AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者とレイドラリー前篇 その07
連続更新中です(11/12)
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「PvPならやらないぞ……で、何が言いたいんだ? あっ、一人ひとり来られると面倒だし、同じような話題なら代表者を出してくれよ。面倒だし」
「二回言いやがったな……」
「ふーはっはっはっ。文句を言うだけの実力があるのかね?」
「……いつか絶対、斬り伏せてやるからな」
猟奇的な台詞を残し、アストレアは他の者たちと何を言うか話し始める。
やることが無くなった俺は、ちょうど近くに置かれていた浮遊する結晶に触れ、交換できる景品を調べてみた。
「はあ、欠片が十個で宝珠になると……運がいいってのはありえないから、たぶん初回討伐ボーナスってところか」
ボスの素材は欠片を、加工済みの装備品や魔道具は宝珠と交換になるみたいだ。
あと、スキルとも交換できるみたいだ……宝珠一個で(魔子鬼召喚)と交換できるぞ。
「あとは[ヘルプ]で情報の詮索を……まだ掛かりそうだし」
そんな話したいことがあるのかよ、と思うのだが仕方が無いとも思う。
ナックルとアヤメさんには説明したが、ほとんどのヤツはナックルのカリスマ性に任せて説明皆無だからな。
溜まりに溜まった不満が、リーダーを奪われたことで爆発したのだろう。
身代わりに使った俺が完全に悪いし、この場に俺を庇ってくれる弁護人もいない……全員一致で有罪だ。
「へえ、アイテムをドロップするのはあくまで一日一回限りなのか。現実世界での一日だから、最大で獲得できるのは七個か……これはイベント後も使える施設になりそうだな」
よくあるプレオープン──お披露目という名目なのだろう。
ここは特別な場所なので、まだ調整はいくばくか必要になるかも知れない……それでも完成すれば、いい練習場になる。
「一日で全部を巡れるわけでもない。まずは場所の確保が大事になるか……全プレイヤーで条件を満たすと施設が出来上がる? ずいぶんと面白そうなシステムなんだな」
「──い」
「結晶の条件は一つ解放すること、他には欠片を集めたり複数の場所を解放するのか……さすがに独りでやるのは難しい──」
「おい、聞けよ!」
代表者が決まったのか、再びアストレアがこちらに向かって叫んでいた。
少し興味深い内容だったからか、全然気づかなかったな。
「はいはい、お待たせお待たせ……って、お前独りなのか」
「どうせ二人以上居ても、なんにも聞けねぇだろうから俺が全部訊くことになった」
「方法は?」
「……じゃんけんだよ」
リーダーが居ないため、じゃんけんに負けてしまったのか。
そんな負け組に憐憫する視線を向けていると、炎を纏った斬撃が振り下ろされる。
「っと、危ないな。おいおい、いきなり殺る気満々かよ」
「その目を止めろ。なんか物凄く腹が立つんだよ、それ」
「……誰かが手を加えたみたいだな。能力は便利と言っていたが、やっぱり能力値の補正は満足できなかったのか?」
「そうじゃなくてな、火力が欲しくなったんだよ。これ、わざとセーブしてあったみたいじゃねぇか」
俺がプレゼントした『紅剣ルージュ』の剣身をチラつかせ、そう訊ねてきた。
この剣は使用者の魔力を吸い上げて炎を生みだし、それを剣に纏わせる──シンプルだが、それゆえに活用性が高い魔具だ。
「やる気が無かったからな。適当なイメージだけで打ち上げた作品だし、そこまで強い素材を使ったわけじゃない。それで、どういう風に改良してもらったんだ?」
「……さっき言った通り、火力を上げたんだよ。あとは指向性を付けた」
「ちょっと借りるぞ……へぇ、これをやったヤツもいい腕をしているな。メタラルさんのやったことじゃないだろう? もしかして、別大陸の技術か」
「見て分かるのか。ああ、お前のせいで行くことになった場所でな──」
何か言っているようだが、ギーの現身たる『模宝玉』に強化された魔具の情報をコピーしておく。
うん、よくもまあ、隠し機能を見つけたと称賛するべきだな。
「──って、おい聞いてんのかよ」
「ああ、はいはい聞いてる聞いてるって。素晴らしい冒険譚でした」
「全然聞いてねぇじゃねぇか! さっきの話のどこに、冒険があったんだよ!」
「うん、イイハナシダナー。それで、結局何が言いたかったんだ?」
再び剣を振ってくる……と思ったのだが、片手でそれを抑えている。
精神の葛藤的なヤツか? まあ、最後にはしっかり鞘に納めてくれたからいいけど。
「……まず、俺たちは強くなりたい」
「別大陸に居れば、否が応でも強くなっているはずだろ?」
「それじゃあ足りないんだよ。もっと、お前の眷属になったヤツぐらい強くなりたい」
「ずいぶんと高い評価をしてくれるんだな。まあ、今の眷属って能力補正がほとんどないから……その気になれば、実力がある奴なら誰でも勝つことができるはずだぞ」
どうして眷属を基準に強くなりたいのかは分からないが、ユウとアルカが無意識で焚きつけたということで納得しておく。
ただまあ、無敗の眷属は自由民の眷属だけなので、祈念者の眷属は負けることもある。
「上には上が居る、さすがに『超越種』とかが相手で勝てると思うか?」
「……そもそもそんな相手を、最低のラインにするなよ」
「まず徒党を組めば余裕だが、そういうことじゃないんだろう? アルカは例外として、他の奴らはスキル以外の要素で補えば勝てる可能性がある。今度、そういうことができる場所でも造ってやるよ」
「……そうかよ」
代金はナックルの方に回しておこう。
これで一つ目はクリアか、さて次のお悩みはなんでしょうか?
