」
2人は決断した。
道中は国の機能を失い、統率がうまくいかなくなったせいで賊が跋扈する地域を制圧し、
礼の代わりに食事と一夜の寝床を貰う2人だった。
そして、約一週間早足で大陸の西の果てまでやってくる。
今までそこは、下の見えない空虚な場所。子供が近づいてはいけない場所だった。
が、今スカイ達の視線の先は砕けた大地の先にある―――森だった。
風化が進み、ぴったりと大地が接続されたわけではないようだが、確かに―――大陸は続いていた。
「よし、とりあえずこの割れ目を飛び越えよう」
フィナを抱きかかえ、跳躍するスカイ。
すると、先の方に町が見え、森へと落下した。
葉が揺れる音に反応して出てきたモンスターを確認すると、一気に切り裂くスカイ。
「…モンスターの強さはまぁまぁか…」
と、その時視界に青い透明な文字が表示される。
ゴブリンLv7討伐
淡々と描かれた文言。
スカイは迷宮で現れた文字と同じ雰囲気を感じ取った。
「…やっぱり法則の影響が大きい、か」
地下王都の情報を盗み見たスカイは、今降り立った大陸は主に
『数値』『行動』によって全てが決まる法則に縛られていると感じた。
今、感じているこの疲労感もその一つと言えよう。
剣を振るだけで疲労がたまるというのは理解しがたい。
だが、『スキル』を使ったと判定されているなら納得もいくというものだ。
「ま、全部町に行かないと分からない話か」
「スカイ、もう降ろしてっ!」
ジタバタするフィナ。
「ああ。悪い悪い」
ぱっと手を離し、フィナを地面に立たせる。
「さっき街が見えた。行くぞ」
「わかった」
すでにスカイは剣でモンスターを仕留める気が無くなっていた。
主に力任せに空へ投げるだけで勝手に潰れるからだ。
「さて…再出発だ」
2人は町へと歩いて行った。
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タウンストーリー:【アクラチア】
『第?章【日常】第八節:現れる田舎者』が開始されました。
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『第一章【胎動】第一節:大陸の淵へ編』が完了しました。
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