FANTASY WAR ONLINE
第二二話
「シッ!」
「フッ!」
今俺は、みなみ母さんと組手をしている。
最初は付与魔術の開発をしようと思っていたのだが、その前に戦闘中に魔力を操作できないという事実を思い出した。よって、最初は一人で体を動かしながら訓練をしていたのだが、みなみ母さんが【魔力操作】を、もう習得したということで鍛錬の相手をしてもらっている。
みなみ母さんの種族はニュンペーであるため、非常に魔力との親和性が高い。よって、こんなに早く習得することが出来たのだ。それでも、師匠が言うには早すぎるらしいが。
「ッ!」
今も、母さんは俺の右腕を極めながら一本背負いをする。俺はそれを飛びながら体をひねり、そこから抜け出す。と同時に、母さんの片腕に飛び掛かり関節を極める。が、すぐさま母さんは抜け出す。と、その勢いに任せた裏拳が飛んでくる。俺はそれをしたから突き上げて軌道を外し、そのまま体を内側へと滑り込ませて肘打ちを入れる。しかし、それを体を半身にすることで受け流される。
「ヒュッ!」
母さんの呼気が漏れると同時に膝蹴りが俺の右わき腹に飛んでくる。俺は母さんの軸足に蹴りを入れてバランスを崩させる。と、母さんは膝蹴りを打ち込むことなく倒れるが。右手を地面につき逆立ちになり今度は頭上から膝が飛んでくる。俺はこれをギリギリで避けるがまだ母さんの間合い。逆足も飛んでくる。
俺は一旦仕切りなおすために離れる。母さんは少しの間こちらに背中を向けるので、その瞬間に再び間合いを詰めて拳を叩き込む。のだが、腰のバネで母さんの手刀が飛び出してくる。俺はとっさに顔を守るために受けるが、そのまま手首を掴まれて投げられる。だが、俺は飛んで難を逃れると、そのまま懐に入り投げ返す。しかし、手ごたえはない。母さんも同じく飛んでいる。
《只今までの行動により【徒手武術】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【受け】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【回避】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【見切り】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【魔力感知】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【魔力操作】がレベルアップしました》
そう、このレベルアップのアナウンスの通り、俺はなんだかんだ魔力を操作し続けていたのである。なんかついでに【魔力感知】も上がっているけど。
「ヒャッ!」
俺は掛け声とともに、母さんにより左わき腹に拳を打ち込む。避けられないようにコンパクトに。
アナウンスが来たからといってすぐに止められるわけないじゃん。こればっかりは仕方がない。
「フッ!」
母さんはそれを避けずにそのまま受け止める。しかし、ダメージを受けたのは俺。母さんは先ほどの瞬間に気功術による硬化術を使用したのである。それは恐ろしく、攻撃の威力をそのまま跳ね返すことも可能になる。発勁の応用技ともいわれている。
それでも、ノーダメージというわけではないと思うが。ないよね?
母さんは、脱力。そのまま俺に迫りみぞおちに掌底。さらに発勁。呼吸が止まる。
「ゲホッ!」
むせた。そりゃ苦しいわ。
俺はしばらく咳き込む羽目になった。
「ニュンペーが獣人相手に格闘戦で優勢とはのう」
師匠はそんな感想を呟いている。たしかに、魔力の扱いにたけた種族であるのに、物理攻撃を得意とするのは驚くことだろう。
「ふう、戦いながら【魔力操作】するのも難しいわね。それと同時に気もみなぎらせてないといけないし」
母さんは汗をぬぐいながらそう呟く。母さんはまだ魔術を放つことは出来ないが、【魔力操作】のレベルは結構ある。俺以上の速度でレベルアップするのだ。だから、俺より【魔力操作】がうまい。これは仕方ないとして諦める。種族の差だ。
「でも……ただ魔力を放つだけだったりするのも芸がないわね。スバルの言う通り、身体能力の強化に使えるとかなり有用なんだけどね」
母さんたちにも、俺の考えは話してある。他のみんなも、同じようなことを考えていたらしく、誰が最初にその技術を手に入れられるか競争することになっている。
「さ、スバル。早く立ちなさい。訓練の続きだね」
「いや、今呼吸整えているんだけど……」
「ほらほら早く立ちなさい」
俺は母さんに腕を引っ張られながら、師匠の顔を見る。師匠は困惑した顔でただ俺たちを見ていた。
