AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者と従魔特訓 前篇
第一世界 リーン
アンが俺の部屋でナニをするのかがいろいろ心配だが、メリハリは付けられる娘だと信じて、イアの下へ向かう。
目的地は祈念者の眷属用に建てられた、大き目な屋敷である。
《そろそろ着くぞ》
《了解。屋敷の庭で紅茶を啜っているわ》
《分かった》
居場所を探ってみると、本人の行った通り屋敷の庭の辺りに反応があった。
すぐにそこへ向かってみると──そこではイアが紅茶を啜り、彼女の従魔たちが揃っている光景を見ることができる。
「待っていたわよ、メルス」
「はいはい、ようこそいらっしゃい。さっそくだが、ご用件を聞こうじゃないか」
「シンプルで助かるわ。けど、いちおうの前振りは知っておいてほしいの」
すでに回復させたようだが、従魔たちもそれなりにダメージを負っていたらしい。
なんでも、PKギルドがイアを狙って狩りに来たんだとか。
「ずいぶんとまあ、強い相手だったんだな。魔本を持っているイアは、普通よりも召喚できる魔物の数は多いはずだろ」
「……レイドボス扱いだったのよ」
「そりゃあまあ、多勢に無勢ってか」
「従魔系の職業の利点は数。けど、それを超える数で挑まれたら不利なのよ。二、三パーティーならともかく、さすがにレイド戦を想定されるとね」
そういう想定をされても、まあおかしくないといえばおかしくない。
なぜなら俺自身がかつてのイベントで、魔物を生みだして祈念者の大半を殲滅したことがあるからだ。
経験があるのだから、対策を施す。
それに、イアはランカーという祈念者の中でも上位の存在として有名なんだし……目を付けたからには、徹底した方法で倒そうとしてくるだろう。
「それで、俺は何をすればいい?」
「あんたに、ってわけじゃないわ。眷属の人と戦わせてほしいのよ。集団戦闘の作戦を考えるのもいいけど、まずはこの子たちが緊急時に自分なりの方法で対応できるようにすることが重要だから」
「眷属は多種多様だからな。まあ、暇そうにしている奴も多少は居るし、召喚獣全員の望むスタイルを提供できるとは思わないが……それなりに役に立てるとは思う」
「やってもらえるかしら?」
イアの使役する召喚獣、いつの間にか数十体を超えているからな。
暇な眷属の数と比べると、こちらの方が数が多いので確証が持てない。
──だが、とりあえずやってみなければ結果はよくならないだろう。
□ ◆ □ ◆ □
《──まあ、そんなわけだから。アン、そっちの方で『王闘技場』に修練場でやっている奴らを移動させておいてくれ》
《分かりました。メルス様、伝言などはあるでしょうか?》
《うーん……頼む、と言っておいてくれ。イアはプレイヤーだが、眷属だからな》
《では、そのように》
□ ◆ □ ◆ □
アンにそう連絡しておいてから、イアを連れて第四世界にある『王闘技場』へ向かう。
迷宮としての機能によって、どれだけ壊してもそれに見合うだけのエネルギー消費があれば元に戻すことができるからだな。
「さて、集まってもらった理由はすでに訊いているな?」
「強くなる手伝いをすればいいんだろう? 早く闘わせてくれよ!」
「おいおい、クールになってくれよ」
戦闘狂な機人を瞬間的に凍結させ、冷静にさせてから話を戻す。
「あの竜人の祈念者──イアは召喚系の従魔職業の持ち主だ。本人は眷属の恩恵である程度戦えるが、どうやら従魔の方が遭遇した勢力に数で負けたらしい……そんなわけで、鍛えることになった」
「我が王、どの程度まで鍛えますか?」
「召喚獣は死んでも主が魂魄を回収できれば何度でも蘇る。魂魄を外に出さない設定にしておくから、こっちは遠慮せずに自分なりの鍛え方で育ててくれ」
「仰せのままに」
青色の騎士はコクリと頷き、自分にできることを考え始める。
扱える武具種はそれなりに多いのだが、やはり召喚獣は武器よりも己の体や魔力関係の技術で戦うことが多いからな。
「朕は教えることに長けてはおらぬぞ」
「こういうことは武術も料理も同じだろ。教えることで、自分もより深く理解できる。ただ、今回はルビ……あの竜を頼む」
「ふむ、次代の育成をした経験はあまりないのだが……やるだけやってみよう」
劉の英霊も大仰に腕を組んで頷き、さっそくルビの下へ向かった。
フィレルのことはイアも生命最強決定戦で観ているだろうし、なぜそこへ向かうのかも納得されると思う。
「アン、なぜにアイツらなんだ? 気のせいか、物凄く見覚えのあるメンバーだぞ」
「英雄姉妹の戦闘訓練を依頼したメンバーですね。チャル様は闘いだから、ドゥル様はメルス様の指示だから、シュリュ様は頼むという伝言をお伝えしたら動きました」
「シュリュだけかよ……」
「いいえ、あくまで彼女たちは第一陣というだけです。イア様のご都合はどの程度まで取れるのでしょうか?」
イアからも、鍛えるために時間は惜しまないと言わていた。
まあ、俺も時空魔法で速度を調整しておくので、特訓の時間は充分にある。
「──ぐらいらしいぞ」
「では、眷属を日ごとに分けてこちらへ向かわせましょう。数が多すぎると、切磋琢磨しあう相手がいなくなってしまいます」
「そうだな……じゃあ、残りは俺の方で補うとしよう」
そういって、俺もまた準備を行う。
開くは黒き魔本、そこに記されし名は──
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