AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者と『永劫の眠り姫』 その09
『……やぁ、さっきぶりだね。改めまして、ぼくがターリア=ペロー。今まで通り、僕のことはリアって呼んでね』
「俺はメルス……そうだな、お前の【希望】として、お前に尽くす騎士って奴かな?」
『それ、自分で言ってて恥ずかしいと思わないのかい?』
「……恥ずかしいな」
目を覚ました俺達は、そんな会話をしていた。……うん、ノリで言ったとはいえ、そういったセリフは、主人公様が言うものだ。俺みたいな偽善者には無縁なものだったな。
とにかく、なんやかんやでリアは無事戻って来ることができた(なんでも、明晰夢が可能になった時から、起きることも可能になっていたみたいだ……ならさっさと起きろよ)。
『……酷く古びているね。ぼくが眠る前の城は、メルスに見せたあれくらい綺麗だったんだけどね』
今まで眠っていたからかそのギャップに関して、未だにベットの中にいるままリアがそう言ってくる。まぁ、確かに綺麗だったな。茨が巻き付いていた所為なのか、至る所にある罅なんて物も、全然無かったしな。
「なら、少し掃除してくるよ。丁度眷属化をした後の待ち時間を、どうしようか考えていたしな」
『……なら、ぜひ頼ませて貰うよ』
俺の色事事情については、あの後説明をした。……ジト目を貰ったが、眷属化については納得して貰った。
眷属化を行ったので、折角目覚めたリアはまた、再び意識をこの場所とは違う場所へと飛ばして行くのであった(証は背中に刻むことになった)。
さて、という訳で早速掃除を開始しよう。
基本的に、不器用な俺はスキルに頼って行く訳であるが、種類が多すぎて少し迷う――
・状態を遡り戻す……(時空魔法)
・掃除のお供にこの魔法……(生活魔法)
・イメージを書き換える……(具現魔法)
・昔作った……"ル○バ"
・面倒な事はお任せ……"不可視の手"
・環境を支配する……(領域支配)
・数は力なり……{多重存在}
・壁の修復はお任せ……(大地魔法)
――[スキル共有]を使えば、(家事術)等のスキルも借りれられる。はてさて、一体何を使えば良いのやら。
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結局全部使いました。レベリングにもなるし、よくよく考えたら全部を同時に行うこともできるしな。
俺は掃除を行いながら、今回入手したスキルの詳細を確かめていた。色々と確認しておかないといけない物ばかりだったしな。
レッツチェックだ――
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身体:(心意強化LvMAX)
説明:自身の心の意力を強化する
Lvが上昇する事で、強化率が上昇する
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……はい、来ましたLvMAXッ!!
そう、リアの夢の世界に居座るのにどれだけ苦労したかが目に視えます。
(精神強化)の方もLvMAXになっているし、さすがLv120の強者が行う精神攻撃(物理?)だ。
さてお次は、そんなLv120の秘密です――
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その他:(種族限界突破Lv-)
説明:種族の限界値を超えた者が持つスキル
これを持つ者は種族LvがMAXにならない
ただし、種族スキルのLvの限界は変わらない
〔称号『超越者』を入手する〕
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リアは普人族の限界を超えた、超人族だったのだ。……なんか、バトル物みたいだな。
『超越者』か~。称号効果があるのか気になるから、少し間を開けてから確認してみることにしようか。
さて、次はこちら――
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【怠惰】:【深強睡眠Lv-】
説明:睡眠で自らを強くできるスキル
眠る前に起きた事柄を深く理解し、それを経験として肉体に取り込める
Lvが上昇することで、理解度が深まる
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【怠惰】に統合された【深強睡眠】だ。
【睡眠学習】と【睡眠成長】を模倣できなかったアンが、代わりに創ったスキルだぞ。 攻撃に対する耐性は習得できないし、能力値にも補正も入らないが、どこかの強化睡眠能力者のようなことができるらしい。
【完全記憶】を持つ俺には、丁度良いスキルだな。
……さて、ここからが問題だ――
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技能:(雷雲操作Lv1)
説明:MPを消費することで、雷や雲を操作することができる
Lvが上昇することで、発動効率や生成量が増える
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技能:(愚物生成Lv1)
説明:APを消費することで、魔物を生成できる
ただし、INTが1以上にならない
Lvが上昇することで発動効率や生成量が増加して、生成した魔物が持つステータスが向上する
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『運命略奪』が発動したことによって、魔女から奪ったスキルだ。
(雷雲操作)はその名の通り、雷や雲を操るスキルだ。……うん、これ以上の説明が思いつかない。使うとしたら結構便利なんだよ。だけど、名が体を表し過ぎて説明のしようが無いんだよ。
(愚物生成)は、魔物が創れるスキルだ。 INTが0なので魔法が使える魔物は無理なのだが、その所為か初期の生成MPも少ない。
これからは、俺の世界の魔物は全部これで創ることにしようか。効率が良いしな(INTがゼロなのか意識が無い。罪悪感も生まれないから、子供達に外の世界の魔物について教える時にもちょうど良いな)。
……一番の問題スキル。それがこれだ――
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その他:(特殊因子:マレフィセントLv-)
説明:魔龍マレフィセントを特殊条件下で倒すことにより入手できる因子
マレフィセントの持つ全スキルが使える
ただしこの因子を使う時、他の因子を使用することはできない
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薄氷を踏む思いで戦った、あの魔龍の力が使えるようになる。先程説明したスキルも、戦闘中に使われた時にかなり苦戦した。今回勝てたのは、スキルによる物が大きかった。
今回使った(異端種化)がステータスを魔龍のものに近付けてくれたので、大量のスキルで押しつぶすことでなんとか最後の状況まで追い込むことができた。
だが、リスクの方も大きかった……かな?
現在、俺のステータスは100分の1まで弱体化している。だけど、元々俺のステータスは運営によって0倍にされているので、意味は無かったんだよ……ノーリスクで使えるスキルというのは、良い物だよな(筋肉痛も起こっているのだが、ユラルの(聖霊化)を使って無効化した。霊体に筋肉って無いしな)。
閑話休題
それにしても、『運命略奪』は本当に凄すぎないか? スキルは奪うし、欠片とやらを奪うし、他人の運命を奪えるし。
呪いの解除権も奪えたので、リアに掛けられていた呪いは解除しておいた。これで、リアは自由の身になれた。あとは、リアの国を探すだけだな。
……おっと、少し時間の掛かりそうな部分が。これは意識を割いて作業した方が良いっかな? 俺は城を本格的に掃除する為、意識を掃除に割いていった。
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