ブラックリストハンター ~異世界ルールで警察はじめました~
捜査特別報酬金制度
両馬景 加賀千里 スタン・ザ・オックフォード
3人は、そのまま歩きついた場所は
『メギ署』
「凄い建物ですね」とスタンはため息交じり言った。
『メギ署』は全体的なコンセプトは中世欧州風になっている。
それは、日本側の業者を島へ入れる事が困難なため、主に異世界側の発注して建築されたからだ。
よくよく考えてみれば、この規模の建物が1年足らずで完成したさせるのは、現代日本でも困難な技術なのだが……
リョウマと加賀は、褒められご満悦な様子だ。
「ではでは、こちらへどうぞ!」
加賀が先行して扉へ鍵を刺した。
その光景を見たスタンは少し疑問に思った。
そのまま、3人は会議室へ入った。
そこは会議室とは思えない空間になっていた。
広々とした空間に机は2つ。
机の上にはパソコンと書類の束。おそらく灰皿がある方がリョウマの机なのだろう。
会議室に無理矢理2人の仕事部屋を作ったみたいになっていた。
「……えっと、これは?」
スタンの疑問に気づいたのはリョウマの方だった。
「実はね……現在、この島にいる警察官は俺と加賀だけでしてね。持て余してるんですよ、この建物を」
つまり、通常サイズの警察署を2人だけで使っているため、通常の業務は改造された会議室で行われているという事らしい。宝の持ち腐れ状態だ。
しかし、その説明を聞いてスタンは納得した。
この規模の建物でありながら、2名しかいないから、外出時にわざわざ鍵を閉めていたのか……と。
「では、こちらがスタン・ザ・オックスフォードさんの机になります」
そう案内されて、スタンはマントを外し、背中の剣共々、机に置いた。
そのまま、暫く経過。
リョウマはタバコから紫煙をまき散らし、テレビを見ている。
加賀は雑誌を読みふけっている。どうやらファッション雑誌らしい。
時々、机に置かれたコンロに火をつけケトルでお湯を沸かしてはコーヒーを入れる。
「えっと、何かする事はないんでしょうか?」とスタンは2人に質問した。
その質問にリョウマと加賀は顔を見合わせた。
当然ながら警察官の仕事は多忙だ。激務とすら言ってもいい。
しかし、ここは『行政特区』だ。
日本でありながら、日本の法律をそのまま、当てはめる事はできない。
そもそも、島にいる9割の人間は日本人ではない。
どこまで日本の法律が適応されているのか、実は行政側であるはずの2人ですら暗中模索。
どこまで自分たちに権限が許されているのか?それすらも詳しくはわかっていない。
むしろ、そのガイドラインを作るのが2人の仕事であり、従来の警察業務は後回し。
要するに暇なのである。
「……という事なのだよスタンくん。本来なら異世界側の警察代表である君に、業務的なレクチャーを受けなければならないのだが、今日は長旅で疲れているのだろうと我々は……」
「おい、加賀!それは一体、誰のモノマネつもりなんだ?」
「もちろん、リョウマさんですが、何か問題でも?」
パンと紙で作られた鈍器で加賀は後頭部を叩かれた。
「あまり加賀の言う事を真に受けないように」
「は、はぁ」
「しかし、暇なのは事実だ。まず、我々が最初に行う仕事は君たちから、業務のノウハウを学ぶ事にある。詭弁上とは言え、留学生の立場であるはず君から学ばせて貰うのは心苦しいのだが……」
「それなのですが」
「ん?」
「リョウマさんは、僕の事を警察だと言っていますが、僕たちは日本の警察とは役割が大きく違います」
「ほう、いきなりレクチャーかな?」
「いいえ、そんなつもりはありませんが……僕は警察ではなく、ブラックリストハンターギルドという組織の一員です」
「ブラックリストハンターギルド……賞金首を捕まえているのか?」
「そうです。ですが、その表現は適切ではないですね。なんせ、賞金首は――――
Dead or Alive(生死問わず)が基本ですから」
リョウマはスタンの説明に驚くよりも
(なるほどな)
という気持ちの方が強かった。
事前の説明で与えられた資料には、スタンへの賃金は捜査特別報酬金制度によって支払うものと書かれていた。普通の者なら気づかぬように、小さな字で自然に……
『捜査特別報酬金制度』
要するに懸賞金の事で、被疑者逮捕への有効な情報に対して支払えるものである。
しかし本来ならば、警察庁の「調査特別報奨金審査委員会」に審査を終えて、金額などが決定されるものだが、それらを『行政特区メギ』内で起きた事件に限り、署長であるリョウマに一任されている。
それはつまり……
事件の調査や被疑者確保を優先的にスタン・ザ・オックスフォードに行わせろ。
異世界人の犯罪者は異世界のルールで取り締まり、そこの警察組織は関わらず、手柄だけ受け取れ。
そういう裏があるのとリョウマは見ている。
