覇王サタンの聖誕祭〜鉄道王への道〜
第17話「VS.ラグエル」
初めて対峙する依り代持ちの天使ラグエル。
その迫力は、恐らく無意識ながらも山崎の恐怖を煽ることに成功していた。
(く〜!怖いぜ!あの時倒した2人とは全く違う感じだ…)
しかし、この場にいる悪魔の中で、依り代持ちはベルゼブブのみ。
つまり、天使の憑いている水面とは山崎をメインにして戦わなければならない。
(マモンもレヴィも、依り代がまだいねえから積極的に前に出ていくっていうのは難しいだろうな…だから、俺がやらないと…!)
「さて、まずは、ゆるくいきましょうか」
まず水面が動き出す。
その動きだけを見ても、か弱い少女がこちらに歩いて来ているに過ぎない。
しかし、注目すべきはその立ち振る舞いではなく…
「山崎!後ろを……!!」
マモンは叫んだが、俺がそれを回避するのにはコンマ数秒遅かった。
ドガンッ!!!
「ーっごえっ!!?」
俺がマモンが叫んだのを確認するのとほぼ同時に背中に強い衝撃を感じる。
2メートルほど弾き飛ばされた俺は歪む視界の中でその姿を確認した。
「!?っバイク!?」
俺にぶつかったのは先ほどまではこの場にいなかったはずの男が運転するバイク。
(誰だよこいつは!?)
この状況に混乱していると、駅の方向から何十台ものバイクの駆動音が聞こえて来た。
「!?なんでこんなにバイクが!?水面…てめー不良だったのかよ…!?」
「いいえ、あれは、ラグエルの能力『洗脳』よ!」
「洗脳ォ!?怖過ぎだろ…」
「大丈夫よ。さすがに洗脳できるのは一般人だけだから。私たち悪魔や、依り代には効かないわ」
(に、してもな…)
既に俺たち3人はバイクの集団に囲まれていた。この人数だと相手を避けて円から出るなんてことは不可能だ。
「クックックッ…貴様ら…何を怯えている?私の能力を使えば、この状況を打破するのも容易なことであろう!」
レヴィには何か考えがあるらしく得意げになっている。
「レヴィの能力って?」
「説明してやろう。私の能力を…!」
「いえ、レヴィや私が話すとラグエルに把握される恐れがあるのでベルゼブブが教えてあげて」
「」
話を遮られたレヴィは少し悲しそうに能力を放った。
(それで、レヴィの能力って?)
(うん、レヴィの能力は、その『嫉妬』により、人の『物』を『奪取』する能力。それから、人を『追跡』する能力の2つなの)
『奪取』と、『追跡』……
この2つの能力で、この状況をどう動かすつもりなのか…俺には見当もつかないが、マモンとレヴィはこの状況を覆せる確信があるようだった。
(すごく簡単なことだよ。恐らくレヴィは、洗脳されている人たちを使うつもりだろうね)
ベルゼブブに言われてもまだよくわからないが…
「『狂気の盗賊』!!」
レヴィがそう言い放った途端に、先頭を走っていた(円形だから先頭も何もないけど)男が円から飛び出して水面の方へと走っていった。
それを合図のようにしてほかのライダーたちも一直線にラグエルのもとへ走って行く。
「ヘェ〜……どんな能力かはわかりませんが、やりますねっ…」
「そう、そのライダーたちが貴様の人形となっているのなら、貴様の『物』も同然!ならば、私の能力で奪うことができる!!(小声)」
相変わらずのかっこよすぎるネーミングセンスで放たれたレヴィの必殺技は見事に決まったようだ!
