AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者と自己紹介 その18
夢現空間 居間
「第十八回自己紹介タイム、今回のゲストはこのお方──」
「どうも、ユラルだよ! 終焉の島に封じられた人の中で、最速の登場だ!」
「はい、説明乙でございます」
ぼっち聖霊だったというのに、どうしてここまで明るくいられるんだろうか。
たまに俺が疲れたとき、ユラルはそうして明るく接してくれたな。
俺がなかなか召喚しないというのに、まあ優しい契約聖霊だよ。
「それじゃあ、始めるとするか」
「おー!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「問01:あなたの名前は?」
「ユラルだよ」
「問02:性別、出身地、生年月日は?」
「女性型で、精霊界、神暦──年5月4日だよ(年には本人の希望により、修正が掛かっています)」
「精霊界って、どんな場所なんだ?」
「ある程度区分けされたエリア内に、同じ属性の精霊たちがいっぱいいるんだよ。聖霊はそのエリアを守る最終防衛線だね」
「問03:自分の身体特徴を描写してください」
「基本半透明で、髪の毛はゆるふわ? で若葉色をしてるよ」
「問04:あなたの職業は?」
「聖樹使いだね」
「……何、このまま世界樹までコントロールする気か?」
「それもいいかもしれないね」
「問05:自分の性格をできるだけ客観的に描写してください」
「うーん……ノリがいい、かな?」
「問06:あなたの趣味、特技は?」
「植物栽培だよ」
「問07:座右の銘は?」
「山精木魅、山や木の精霊たちを統べれるようになりたいな」
「問08:自分の長所・短所は?」
「長所はノリがいいこと、短所は……独り慣れしすぎたことかな?」
「安心しろ、うちにはそんな奴ばっかりだから短所じゃない」
「問09:好き・嫌いなもの/ことは?」
「好きなのも嫌いなのも樹木だね。嫌いなのは一種類だけだけど」
「問10:ストレスの解消法は?」
「植物栽培だね」
「問11:尊敬している人は?」
「メルスンもそうだけど、タリアンも凄いと思うよ」
「……ああ、リアか。なんでだ?」
「たぶんタリアンが話してくれると思うよ」
「問12:何かこだわりがあるもの/ことがあるならどうぞ」
「品種改良かな? クエラムンに時々頼んでやってもらってるね」
「問13:この世で一番大切なものは?」
「初めてできた契約者、追放された私を救ってくれた大切な人だよ」
「……おふっ」
「問14:あなたの信念は?」
「これからの聖霊ライフは、契約者とともにいることかな?」
「問15:癖があったら教えてください」
「みんなを呼ぶ時、親しい人は最後に『ん』が付くこと」
「問16:ボケですか? ツッコミですか?」
「メルスン以外にはボケだけど、メルスンはボケしかしないからツッコミだね」
「問17:一番嬉しかったことは?」
「初めて契約者ができたとき」
「問18:一番困ったことは?」
「契約者が全然精霊に関わることに興味を持たないし、持ったと思えば禁忌に近いことをしようとしていることかな?」
「ちょ、ちょっとだからだからさ」
「問19:お酒、飲めますか? また、もし好きなお酒の銘柄があればそれもどうぞ」
「特製の樹木を浸けたリキュール、甘くて美味しいんだよ」
「そういえば、酒を飲む松の木ってのが地球にあったな」
「問20:自分を動物に例えると?」
「動物っていうか、もう植物だよね」
「問21:あだ名、もしくは『陰で自分はこう呼ばれてるらしい』というのがあればどうぞ」
「特に、ないかな? むしろ、こっちが付ける側だし」
「問22:自分の中で反省しなければならない行動があればどうぞ」
「私が最初に戦いたいって言ってから、みんな外で狩りをするようになったんだよね。荒れ以降、暇な時間が減ったというか……」
「嬉々として外にサンプルを取りに行っていた奴が何を言ってるんだか」
「問23:あなたの野望、もしくは夢について一言」
「世界樹にも負けない、新しい神樹を生みだすこと」
「問24:自分の人生、どう思いますか?」
「最初は寂しかったけど……今は、みんながいるから楽しいな」
「問25:戻ってやり直したい過去があればどうぞ」
「ううん。【神樹支配】があって、メルスンと契約したからこそ、今があるんだし……やり直したいってことはないよ」
「問26:あと一週間で世界が無くなるとしたらどうしますか?」
「世界樹自体は、一種の世界を内包しているみたいだし……私が新しい神樹を創って、そこで二人で過ごしてみる?」
「他のみんなもな」
「問27:何か悩み事はありますか?」
「精霊には興味を持ってくれるけど、なかなか契約者が私自身を使ってくれないこと」
「オーバースペックなんだもん」
「問28:死にたいと思ったことはありますか?
」
「一時期、あの島で思ったかな?」
「問29:生まれ変わるなら何に(どんな人に)なりたい?」
「普通の精霊として、メルスンと契約してみたかったかも」
「問30:理想の死に方があればどうぞ」
「聖霊はある意味で死なないし、もしそうなら契約者のためになる死に方で」
「問31:何でもいいし誰にでもいいので、何か言いたいことがあればどうぞ」
「私は貴方が、メルスンが契約者で良かったよ。メルスンみたいな人だからこそ、肩肘張らずにやってこれた。自分の意志で、率先して動く意味を知れた」
「問32:最後に何か一言」
「ありがとうね、メルスン」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はいカッt──」
「お疲れ様……大好きだよ、メルスン」
「トブゥ! ちょ、不意打ちは止めろよ!」
てっきり最後の一言で言われると思って身構えてたのに、まさかの終了後に言われるとは……完敗だ。
スキルによる表情の偽装も間に合わず、完全に素の俺が照れた瞬間を見られてしまう。
この後俺も負けじとユラルを褒め続け、他の眷属が来る頃には二人で顔を真っ赤にしていたよ。
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