覇王サタンの聖誕祭〜鉄道王への道〜
第13話「加納 山崎」
これは、鈴木瀬川くんがピースフル学園を訪れる約2ヶ月前の話。
俺が希空を助けに飛び出していって、気を失い、それからどのくらい時間が経ったのかはわからないが、俺は目を覚ました。
「……?病院か?」
(誰か救急車呼んでくれたのかな…)
どのくらい寝ていたのかはわからないが、あの時希空を助けに行って不良たちにリンチされて気絶した…そこまでは覚えている。というかそれ以降の記憶はないからその間にここに運ばれたのだろう。
ふと周りを見渡す。
俺が目を覚ましたこの病室には、他の患者さんが誰もいなかった。
それと、俺は母が病弱だったこともあり、病院はよく訪れていたが、こんな病院初めて来た。
「誰か見舞いに来てくれるかな…っていうか、いま何時だ?」
あたりを見回すが、時計は見当たらない。
見ると時計どころか棚やライトのようなものもない。あるのはベッドとカーテンくらいのものだ。
(そういえば、俺の持ち物はどこにあるんだ?普通近くに置いといてくれると思うけど、置く場所がないしな…)
持ち物が何もないと暇なので…というわけではないが、ここがどこの病院かとか、俺の荷物の事とかききたいこともあったのでナースコールで人に来てもらうことにした。
しばらく経つと、病室にノックの音が響いた。
やはり人が誰もいないと小さな音でも目立つものだ。(まあ元々病室とは静かな場所ではあるが。)
看護師さんが来ると思っていた俺は、思わず声を出してしまった。
「え?」
病室に入って来たのは希空だった。
まぁ、俺のいる病室に希空が来るのは不自然なことではないよな。ナースコールのタイミングと合っただけだろう。
「おー希空。来てくれたのか。ごめんな心配かけて」
「ん…?」
?
希空は俺が何を言ったのかわからないといった様子でこちらを見ている。
「心配かけて悪かったなって言ったんだよ。希空」
やはり希空は何か不思議そうにしている。
「希空って誰?」
「はっ?」
「私は、この病院で働いている者だけど…」
信じられん。まさか16年間共に過ごした妹を別人と間違えるとは。
ってそんなわけがない、顔も、体型も、声すらも全く同じなのだ。
「ははは。俺は別に記憶喪失なんかしてねーぞ希空」
「いやあ、何言ってるのあなた私の名前は、ベルゼブブ。その希空って人とは別人」
「……え?ほんとに?」
「うん」
「うっそおおお!」
「病院では静かにね」
まさか本当に別人?てーかベルゼブブさんって…変わった名前だな字はどう書くんだろう。部流是部部さんかな。
「それで…ここはどこの病院なんだ?」
「うん、ここは私立エブリデイ病院」
「私立エブリデイ病院!?なにそれどこにあんの!?ここ日本!?」
「日本ではないよ」
「え?」
いやどういうことだろう…俺はあまりの大怪我に外国の病院に搬送されたのか?それにしてはどこも痛くないし普通に動けるんだけど…
「あなたは死んだんだよ。加納 山崎さん」
死んだー・・・って
「え?俺死んだの?」
「死んだんだね」
正直信じられない。
(確かに不良たちにボッコボコにされたのは覚えてるけど…死んだの!?)
