レイニー・デイズ・ストーリー

神城玖謡

番外編 生理の回

   5.6

「大丈夫?」
「……大丈ばないぃ」

 7月の始め頃、雨が降る放課後、文芸部の部室での会話。

「じぬ……」
「薬飲んだんでしょ?」

 初潮を向かえた少女と、先輩少女との会話。

「朝飲んだのが、ついさっきに切れて……」
「あぁ、次飲んだのがまだ効いてないと……」

 下っ腹を擦りながら唸っていた俺に、彼女は色々してくれた。

「ほら、もう一回ナプキン替えに行くよ」

「保健室から、暖かいタオル貰って来たから、腰に当てておきなよ」

「はい薬」

「はい膝掛け」

 などなど。

「どう、少しは良くなった?」
「うん、ありがとう。大分楽になったよ……」
「それは良かった、けど……余り大丈夫そうじゃあ無いね」
「まぁ……」


 薬が効いてきたのか、何だか眠い……

「少し寝たら?」
「……そうするよ」

 気のきく彼氏を持つと、色々楽だよ……

 そんな事を思い、俺は机に突っ伏した。



「お休み」

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