AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者とブラックマーケット
連続更新中です(04/12)
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ブラックマーケット
名前が白黒反転したことによって、迷宮の姿は本来あるべきものを取り戻した。
魔物たちは悪意を持ち、侵入者たちの迎撃に向かう。
「──そしてここは類を見ない、プレイヤーまでもが防衛戦力として見られる場所だ。本当、面白い場所だな」
「はい。大きな括りで見れば主様も同じようなことを成されておりますが、特定の迷宮では行っていませんので」
「そうだなぁ、迷宮の維持を餌とした労働の強要……実に考えられている。あれだな──生物の共存、利害の一致ってヤツだ」
祈念者たちは装飾具を装備することで、一時的に魔物から襲われなくなる。
そして侵入者を上手く迎撃できれば、報酬まで与えられるのだ。
だからこそ、迷宮核の在る部屋を含めて全三階層なんて構造でもやっていける。
祈念者たちが自主的に防衛に回るので、過剰な戦力を注がなくてもいいわけだしな。
「ちなみに裏切ったら制裁があるみたいだ。装飾具に結構な呪いが盛られているぞ」
「解呪はできないのですか?」
「……呪いって言うのはちょっと違ったな。迷宮のシステムで作られた、非侵入者認定の仮登録みたいなものだ。インスタントキーみたいなモノな分、反逆行為を行った瞬間に殺されるみたいだ……同朋からもな」
「たしかに、そのようなシステムがございましたね。主様が条件を満たしておらず、これまでは存在しておりませんでしたが」
……どうやらうちでの採用は、できなかったようだ。
まあ、膨大な量のDPがあるので、わざわざ祈念者に頼らずとも問題ないけどな。
『いたぞ、侵入者だ!』『殺せ! そしたら報酬は山分けだぞ!』『いや、俺が行く! そしたらMVP賞は俺の物だ!』
「──などと言われていますが……主様、どうなさいますか?」
「そうだな……レン、面白そうだしちょっと本気を出してやってくれ」
「畏まりました──“簡易領域”構築開始、“領域侵略”を実行します」
レンに与えた指輪を飾る中石は迷宮核であり、魔力を籠めることで辺りに干渉し、簡易的な迷宮を構築することができる。
たとえそれが他者の迷宮内であろうと……魔力量が多ければ、侵略可能だ。
「どうだ?」
「相手は祈念者、迷宮核を成長させられたとしても意志は宿せていないのでしょう。抵抗はされておりますが、『創宮』は順調です」
「けど、一定領域まで広げるのは時間が掛かりそうだな……よし、俺の出番か」
縛りの影響で魔子鬼ではあるが、ある程度戦闘することはできる。
ただし人が使うような武器は使えないし、魔法は完全に使用不可能。
なので現在使っているのは、魔子鬼サイズの棍棒である。
レンの前に立ちはだかると、祈念者と迷宮の魔物たちに向けて笑みを浮かべておく。
『うわっ、デミゴブリンかよ……あんまり報酬多くなさそうだな』『てゆーかアイツ、デミゴブリン使役してんのかよ。気持ちワリー趣味してんなー』『まあ、どうせ雑魚だし、サクッと殺しますか!』
「言語を魔子鬼語にして……グギャギャ!」
『やっぱ何言ってんか分かんねぇな』『まあなんでもいいんじゃね、どうせ死ぬんだし』『それもそっか……じゃあ、一番槍は俺がやらせてもらう!』『うわっ、ズル!』
「ギャギャギャギャッ!」
一番槍とか言っていた祈念者が、風魔法で速度を高めて突っ込んでくる。
それなりに速いわけだし、魔子鬼が相手ならイチコロだろうな。
「喰らえ──“疾風チャ……」
「ギャッ!」
「ぐはぁあ!」
『──ッ!?』
遠くで見ていた祈念者たちが、息を呑んでいる気がする。
一番槍君は粒子となりかけて、魔子鬼の前に倒れ伏しているし。
まあ、祈念者相手に魔子鬼が、武技を躱して反撃……しかも一撃なんて様子を見れば、そりゃそうだろうとも思うけど。
「ギャギャギャギャギャッ!」
《あの、主様……もしかして素ですか?》
《違うからな!? そりゃあ、ちょっと面がイケてるなとか思ったけど、ちゃんと加減して気絶させたからな!》
一番槍君は誰かが蘇生魔法を施したのか、ギリギリ踏み止まったようだ。
しかし気絶中なので、俺の足元でぐったりとしている。
《そうでしたか。侵略率40%を超えましたので、援護が可能となりました。何か、用意しますか?》
《なら、縄と磔用の支えをくれ。それで少し遊んでみようかなって……》
《承りました──『縄:1』と『磔台(木):2』を召喚します》
「グギャギャギャギャ!」
用意された縄と磔台を使って、倒れている一番槍君を縛り上げる。
そして……とりあえず服を脱がしておく。
『うわぁ……』『可哀想……』『というか、あんなことするなんて、いったいどんな教育受けてんだか』『けど、結構……良い体してない?』『ハァハァ……』『あっ、もしかして女相手でも』『『『…………ッ!』』』
顔がイケているだけじゃなく、体付きまでいいとは……脱がして損をした気がする。
ちなみに祈念者なので、服を脱がされたら自動的に下着だけは装備されているな。
それでも一部の者たちは荒い息を吐き、何かに興奮していた。
あと、別の方向に発想を切り替えているヤツは……冷たい目で見られているな。
「グギャギャギャギャ……」
