崩壊の兆しある世界にて(自主的に更新停止中)

辛味噌

セーフハウス買う(中編)

商人は少し考え込んでから
「分りました。一応価格の方ですがリフォーム費用やこれまでの維持費もありますが、備品類はお客様で調達ですし勉強しまして1000万程でどうでしょう?更にサービスで使用人派遣協会から一年間使用人を執事バトラー侍従チェーンバリン1名、男性家事使用人フットマン3名、女中管理人ハウスキーパー、各種女中メイド6名、庭師ガーデナー1名、料理人コック1名を派遣する費用はこちらで持ちます。」
ちょっと計算する。
訳ありとは聞いてるが予想以上に安い。
ぶっちゃけ貴族じゃないし執事やら侍従は要らない気もするんだが、派遣だからそれなりに割高だろうけど前の世界基準なら70万くらいか?
気持ち悪いくらい安いな。なんか裏があるのか?
ただ維持費で結構かかるな。貴族ならともかく年間70万とかケチりたい…

「あ、気がつきましたか。」
どうも顔に出たらしい。
「実はですね、この条件だと赤字ではないのですが儲けもほとんどありません。ですが当方は不動産以外にも各種商売をしておりまして、これを期にご贔屓していただければと言う意味も込めてこの価格にしてあります。いかがでしょうか?」
「俺としては貴族でもないし執事やら男性家事使用人フットマン3名、女中管理人ハウスキーパー、各種女中メイド6名あたりで十分だな。派遣ではなく直接雇用にしたい。」
「分りました。では当家から人選しますので5日ほど頂けるなら使える者を送ります。あ、そうだ。使用人登録と初年度の使用人税は当方でお支払いしておきます。」

かなり高額案件だが本来ならこういうのは相棒任せなんだよな。
「その条件で契約しよう。魔法の物品アーティファクトを今から冒険者ギルドに行って売却してくるが、結構な大金だし換金には時間がかかるがどうする?」

「それには及びません。当方の系列店で鑑定と買取をしましょう。その方が楽です。」
相場を崩したくないから粗悪品やら下級品を多数売るより、人気の高そうな中級品を複数か上級品あたりでいいか。
近いというだけあってメイン通り沿いにその店はあった。
商人が店員と何やら話し込んでいる間に店内の物品を物色する。
展示品の魔法の物品アーティファクトは中級品が多いが一部は上級品が混じっている。中~上級者向けの店舗なのか?
商人が戻ってきた。
「お待たせしました。買取希望の商品を出していただけますか?」
時空収納インベントリ付きベルトポーチから中級品の魔法の物品アーティファクトを10個ほど取り出す。
「ほほぉ。時空収納インベントリ付きベルトポーチとは、やはりそれなりの実力者のようですね。では預からせていただきます。」

これで商品だけ持って逃げられたらマヌケもいいところだな。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はマネイナ商会の会頭をしております。ロナルド・マネイナ準男爵バロネットと申します。」

おいおい商会の会頭直々かよ・・・
しかも準男爵バロネットって事はこの国での最功労者って事か…。
「俺も名乗ってなかったな。ヴァルザスだ。最近こっちの世界に拉致られたんで第1階梯冒険者だ。生まれは傭兵団の誰かの子供らしく性はない。」

「おお・・・・そのお姿でお名前がヴァルザスですか・・・・。まるで転生でもされたかのようですな。美術品などの彫像などによく似ておられる。」
思い出したように
「ああ・・・。そういえば神聖オルトリッチ帝国の新皇帝も光の主神アバタールの生まれ変わりを名乗ってますし、彼の妃候補にはメフィリア神の生まれ変わりと呼ばれる美姫がいるとか。何やら運命を感じますな・・・。」
あの糞アバタールは転生先でもメフィリアに粘着してるのかよ。あれは俺の女だ。
しかし奴は何度転生してるんだ?俺との対戦で致命傷を負って死の間際に輪廻転生リインカネーションを使ったのは覚えている。しかしあの当時巨神族に転生先となる胎児は居なかった筈だし、一番近いのは人族に劣化転生か?でもあれから1万5千年以上経過してるって話だし、転生の術は繰り返すと魂やら能力やら記憶が劣化していくという研究結果があるし、もう搾りカス状態でメフィリアに対する妄執だけとかなのか?
神聖オルトリッチ帝国はどのみち目的地だし、ついでに奴に挨拶にでも行くか。

しかし当代限りの爵位とは言え準男爵バロネットを賜るって事はかなりの実績アリな商会って事か。
思案にふけっていると
「お待たせしました。鑑定結果が出たようです。少々金額が多くなったので、2品程お返しします。」
「いや、面白い話を聞かせて貰った。これから世話になることもあるだろうからそれは駄賃に取っておいてくれ。」
「ではありがたく。住宅の書類と引き渡しは後日になりますが、宿はお決まりですか?」
「いや、まだだな。」
「この時間ですとほとんど埋まってるでしょうし、当商会の運営する宿でよければ部屋を用意しますが?」
「では、それで頼む」

案内された宿はどうみても冒険者向けではなく豪商か貴族が使うような高級宿だった。
気を利かせたのか滞在期間は1週間確保してくれた。
冒険者生活が長いとこういう高級宿は落ち着かないんだよな。
書類と物件の引き渡しは5日後の昼で使用人等もその時に連れてくることになった。

その日はさっさと寝てしまって翌朝から情報収集に出ることにした。

やはり気になっていたのが神聖皇帝の妃候補と言う女性だったわけで、あちこちで聞いて回った。

正直言うと・・・・妃候補はマリアベルデという13歳の少女であること、成人するまでは婚姻はしないらしい。人違いという事か?
法と秩序を謳う光輝教徒だけにまじめなのかね?
だが俺の予測では年齢は俺と同じ20歳あたりと思ってたんだが…。しかし15歳までに記憶などが戻るはずだから何のリアクションもないのが気になる。まさかとは思うが7年もズレたのか?タイミング合わせたはずなんだが。記憶が戻らなかったとか実はもう墓の中とかが一番怖い。
同じ世界に誕生しなかったあたり何処かで術に不具合があったと思うべきか。
緊急で組んだ術式だったし不具合は仕方ないのか。とほほ・・・・・。



そして特に事件もなく引き渡し日になってしまった。
ロナルドと購入した館の前まできた。
書類に目を通し問題ないようならサインをして欲しいとの事だった。
こういうのはあまり詳しくないが、読んだ限りでは問題なさそうだしそのままサインする。
契約書と行政関連の種類を渡し、使用人を紹介してもらう。
しかし当初より何人か増えている。
「人数が多いんだが?」
「職場的に必要な職種を揃えてみました。一年ほど雇用して不要であれば元の職場に戻します。経費などはこちらで持ちますのでお気になさらずに。」

取りあえず自己紹介してもらうとするか。


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