ゲームの世界で天下統一を目指す俺

ハタケシロ

第二十三戦

伊達対舞剣

舞剣

舞剣本陣では舞剣の『総大将』である舞剣大心まいづるたいしんと島津義弘が余裕の顔持ちで構えていた

「やはり早々に『戦国最強』を投入したのは正解でしたね」
「はい。これで伊達を落としやすくなりました。」
「やはり我が軍は『戦国最強』と貴女の加入が大きいですね。戦略が立てやすい」
「油断は禁物です。伊達の頭は武力は無いですが知力は多少ありますから何らかの対策はしてくるかと」
「そうですね。しかし出来ればこの調子で伊達の攻略をしたいですね、秋田の方も少ない戦力で拮抗してますから。」
「´美蝶姫,ですか?」
「はい。彼女は今や有名になりつつある´千人切り,と同等の力を持っていると私は思います」
「´千人切り,ですか。武田を退けるばかりか長宗我部を倒したという」
「一度拝見いや手合わせしてみたいでね」
「同意見です」

こういう余談を話せるほど舞剣は余裕があった
伊達の領土である岩手及び秋田の奪取は目の前である

「では私も出陣しますかね」
「止めを刺すんですね?」
「ええ。やはりどんなものでも手を抜くわけにわ行きませんから」

名だたる武将を抑えて青森を平定した舞剣が戦場に出る



伊達

「報告!拠点新たに3つ落とされました!本陣までもうすぐです!」

伊達本陣では伊達政宗が頭を悩ませていた。
伊達本体が防衛にあたっているのにも関わらずの劣勢
さらには天下に名高い『戦国最強』の存在を確認しているからである。

「くっ!またペースがあがったとるじゃと!」
「味方兵によりますと敵『総大将』も出陣している模様です」
「ならば妾も……!」
「なりません!。失礼ですが戦闘力が圧倒的すぎます!ここは本陣で防戦一方のほうが……」
「っ!」

焦る伊達政宗も無理は無かった。
かの『戦国最強』に加え、その主である『総大将』が出陣しているからである。
また自分が出陣しても返り討ちにあうのは伊達政宗にも分かってはいるがそうしないと気が治まらなかった。
だが伊達政宗は一つの希望にかけていた。
それは『前田』の救援である。
この劣勢に前田が味方として加われば状況を打破できるからである。それほど前田には力があるが、同盟を結んでもない以上前田が救援に来るという保証は無かった。だが伊達政宗は信じていた。前田の救援をいや前田慶次の救援を……

劣勢の伊達本陣に一つの報告が入る
それは伊達をさらに追い詰めるものだった

「報告!秋田を防衛していた片倉様が戦死!秋田が落ちるのも時間の問題とのこと!」
「か、片倉……っっ!」

片倉の死は伊達政宗だけでなく伊達軍全体に士気の低下を及ぼした。それだけに片倉の死は伊達軍には大きなものだった。

「こうしてはおれまい……やはり妾がっ!」

伊達政宗が意を決して出陣しようとし、愛刀である刀(軽くて丈夫。伊達政宗の握力でも使える)を持ち、本陣を出ようとした時、本陣に敵が入り込んで来た

「どけどけ雑魚共っ!ここもこの俺、本多忠勝が落としてやるよっ!」

伊達政宗の目に映ったのは一人の男だった。身長が2mはありそうな巨漢。手には名槍「とんぼ斬り」。
伊達政宗は一目で悟った

「せ、」
「ん?なんだ?嬢ちゃん?」
「『戦国最強』!」
「おっ。俺の二つ名を知ってんのか?まさかこんな嬢ちゃんにまで知られてるとは……」
「あ、当たり前じゃ!妾は無知ではないからの」
「そうかい、そうかい。所で薄々感じてはいたが……お前もしかして伊達政宗か?」
「そ、そうじゃが?」
「まじでこんなのが頭やってんのかよ。まっいーやお前を殺せば´城攻め,せずに伊達領土を全部貰えるからな。これで大心様の天下が近くなる……というわけで死んでもらうぜ?嬢ちゃん!」

本多忠勝が槍で伊達政宗の体を突くが伊達政宗は自身の身の軽さをいかしてすぐさま躱す。
そして間をとると伊達政宗も愛刀を本多忠勝に向ける
だが手に持っている愛刀は小刻みに震えていた

「こ、怖くない……怖く……ない」

伊達政宗も戦は何度も経験はしている。
前田慶次との戦と言った決闘以外に
だが伊達政宗は集団戦法を得意としていてサシでの勝負は経験があまり無かった。にもかかわらず今相成っているのは『戦国最強』本多忠勝である。無理もない本多忠勝から放たれる闘気いや殺気が凄すぎるのだ。
こんな大物に立ち向かうのすら普通の兵なら無理だろう。しかし伊達政宗は圧倒的な実力差があろうと怯える心を押さえつけて立ち向かっていた。

「おいおい。一国の主ともあろうものが震えてんじゃねーか?こりゃ簡単に殺れそうだな」
「こ、来いっ!妾が貴様に勝ってこの劣勢を覆す!」
「そうかい。ならまずその震えてる体を直してから言うんだな嬢ちゃんっ!」

本多忠勝が槍を振り上げた
だが伊達政宗は愛刀を構えたまま恐怖で体が動けなかった

「あっうっ……あっ」
「泣いてもどうしようもねぇんだよ!死にな嬢ちゃん!」

そして振り上げた槍を振り落とすっ!

キンッ

刃物と刃物がぶつかる音があたりに響いた
伊達政宗はゆっくりと閉じていた目を開ける

目に映るのは最も来て欲しかった人物

「泣くなよ嬢ちゃん」
「おっとなんであんたが?前田慶次〜」

前田慶次がそこにいた

「け、慶次っ!」
「悪いな遅くなった。」
「ほ、ほんとに遅いわっ!」
「ハハ悪い悪いっと」

一旦間合いをとる慶次と本多忠勝

「あっとそうだ忠勝」
「ん?」

深呼吸し、高らかに言い放つその言葉には色々な意味が込められていた 

「こいつのことを嬢ちゃんって言っていいのは俺だけだっ!!」

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