さて、どうしよっかなー。
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ブラックマーケット
名前が白黒反転したことによって、迷宮の姿は本来あるべきものを取り戻した。
魔物たちは悪意を持ち、侵入者たちの迎撃に向かう。
「──そしてここは類を見ない、プレイヤーまでもが防衛戦力として見られる場所だ。本当、面白い場所だな」
「はい。大きな括りで見れば主様も同じようなことを成されておりますが、特定の迷宮では行っていませんので」
「そうだなぁ、迷宮の維持を餌とした労働の強要……実に考えられている。あれだな──生物の共存、利害の一致ってヤツだ」
祈念者たちは装飾具を装備することで、一時的に魔物から襲われなくなる。
そして侵入者を上手く迎撃できれば、報酬まで与えられるのだ。
だからこそ、迷宮核の在る部屋を含めて全三階層なんて構造でもやっていける。
祈念者たちが自主的に防衛に回るので、過剰な戦力を注がなくてもいいわけだしな。
「ちなみに裏切ったら制裁があるみたいだ。装飾具に結構な呪いが盛られているぞ」
「解呪はできないのですか?」
「……呪いって言うのはちょっと違ったな。迷宮のシステムで作られた、非侵入者認定の仮登録みたいなものだ。インスタントキーみたいなモノな分、反逆行為を行った瞬間に殺されるみたいだ……同朋からもな」
「たしかに、そのようなシステムがございましたね。主様が条件を満たしておらず、これまでは存在しておりませんでしたが」
……どうやらうちでの採用は、できなかったようだ。
まあ、膨大な量のDPがあるので、わざわざ祈念者に頼らずとも問題ないけどな。
『いたぞ、侵入者だ!』『殺せ! そしたら報酬は山分けだぞ!』『いや、俺が行く! そしたらMVP賞は俺の物だ!』
「──などと言われていますが……主様、どうなさいますか?」
「そうだな……レン、面白そうだしちょっと本気を出してやってくれ」
「畏まりました──“簡易領域”構築開始、“領域侵略”を実行します」
レンに与えた指輪を飾る中石は迷宮核であり、魔力を籠めることで辺りに干渉し、簡易的な迷宮を構築することができる。
たとえそれが他者の迷宮内であろうと……魔力量が多ければ、侵略可能だ。
「どうだ?」
「相手は祈念者、迷宮核を成長させられたとしても意志は宿せていないのでしょう。抵抗はされておりますが、『創宮』は順調です」
「けど、一定領域まで広げるのは時間が掛かりそうだな……よし、俺の出番か」
縛りの影響で魔子鬼ではあるが、ある程度戦闘することはできる。
ただし人が使うような武器は使えないし、魔法は完全に使用不可能。
なので現在使っているのは、魔子鬼サイズの棍棒である。
レンの前に立ちはだかると、祈念者と迷宮の魔物たちに向けて笑みを浮かべておく。
『うわっ、デミゴブリンかよ……あんまり報酬多くなさそうだな』『てゆーかアイツ、デミゴブリン使役してんのかよ。気持ちワリー趣味してんなー』『まあ、どうせ雑魚だし、サクッと殺しますか!』
「言語を魔子鬼語にして……グギャギャ!」
『やっぱ何言ってんか分かんねぇな』『まあなんでもいいんじゃね、どうせ死ぬんだし』『それもそっか……じゃあ、一番槍は俺がやらせてもらう!』『うわっ、ズル!』
「ギャギャギャギャッ!」
一番槍とか言っていた祈念者が、風魔法で速度を高めて突っ込んでくる。
それなりに速いわけだし、魔子鬼が相手ならイチコロだろうな。
「喰らえ──“疾風チャ……」
「ギャッ!」
「ぐはぁあ!」
『──ッ!?』
遠くで見ていた祈念者たちが、息を呑んでいる気がする。
一番槍君は粒子となりかけて、魔子鬼の前に倒れ伏しているし。
まあ、祈念者相手に魔子鬼が、武技を躱して反撃……しかも一撃なんて様子を見れば、そりゃそうだろうとも思うけど。
「ギャギャギャギャギャッ!」
《あの、主様……もしかして素ですか?》
《違うからな!? そりゃあ、ちょっと面がイケてるなとか思ったけど、ちゃんと加減して気絶させたからな!》
一番槍君は誰かが蘇生魔法を施したのか、ギリギリ踏み止まったようだ。
しかし気絶中なので、俺の足元でぐったりとしている。
《そうでしたか。侵略率40%を超えましたので、援護が可能となりました。何か、用意しますか?》
《なら、縄と磔用の支えをくれ。それで少し遊んでみようかなって……》
《承りました──『縄:1』と『磔台(木):2』を召喚します》
「グギャギャギャギャ!」
用意された縄と磔台を使って、倒れている一番槍君を縛り上げる。
そして……とりあえず服を脱がしておく。
『うわぁ……』『可哀想……』『というか、あんなことするなんて、いったいどんな教育受けてんだか』『けど、結構……良い体してない?』『ハァハァ……』『あっ、もしかして女相手でも』『『『…………ッ!』』』
顔がイケているだけじゃなく、体付きまでいいとは……脱がして損をした気がする。
ちなみに祈念者なので、服を脱がされたら自動的に下着だけは装備されているな。
それでも一部の者たちは荒い息を吐き、何かに興奮していた。
あと、別の方向に発想を切り替えているヤツは……冷たい目で見られているな。
「グギャギャギャギャ……」
さて、どうしよっかなー。
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