AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
04-17 撲滅イベント前哨戦 その09
「受けてみよ──『竜軍行列』!」
ノリに乗って発動させた、魔法のシステムから外れたオリジナルの魔法。
先ほどと似たような発動法で、思考詠唱や並列・高速思考スキルを用いて起動させた。
意思を持たない大量の竜族たちが飛び交うその光景は、さながら地獄絵図である。
なぜなら祈念者にとって、竜とはまだ敵わないレイドモンスターの立ち位置だからだ。
ちなみに、竜族は魔物として扱われる。
祈念者が初期に選べる『竜人族』とは、竜族が人の姿で人族と交わって誕生する種族らしい……と教室で誰かが言ってたっけ?
まあ、確信は無い情報はさておき、ハーフである竜人族ですら能力値が高いのだ。
今回俺が召喚した竜たちもまた、それなりに強いはず──
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名前:無し
種族:天使竜Lv50[創造魔物]
活動:全般 反応:能動 強さ:格下
属性:天使 耐性:火・水・風・土・光
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名前:無し
種族:悪魔竜Lv50[創造魔物]
活動:全般 反応:能動 強さ:格下
属性:悪魔 耐性:火・水・風・土・闇
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名前:無し
種族:血竜Lv50[創造魔物]
活動:全般 反応:能動 強さ:格下
属性:血 耐性:物理[無効]
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名前:無し
種族:妖精竜Lv50[創造魔物]
活動:全般 反応:受動 強さ:格下
属性:妖精 耐性:魔力[全般]
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名前:無し
種族:死霊竜Lv50[創造魔物]
活動:全般 反応:受動 強さ:格下
属性:死霊・不死 耐性:物理[無効]
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翼が白い羽毛な白竜、蝙蝠みたいな黒竜、やや液体チックで歯が鋭い赤竜、翼が羽ではなく翅なミニマムサイズの小竜、体が半分透けている成竜……計五種類。
超級鑑定スキルを使えば、[ステータス]で表示されるものとほぼ同一まで、情報を開示できる……が、今回は上級スキルと同じレベルの情報量だ。
これだけでも分かる、彼らの強さ。
人族のレベル50と竜族のレベル50は地の力が違っているのだから、能力値を比べてしまえばその差は歴然となる。
──なお、彼らはすべて新種だ。
前に同じように試した時、それは判明しているからな……つまり、事前情報がゼロの相手をしなければならないわけである。
「これが……お前の本当の力なのか。ならばこっちも、全力で応えよう!!」
「ふっ……」
肯定しづらい問いなので、沈黙を貫く。
俺はそんなに野暮ではない……彼らが強大な竜たちを相手にどう戦うのか、ぜひとも後学のために拝見させてもらおう。
「──“聖拳顕現”、“聖気拳纏”!」
「──“軍扇顕現”、“龍虎闘気”!」
「──“聖剣顕現”、“聖気剣纏”!」
三者三様、異なる言葉を唱える。
一つ目の言葉は強大なエネルギーが宿った武装を、彼らにもたらす。
二つ目の言葉はそれらの武装へ、清らかなオーラや荒ぶる獣たちの力が宿っていく。
全員が固有職の能力を発動する。
それが彼らで言うところの、本気に該当しているのだろう。
「ふっ、ふはははっ! まさか、そのような切り札を隠しているとはな! いいぞ、面白いではないか! やれるものならやってみせよ──全力で迎え撃とう!!」
……とはいえ、ただ見ているだけで暇なんだがな。
彼らはそれから、破竹の勢いで竜たちとの死闘を繰り広げた。
時に武技を、装備の能力を、固有能力を駆使してドラゴンを倒す。
コンビネーション、ヒット&アウェイなどなど、ボッ……ソロプレイの俺ではあまりやらない行動を以って、血と妖精と死霊の竜を見事打ち倒していた。
倒された竜たちは色物な部分もあったし、実際彼らも上手く弱点を突いていた。
というか、あまり生命力は多くなかったからな……当てられれば終わりという感じだ。
しかし、残った天使と悪魔の竜は違う。
相反する存在ではあるが、俺が【天魔】だからかしっかりと共闘をしている。
互いに弱点となる行動を受けそうになれば庇い、回復を掛けたりとかなり賢い。
その結果、竜たちの生命力は瀕死状態……代わりに祈念者三人もあと一割ほどである。
「こうなったら……アレしかないな」
「アレ……とはなんじゃ? アストレア、お主は聞かされておるか?」
「……どうせ思い付きだろ。あの病気みたいに、リーダーっぽくないことを時々やっているじゃねぇか」
「──全員の力を合わせて、合体技を使うんだ! やるぞ、二人とも!!」
立派に成人している大人が、いったい何を言いだすかと思えば……最高じゃねぇか!
ロマン、それは男の夢──人の夢と割り切ろうと、受け継がれし永遠の幻想。
「なるほど……仕方ない。どぉれ、儂も張り切ってやろうかのぅ!」
「チッ、やってやるしかねぇみたいだな!」
「さすがは頼れる仲間たち……行くぞ!」
嗚呼、ならば相応の状況を生みだそう。
いったいどうなるのか……ふむ、とても楽しみである。
創造者の権限のようなものを使い、竜たちに息吹を吐くように指示を出す。
ビクッと一瞬震えると、彼らは大きく息を吸って発射準備に入る。
三人もそれを見て、より覚悟を決めた。
極限まで漲る彼らの身力エネルギー、そしてそれは武具へ籠められていく。
竜たちが息吹を吐きだしたその瞬間、彼らの最大火力である必殺技が解き放たれた──
『『グォオオオオオオン!』』
「──“聖拳崩撃”!」
「──“芭蕉扇”」
「──“聖剣万斬”」
「うぉおお、うぉおおおおおお! 凄い、やればできるじゃないか!!」
眩い純白の白光と強力な突風、それらは竜たちの吐きだす光の柱とぶつかり合う。
それはゆっくりと前へ進んでいき……やがては竜たちの下へ到達し──消滅させる。
素晴らしきかな、合体技。
合格、マジで合格だよ『ユニーク』、これならば俺の武具も少し真面目に打ったヤツにしていいかもしれない。
「だが、先に支払ってもらわねばなるまい。俺の竜を殺した罪を──“糸界継薙”」
俺はただ、指を動かしただけ。
しかしその先には糸が巻き付いており、そこから至る所に伸びている。
武技の効果はただ、その糸に斬撃の効果を付与するだけ。
だが、それだけで充分──指が動くと同時に、彼らの首がポトリと落ちたのだから。
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遊戯名:お宝争奪戦
人と力、求めよ強者たち
結果発表
勝利数:1
勝利報酬:武具の進呈(確定ランクA)
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