「よっしゃーい!行っけえー!!」
しかし、レヴィの技が決まって激しく興奮していた俺の気分は見事に水を差されることになった。
「ぎゃぁああい!!」
「うぅわぁぁあああ!!」
「ひぎゃぁああ!!」
何人もの断末魔がその場に轟き、ラグエルのもとへと走っていたライダーたちの頭が爆散したのが目に入った。
「…………」
「あちゃー」
レヴィは非常にがっかりした様子で言った。
いや、あちゃーじゃねえだろ…
水面はにっこりと笑って言った。
「残念。一度洗脳すればスイッチの切り替えは私ができるのですよ。
まあ、一度スイッチを切ってしまうとそこで終わりなのが残念ですが」
水面は洗脳した人たちを生き物として見ていない様子だった。
「最低な女だよ、あんた!」
「最低な女って…まぁあなたにどう思われようと関係ないですけどね」
水面は、俺たち3人を睨みつけ、再び歩き出した。
だが、
「お前の『洗脳』はもう使えないぜ!お前にもう勝ち目はないぞ!」
「……いいえ、まだまだ使えますよ」
水面が白い歯を見せた瞬間、遠くから大きな音が近づいてくる。
「なんの音……って、まさか…」
「ええ、飛行機に来てもらっています。あなたたちに向かって墜落してもらいます」
水面は特に何も考えていないような、それでいて狂気に満ちた表情で笑った。
「山崎!逃げて!レヴィが奪ったバイクでも使って早く!!」
マモンとレヴィは馬車の中に帰っていった。
(ちょっ!これはまじでやばいって!)
俺はバイクの免許は持ってないし教習所に行ったこともないが、頑張った。
しかし、やはり全くわからん。
「私がやる!」
(!?)
俺が手間取っていると、ベルゼブブが出てきて、バイクを動かした。
(ベルゼブブ!?お前、免許持ってたのか!?)
「うん。まあ馬車があるからいらないんだけどね。ってそんなことより早く逃げないと!!」
そう、一刻も早くできるだけ遠くに逃げなければ俺たちは2人とも死ぬことになる。
「あはははは。頑張って逃げてください。たとえ依り代持ちの悪魔だとしてもこれでは助からないでしょう」
「って君はどうするつもりなの!?」
水面はベルゼブブの質問に淡々と答えた。
「私はこの場にはいませんよ。この身体も洗脳している1人にすぎません。
ま、この身体は可愛かったので無くすのは惜しいですが…」
「……!…山崎、行くよ!!」
ついに飛行機がすぐ近くの空まで来ていたので最高速度でバイクを走らせる。
しかし、爆発から完全に逃れるには少し遅かったようで、俺は(俺の身体を動かしていたのはベルゼブブだが)、爆発に巻き込まれた。
幸い、離れていたおかげで、重傷にはならずに済んだものの、全身に軽い火傷を負ってしまった。
俺はそこで気を失った。
その迫力は、恐らく無意識ながらも山崎の恐怖を煽ることに成功していた。
(く〜!怖いぜ!あの時倒した2人とは全く違う感じだ…)
しかし、この場にいる悪魔の中で、依り代持ちはベルゼブブのみ。
つまり、天使の憑いている水面とは山崎をメインにして戦わなければならない。
(マモンもレヴィも、依り代がまだいねえから積極的に前に出ていくっていうのは難しいだろうな…だから、俺がやらないと…!)
「さて、まずは、ゆるくいきましょうか」
まず水面が動き出す。
その動きだけを見ても、か弱い少女がこちらに歩いて来ているに過ぎない。
しかし、注目すべきはその立ち振る舞いではなく…
「山崎!後ろを……!!」
マモンは叫んだが、俺がそれを回避するのにはコンマ数秒遅かった。
ドガンッ!!!
「ーっごえっ!!?」
俺がマモンが叫んだのを確認するのとほぼ同時に背中に強い衝撃を感じる。
2メートルほど弾き飛ばされた俺は歪む視界の中でその姿を確認した。
「!?っバイク!?」
俺にぶつかったのは先ほどまではこの場にいなかったはずの男が運転するバイク。
(誰だよこいつは!?)
この状況に混乱していると、駅の方向から何十台ものバイクの駆動音が聞こえて来た。
「!?なんでこんなにバイクが!?水面…てめー不良だったのかよ…!?」
「いいえ、あれは、ラグエルの能力『洗脳』よ!」
「洗脳ォ!?怖過ぎだろ…」
「大丈夫よ。さすがに洗脳できるのは一般人だけだから。私たち悪魔や、依り代には効かないわ」
(に、してもな…)
既に俺たち3人はバイクの集団に囲まれていた。この人数だと相手を避けて円から出るなんてことは不可能だ。
「クックックッ…貴様ら…何を怯えている?私の能力を使えば、この状況を打破するのも容易なことであろう!」
レヴィには何か考えがあるらしく得意げになっている。
「レヴィの能力って?」
「説明してやろう。私の能力を…!」
「いえ、レヴィや私が話すとラグエルに把握される恐れがあるのでベルゼブブが教えてあげて」
「」
話を遮られたレヴィは少し悲しそうに能力を放った。
(それで、レヴィの能力って?)
