満月の美しい夜に…

ノベルバユーザー173744

悲しいときには泣き、そして笑うことがいいと思います。

ルゥルゥにしばらく赤ん坊の世話をお願いし、居間に移動した。
扉が閉ざされるとリョウは、俯く。
琉璃りゅうりは、

「お兄ちゃん……悲しいときには、泣いて良いって、おじちゃま言ってたのよ?」
「お、俺は男だ!!それに、父を殺した男を捕まえてやる!!それまで、それまで……」

頬を伝うものに気がついた子明しめいは、ぐいっと少年の頭を引き寄せると、

「悲しみを流すのは涙だけだ。憎しみを流すのはまだ出来ないだろうが、親父どのを失って悲しいならまずは泣け。憎しみは生きる糧として残せ……そして、今度、赦せるときまで心に残しておけ」
「俺は……」
「お前の喉まで迫る苦しい思いを、俺は解ってやれない。でも、共にいてやれる。一緒に、親父どのを悼もう……それが息子として出来る最高の親孝行だ」

子明の言葉に、少年は堰を切ったように泣きじゃくる。

「父さん……父さん!!何で、何で!!昨日まで味方だったはずの、あいつらにあんな目に遇わされるんだ!!何であいつらが、父さんや主君を殺すんだ!!何で!!」

わぁぁぁ!!
泣き続ける少年に、琉璃はりょうを見上げ、

「お兄ちゃん……哀しいね。琉璃ももし、亮お兄しゃまに何かあったら一杯泣くと思う」
「そうだね……お兄ちゃんも、この間の琉璃の大怪我がものすごく悲しかったよ。本当に……離れるんじゃなかった……」

亮は琉璃を抱き上げ、子明に合図をすると、赤ん坊たちのいる寝室に戻っていった。



ルゥルゥは、やんちゃ坊主の大きい子供と遊んでいる。

「はい、坊や?二人もねんねしてますよ?ねんねしましょうね?」
「わぁう、めんめ!!」
「めんめ……?」

キョトンとするルゥルゥに、亮が微笑みながら、

「駄目って言う意味ですよ。母上であるカランさまが言っていたのでしょう」
「そうなんですか……詳しいですね」
「そうですか?それよりも、ルゥルゥさんも休んでください。私と琉璃が見ていますので」

微笑むと、

「ありがとうございます。では、明日参りますね?」
「お仕事や勉強が忙しいでしょう?琉璃もいますから大丈夫ですよ。ね?」
「うん!ルゥルゥおねえしゃま。琉璃が頑張るの!!だから大丈夫なのよ!!」

琉璃の言葉に、ルゥルゥは、

「姫さまは本当にお姉さまになられたのですね。お姉さま、ご弟妹きょうだいをお願いしますね?姫さま……お姉さまは優しい方ですから大丈夫ですわね」
「うん!!おねえしゃまなのよ。大丈夫なの!!」
「ではよろしくお願い致します。ですが姫さまはまだお疲れもありますので、お疲れになられたらお休みくださいね?」

優しい言葉を言い残し、頭を下げて部屋を後にしたルゥルゥを見て琉璃は、

「りゅうり、おねえしゃまみたいになりたいな。大きくなって、伯父しゃまや、おにいしゃまのお手伝いが出来るおねえしゃまになりたいの」
「じゃぁ、弟妹たちのお休みをさせてあげようね?」

1才位の子供は、ショーン王子と言ったはず。
やんちゃ坊主でこれからの成長が楽しみだと、上3人が女の子だったこともあり、父親のハウリスは本当に可愛がっていたと聞く。
顔立ちはキリッとしたカランにも似ているが、眉はキリッとして顔立ちは整っている。
世界の王族の美男子ランキングの上位に名前が必ずあった、ハウリスにも似ているらしい。

「じゃぁ、ショーン?琉璃お姉ちゃんが、お休みのお歌を歌うから、ねんねしようね?」
「めんめ!!」
「めんめは駄目だよ?それに、二人が起きちゃうでしょう?」

琉璃は、亮に言われた通り、ショーンの横に寝転がり、とんとんと優しく叩きながら、そっと、子守唄を歌う。
むーっとした顔でじたばたしていたショーンだが、しばらくすると目を擦り、大きくあくびをしてすやすやと眠り始める。

「良かった良かった……って、琉璃も眠たいね、お休みなさい」

子守唄を歌っていた琉璃は、いつの間にかすやすやと眠っている。

「じゃぁ、4人とも、お休みなさい。又明日」

亮は、毛布を掛けなおすと、引き出しにいれておいた数台のパソコンを操作し、情報を探していくのだった。

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