「フッ!」
今俺は、みなみ母さんと組手をしている。
最初は付与魔術の開発をしようと思っていたのだが、その前に戦闘中に魔力を操作できないという事実を思い出した。よって、最初は一人で体を動かしながら訓練をしていたのだが、みなみ母さんが【魔力操作】を、もう習得したということで鍛錬の相手をしてもらっている。
みなみ母さんの種族はニュンペーであるため、非常に魔力との親和性が高い。よって、こんなに早く習得することが出来たのだ。それでも、師匠が言うには早すぎるらしいが。
「ッ!」
今も、母さんは俺の右腕を極めながら一本背負いをする。俺はそれを飛びながら体をひねり、そこから抜け出す。と同時に、母さんの片腕に飛び掛かり関節を極める。が、すぐさま母さんは抜け出す。と、その勢いに任せた裏拳が飛んでくる。俺はそれをしたから突き上げて軌道を外し、そのまま体を内側へと滑り込ませて肘打ちを入れる。しかし、それを体を半身にすることで受け流される。
「ヒュッ!」
母さんの呼気が漏れると同時に膝蹴りが俺の右わき腹に飛んでくる。俺は母さんの軸足に蹴りを入れてバランスを崩させる。と、母さんは膝蹴りを打ち込むことなく倒れるが。右手を地面につき逆立ちになり今度は頭上から膝が飛んでくる。俺はこれをギリギリで避けるがまだ母さんの間合い。逆足も飛んでくる。
俺は一旦仕切りなおすために離れる。母さんは少しの間こちらに背中を向けるので、その瞬間に再び間合いを詰めて拳を叩き込む。のだが、腰のバネで母さんの手刀が飛び出してくる。俺はとっさに顔を守るために受けるが、そのまま手首を掴まれて投げられる。だが、俺は飛んで難を逃れると、そのまま懐に入り投げ返す。しかし、手ごたえはない。母さんも同じく飛んでいる。
《只今までの行動により【徒手武術】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【受け】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【回避】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【見切り】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【魔力感知】がレベルアップしました》
《只今までの行動により【魔力操作】がレベルアップしました》
そう、このレベルアップのアナウンスの通り、俺はなんだかんだ魔力を操作し続けていたのである。なんかついでに【魔力感知】も上がっているけど。
「ヒャッ!」
俺は掛け声とともに、母さんにより左わき腹に拳を打ち込む。避けられないようにコンパクトに。
アナウンスが来たからといってすぐに止められるわけないじゃん。こればっかりは仕方がない。
「フッ!」
母さんはそれを避けずにそのまま受け止める。しかし、ダメージを受けたのは俺。母さんは先ほどの瞬間に気功術による硬化術を使用したのである。それは恐ろしく、攻撃の威力をそのまま跳ね返すことも可能になる。発勁の応用技ともいわれている。
それでも、ノーダメージというわけではないと思うが。ないよね?
母さんは、脱力。そのまま俺に迫りみぞおちに掌底。さらに発勁。呼吸が止まる。
「ゲホッ!」
むせた。そりゃ苦しいわ。
俺はしばらく咳き込む羽目になった。
「ニュンペーが獣人相手に格闘戦で優勢とはのう」
師匠はそんな感想を呟いている。たしかに、魔力の扱いにたけた種族であるのに、物理攻撃を得意とするのは驚くことだろう。
「ふう、戦いながら【魔力操作】するのも難しいわね。それと同時に気もみなぎらせてないといけないし」
母さんは汗をぬぐいながらそう呟く。母さんはまだ魔術を放つことは出来ないが、【魔力操作】のレベルは結構ある。俺以上の速度でレベルアップするのだ。だから、俺より【魔力操作】がうまい。これは仕方ないとして諦める。種族の差だ。
「でも……ただ魔力を放つだけだったりするのも芸がないわね。スバルの言う通り、身体能力の強化に使えるとかなり有用なんだけどね」
母さんたちにも、俺の考えは話してある。他のみんなも、同じようなことを考えていたらしく、誰が最初にその技術を手に入れられるか競争することになっている。
「さ、スバル。早く立ちなさい。訓練の続きだね」
「いや、今呼吸整えているんだけど……」
「ほらほら早く立ちなさい」
俺は母さんに腕を引っ張られながら、師匠の顔を見る。師匠は困惑した顔でただ俺たちを見ていた。
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