(うん、レヴィの能力は、その『嫉妬』により、人の『物』を『奪取』する能力。それから、人を『追跡』する能力の2つなの)
『奪取』と、『追跡』……
この2つの能力で、この状況をどう動かすつもりなのか…俺には見当もつかないが、マモンとレヴィはこの状況を覆せる確信があるようだった。
(すごく簡単なことだよ。恐らくレヴィは、洗脳されている人たちを使うつもりだろうね)
ベルゼブブに言われてもまだよくわからないが…
「『狂気の盗賊』!!」
レヴィがそう言い放った途端に、先頭を走っていた(円形だから先頭も何もないけど)男が円から飛び出して水面の方へと走っていった。
それを合図のようにしてほかのライダーたちも一直線にラグエルのもとへ走って行く。
「ヘェ〜……どんな能力かはわかりませんが、やりますねっ…」
「そう、そのライダーたちが貴様の人形となっているのなら、貴様の『物』も同然!ならば、私の能力で奪うことができる!!(小声)」
相変わらずのかっこよすぎるネーミングセンスで放たれたレヴィの必殺技は見事に決まったようだ!
「よっしゃーい!行っけえー!!」
しかし、レヴィの技が決まって激しく興奮していた俺の気分は見事に水を差されることになった。
「ぎゃぁああい!!」
「うぅわぁぁあああ!!」
「ひぎゃぁああ!!」
何人もの断末魔がその場に轟き、ラグエルのもとへと走っていたライダーたちの頭が爆散したのが目に入った。
「…………」
「あちゃー」
レヴィは非常にがっかりした様子で言った。
いや、あちゃーじゃねえだろ…
水面はにっこりと笑って言った。
「残念。一度洗脳すればスイッチの切り替えは私ができるのですよ。
まあ、一度スイッチを切ってしまうとそこで終わりなのが残念ですが」
水面は洗脳した人たちを生き物として見ていない様子だった。
「最低な女だよ、あんた!」
「最低な女って…まぁあなたにどう思われようと関係ないですけどね」
水面は、俺たち3人を睨みつけ、再び歩き出した。
だが、
「お前の『洗脳』はもう使えないぜ!お前にもう勝ち目はないぞ!」
「……いいえ、まだまだ使えますよ」
水面が白い歯を見せた瞬間、遠くから大きな音が近づいてくる。
「なんの音……って、まさか…」
「ええ、飛行機に来てもらっています。あなたたちに向かって墜落してもらいます」
水面は特に何も考えていないような、それでいて狂気に満ちた表情で笑った。
「山崎!逃げて!レヴィが奪ったバイクでも使って早く!!」
マモンとレヴィは馬車の中に帰っていった。
(ちょっ!これはまじでやばいって!)
俺はバイクの免許は持ってないし教習所に行ったこともないが、頑張った。
しかし、やはり全くわからん。
「私がやる!」
(!?)
俺が手間取っていると、ベルゼブブが出てきて、バイクを動かした。
(ベルゼブブ!?お前、免許持ってたのか!?)
「うん。まあ馬車があるからいらないんだけどね。ってそんなことより早く逃げないと!!」
そう、一刻も早くできるだけ遠くに逃げなければ俺たちは2人とも死ぬことになる。
「あはははは。頑張って逃げてください。たとえ依り代持ちの悪魔だとしてもこれでは助からないでしょう」
「って君はどうするつもりなの!?」
水面はベルゼブブの質問に淡々と答えた。
「私はこの場にはいませんよ。この身体も洗脳している1人にすぎません。
ま、この身体は可愛かったので無くすのは惜しいですが…」
「……!…山崎、行くよ!!」
ついに飛行機がすぐ近くの空まで来ていたので最高速度でバイクを走らせる。
しかし、爆発から完全に逃れるには少し遅かったようで、俺は(俺の身体を動かしていたのはベルゼブブだが)、爆発に巻き込まれた。
幸い、離れていたおかげで、重傷にはならずに済んだものの、全身に軽い火傷を負ってしまった。
俺はそこで気を失った。
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