「まさか…」
「いや、本当に死んでるよ。この病院に来るのは、死んだ人間だけなの」
「それで俺が死んだんだとして、なんでここに来たんだ?」
「それは、もう一度生きるチャンスを得るため」
「!?」
(生き返るってことか!?よかった。もし俺が死んだというなら希空が心配だったんだ…)
「じゃあ、どうやったら生き返ることができるんだ!?」
「生き返る?」
「あ?今お前が言ったじゃねーか」
「生き返るんじゃあないよ」
「え?」
「この世界に来る前、あなたは地球で死んだでしょう?そして、ここに来た」
「そうだけど」
もう一度生きるというのと、生き返るというのが何が違うというのだろう。
「ここは、仮に『試練の世界』とでも言おうか。ここであることを成し遂げた時、『次の世界』に行って生きることができる」
「あることを成し遂げた時ってなに?」
「さあーね…それは個人によって違うみたい」
しかし、もとの世界で生き返ることができないならどうでもいいことだ。俺が生きる理由なんて、希空がちゃんと生きられるように世話してやるためだけみたいなものなのだから
「でも、俺は今ここで生きているわけだし、そのなにかを成し遂げる必要もないんじゃないのか?」
「いや、この『試練の世界』で生きられる期間も人によってだけど、決まっている」
「そうか…」
もうなくした命だ。
残りの時間、ここで無意味に過ごすのも仕方がないな。
希空のかわりになる人なんていないのだから…
俺が希空を助けに飛び出していって、気を失い、それからどのくらい時間が経ったのかはわからないが、俺は目を覚ました。
「……?病院か?」
(誰か救急車呼んでくれたのかな…)
どのくらい寝ていたのかはわからないが、あの時希空を助けに行って不良たちにリンチされて気絶した…そこまでは覚えている。というかそれ以降の記憶はないからその間にここに運ばれたのだろう。
ふと周りを見渡す。
俺が目を覚ましたこの病室には、他の患者さんが誰もいなかった。
それと、俺は母が病弱だったこともあり、病院はよく訪れていたが、こんな病院初めて来た。
「誰か見舞いに来てくれるかな…っていうか、いま何時だ?」
あたりを見回すが、時計は見当たらない。
見ると時計どころか棚やライトのようなものもない。あるのはベッドとカーテンくらいのものだ。
(そういえば、俺の持ち物はどこにあるんだ?普通近くに置いといてくれると思うけど、置く場所がないしな…)
持ち物が何もないと暇なので…というわけではないが、ここがどこの病院かとか、俺の荷物の事とかききたいこともあったのでナースコールで人に来てもらうことにした。
しばらく経つと、病室にノックの音が響いた。
やはり人が誰もいないと小さな音でも目立つものだ。(まあ元々病室とは静かな場所ではあるが。)
看護師さんが来ると思っていた俺は、思わず声を出してしまった。
「え?」
病室に入って来たのは希空だった。
まぁ、俺のいる病室に希空が来るのは不自然なことではないよな。ナースコールのタイミングと合っただけだろう。
「おー希空。来てくれたのか。ごめんな心配かけて」
「ん…?」
?
希空は俺が何を言ったのかわからないといった様子でこちらを見ている。
「心配かけて悪かったなって言ったんだよ。希空」
やはり希空は何か不思議そうにしている。
「希空って誰?」
「はっ?」
「私は、この病院で働いている者だけど…」
信じられん。まさか16年間共に過ごした妹を別人と間違えるとは。
ってそんなわけがない、顔も、体型も、声すらも全く同じなのだ。
「ははは。俺は別に記憶喪失なんかしてねーぞ希空」
「いやあ、何言ってるのあなた私の名前は、ベルゼブブ。その希空って人とは別人」
「……え?ほんとに?」
「うん」
「うっそおおお!」
「病院では静かにね」
まさか本当に別人?てーかベルゼブブさんって…変わった名前だな字はどう書くんだろう。部流是部部さんかな。
「それで…ここはどこの病院なんだ?」
「うん、ここは私立エブリデイ病院」
「私立エブリデイ病院!?なにそれどこにあんの!?ここ日本!?」
「日本ではないよ」
「え?」
いやどういうことだろう…俺はあまりの大怪我に外国の病院に搬送されたのか?それにしてはどこも痛くないし普通に動けるんだけど…
「あなたは死んだんだよ。加納 山崎さん」
死んだー・・・って
「え?俺死んだの?」
「死んだんだね」
正直信じられない。
(確かに不良たちにボッコボコにされたのは覚えてるけど…死んだの!?)
「まさか…」
「いや、本当に死んでるよ。この病院に来るのは、死んだ人間だけなの」
「それで俺が死んだんだとして、なんでここに来たんだ?」
「それは、もう一度生きるチャンスを得るため」
「!?」
(生き返るってことか!?よかった。もし俺が死んだというなら希空が心配だったんだ…)
「じゃあ、どうやったら生き返ることができるんだ!?」
「生き返る?」
「あ?今お前が言ったじゃねーか」
「生き返るんじゃあないよ」
「え?」
「この世界に来る前、あなたは地球で死んだでしょう?そして、ここに来た」
「そうだけど」
もう一度生きるというのと、生き返るというのが何が違うというのだろう。
「ここは、仮に『試練の世界』とでも言おうか。ここであることを成し遂げた時、『次の世界』に行って生きることができる」
「あることを成し遂げた時ってなに?」
「さあーね…それは個人によって違うみたい」
しかし、もとの世界で生き返ることができないならどうでもいいことだ。俺が生きる理由なんて、希空がちゃんと生きられるように世話してやるためだけみたいなものなのだから
「でも、俺は今ここで生きているわけだし、そのなにかを成し遂げる必要もないんじゃないのか?」
「いや、この『試練の世界』で生きられる期間も人によってだけど、決まっている」
「そうか…」
もうなくした命だ。
残りの時間、ここで無意味に過ごすのも仕方がないな。
希空のかわりになる人なんていないのだから…
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