3人は、そのまま歩きついた場所は
『メギ署』
「凄い建物ですね」とスタンはため息交じり言った。
『メギ署』は全体的なコンセプトは中世欧州風になっている。
それは、日本側の業者を島へ入れる事が困難なため、主に異世界側の発注して建築されたからだ。
よくよく考えてみれば、この規模の建物が1年足らずで完成したさせるのは、現代日本でも困難な技術なのだが……
リョウマと加賀は、褒められご満悦な様子だ。
「ではでは、こちらへどうぞ!」
加賀が先行して扉へ鍵を刺した。
その光景を見たスタンは少し疑問に思った。
そのまま、3人は会議室へ入った。
そこは会議室とは思えない空間になっていた。
広々とした空間に机は2つ。
机の上にはパソコンと書類の束。おそらく灰皿がある方がリョウマの机なのだろう。
会議室に無理矢理2人の仕事部屋を作ったみたいになっていた。
「……えっと、これは?」
スタンの疑問に気づいたのはリョウマの方だった。
「実はね……現在、この島にいる警察官は俺と加賀だけでしてね。持て余してるんですよ、この建物を」
つまり、通常サイズの警察署を2人だけで使っているため、通常の業務は改造された会議室で行われているという事らしい。宝の持ち腐れ状態だ。
しかし、その説明を聞いてスタンは納得した。
この規模の建物でありながら、2名しかいないから、外出時にわざわざ鍵を閉めていたのか……と。
「では、こちらがスタン・ザ・オックスフォードさんの机になります」
そう案内されて、スタンはマントを外し、背中の剣共々、机に置いた。
そのまま、暫く経過。
リョウマはタバコから紫煙をまき散らし、テレビを見ている。
加賀は雑誌を読みふけっている。どうやらファッション雑誌らしい。
時々、机に置かれたコンロに火をつけケトルでお湯を沸かしてはコーヒーを入れる。
「えっと、何かする事はないんでしょうか?」とスタンは2人に質問した。
その質問にリョウマと加賀は顔を見合わせた。
当然ながら警察官の仕事は多忙だ。激務とすら言ってもいい。
しかし、ここは『行政特区』だ。
日本でありながら、日本の法律をそのまま、当てはめる事はできない。
そもそも、島にいる9割の人間は日本人ではない。
どこまで日本の法律が適応されているのか、実は行政側であるはずの2人ですら暗中模索。
どこまで自分たちに権限が許されているのか?それすらも詳しくはわかっていない。
むしろ、そのガイドラインを作るのが2人の仕事であり、従来の警察業務は後回し。
要するに暇なのである。
「……という事なのだよスタンくん。本来なら異世界側の警察代表である君に、業務的なレクチャーを受けなければならないのだが、今日は長旅で疲れているのだろうと我々は……」
「おい、加賀!それは一体、誰のモノマネつもりなんだ?」
「もちろん、リョウマさんですが、何か問題でも?」
パンと紙で作られた鈍器で加賀は後頭部を叩かれた。
「あまり加賀の言う事を真に受けないように」
「は、はぁ」
「しかし、暇なのは事実だ。まず、我々が最初に行う仕事は君たちから、業務のノウハウを学ぶ事にある。詭弁上とは言え、留学生の立場であるはず君から学ばせて貰うのは心苦しいのだが……」
「それなのですが」
「ん?」
「リョウマさんは、僕の事を警察だと言っていますが、僕たちは日本の警察とは役割が大きく違います」
「ほう、いきなりレクチャーかな?」
「いいえ、そんなつもりはありませんが……僕は警察ではなく、ブラックリストハンターギルドという組織の一員です」
「ブラックリストハンターギルド……賞金首を捕まえているのか?」
「そうです。ですが、その表現は適切ではないですね。なんせ、賞金首は――――
Dead or Alive(生死問わず)が基本ですから」
リョウマはスタンの説明に驚くよりも
(なるほどな)
という気持ちの方が強かった。
事前の説明で与えられた資料には、スタンへの賃金は捜査特別報酬金制度によって支払うものと書かれていた。普通の者なら気づかぬように、小さな字で自然に……
『捜査特別報酬金制度』
要するに懸賞金の事で、被疑者逮捕への有効な情報に対して支払えるものである。
しかし本来ならば、警察庁の「調査特別報奨金審査委員会」に審査を終えて、金額などが決定されるものだが、それらを『行政特区メギ』内で起きた事件に限り、署長であるリョウマに一任されている。
それはつまり……
事件の調査や被疑者確保を優先的にスタン・ザ・オックスフォードに行わせろ。
異世界人の犯罪者は異世界のルールで取り締まり、そこの警察組織は関わらず、手柄だけ受け取れ。
そういう裏があるのとリョウマは見ている。
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