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「PvPならやらないぞ……で、何が言いたいんだ? あっ、一人ひとり来られると面倒だし、同じような話題なら代表者を出してくれよ。面倒だし」
「二回言いやがったな……」
「ふーはっはっはっ。文句を言うだけの実力があるのかね?」
「……いつか絶対、斬り伏せてやるからな」
猟奇的な台詞を残し、アストレアは他の者たちと何を言うか話し始める。
やることが無くなった俺は、ちょうど近くに置かれていた浮遊する結晶に触れ、交換できる景品を調べてみた。
「はあ、欠片が十個で宝珠になると……運がいいってのはありえないから、たぶん初回討伐ボーナスってところか」
ボスの素材は欠片を、加工済みの装備品や魔道具は宝珠と交換になるみたいだ。
あと、スキルとも交換できるみたいだ……宝珠一個で(魔子鬼召喚)と交換できるぞ。
「あとは[ヘルプ]で情報の詮索を……まだ掛かりそうだし」
そんな話したいことがあるのかよ、と思うのだが仕方が無いとも思う。
ナックルとアヤメさんには説明したが、ほとんどのヤツはナックルのカリスマ性に任せて説明皆無だからな。
溜まりに溜まった不満が、リーダーを奪われたことで爆発したのだろう。
身代わりに使った俺が完全に悪いし、この場に俺を庇ってくれる弁護人もいない……全員一致で有罪だ。
「へえ、アイテムをドロップするのはあくまで一日一回限りなのか。現実世界での一日だから、最大で獲得できるのは七個か……これはイベント後も使える施設になりそうだな」
よくあるプレオープン──お披露目という名目なのだろう。
ここは特別な場所なので、まだ調整はいくばくか必要になるかも知れない……それでも完成すれば、いい練習場になる。
「一日で全部を巡れるわけでもない。まずは場所の確保が大事になるか……全プレイヤーで条件を満たすと施設が出来上がる? ずいぶんと面白そうなシステムなんだな」
「──い」
「結晶の条件は一つ解放すること、他には欠片を集めたり複数の場所を解放するのか……さすがに独りでやるのは難しい──」
「おい、聞けよ!」
代表者が決まったのか、再びアストレアがこちらに向かって叫んでいた。
少し興味深い内容だったからか、全然気づかなかったな。
「はいはい、お待たせお待たせ……って、お前独りなのか」
「どうせ二人以上居ても、なんにも聞けねぇだろうから俺が全部訊くことになった」
「方法は?」
「……じゃんけんだよ」
リーダーが居ないため、じゃんけんに負けてしまったのか。
そんな負け組に憐憫する視線を向けていると、炎を纏った斬撃が振り下ろされる。
「っと、危ないな。おいおい、いきなり殺る気満々かよ」
「その目を止めろ。なんか物凄く腹が立つんだよ、それ」
「……誰かが手を加えたみたいだな。能力は便利と言っていたが、やっぱり能力値の補正は満足できなかったのか?」
「そうじゃなくてな、火力が欲しくなったんだよ。これ、わざとセーブしてあったみたいじゃねぇか」
俺がプレゼントした『紅剣ルージュ』の剣身をチラつかせ、そう訊ねてきた。
この剣は使用者の魔力を吸い上げて炎を生みだし、それを剣に纏わせる──シンプルだが、それゆえに活用性が高い魔具だ。
「やる気が無かったからな。適当なイメージだけで打ち上げた作品だし、そこまで強い素材を使ったわけじゃない。それで、どういう風に改良してもらったんだ?」
「……さっき言った通り、火力を上げたんだよ。あとは指向性を付けた」
「ちょっと借りるぞ……へぇ、これをやったヤツもいい腕をしているな。メタラルさんのやったことじゃないだろう? もしかして、別大陸の技術か」
「見て分かるのか。ああ、お前のせいで行くことになった場所でな──」
何か言っているようだが、ギーの現身たる『模宝玉』に強化された魔具の情報をコピーしておく。
うん、よくもまあ、隠し機能を見つけたと称賛するべきだな。
「──って、おい聞いてんのかよ」
「ああ、はいはい聞いてる聞いてるって。素晴らしい冒険譚でした」
「全然聞いてねぇじゃねぇか! さっきの話のどこに、冒険があったんだよ!」
「うん、イイハナシダナー。それで、結局何が言いたかったんだ?」
再び剣を振ってくる……と思ったのだが、片手でそれを抑えている。
精神の葛藤的なヤツか? まあ、最後にはしっかり鞘に納めてくれたからいいけど。
「……まず、俺たちは強くなりたい」
「別大陸に居れば、否が応でも強くなっているはずだろ?」
「それじゃあ足りないんだよ。もっと、お前の眷属になったヤツぐらい強くなりたい」
「ずいぶんと高い評価をしてくれるんだな。まあ、今の眷属って能力補正がほとんどないから……その気になれば、実力がある奴なら誰でも勝つことができるはずだぞ」
どうして眷属を基準に強くなりたいのかは分からないが、ユウとアルカが無意識で焚きつけたということで納得しておく。
ただまあ、無敗の眷属は自由民の眷属だけなので、祈念者の眷属は負けることもある。
「上には上が居る、さすがに『超越種』とかが相手で勝てると思うか?」
「……そもそもそんな相手を、最低のラインにするなよ」
「まず徒党を組めば余裕だが、そういうことじゃないんだろう? アルカは例外として、他の奴らはスキル以外の要素で補えば勝てる可能性がある。今度、そういうことができる場所でも造ってやるよ」
「……そうかよ」
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