AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
01-11 チュートリアル その05
モグモグモグモグ
あ、どうも、現在お食事中のメルスです。
今回の料理は――亜竜の生焼け肉、亜竜の焦げ肉、亜竜のこんがり肉でございます。
いやー、魔法で焼くのなんて初めてですから、たまに火力を間違えてしまうんですよ。
そんなことを思いながら、ワイバーンのHPゲージを見てみると──これまで外側で行っていたときよりも減少しているのが確認できる。
「おお! 減ってる減ってる、一割ぐらい削れてるんじゃないか?」
……はい、これまでは掠っても再生力に負けてすぐに戻ってました。
だからこそのサンドバック、レベリングの的として使えたんだけどな。
ふと思う――ここまで火魔法一本で焼いてきたが、もっと上手に火力をコントロールできれば、より旨く食べられるんじゃないか?
(雑食)の影響でそれなりに食べられてはいたが、本当に旨いと言えるかと言われると正直微妙だ。
料理において、火加減とは初歩中の初歩。
そもそも焼かなきゃ死ぬ、なんて素材もあるんだからな。
……ならば、新たなスキルを。
そうやって俺は(火魔法)を(業火魔法:10)に上げて、さらに四つのスキルを取った。
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身体:(体内魔力操作Lv1:5)
体内の魔力を操作することで、魔力を扱う技術の技巧が向上する
レベルが上昇することで、操作できる魔力量が増加する
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身体:(体外魔力操作Lv1:5)
体外の魔力を操作することで、魔力を扱う技術の技巧が向上する
レベルが上昇することで、操作できる魔力量が増加する
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技能:(魔力感知Lv1:5)
辺りに広がる魔力を感知することができる
レベルが上昇することで、感知できる範囲・種類が増える
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技能:(気力感知Lv1:5)
辺りに広がる気力を感知することができる
レベルが上昇することで、感知できる範囲・種類が増える
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――この四つである。
(魔力感知)は魔力がどの辺にあるのか知るため、(気力感知)は美味しい部位を探すためである。
よく分からないが、美味しい部位ってそれなりに美味しいオーラとかを出しているんだろう? という俺の直感に任せて習得した。
残りの二つは……まあ、焼き肉の火力調節のためだ。
「さて、これらを使って焼くんだが……先に魔力を見つけ出さないと」
ここかな? なんかモヤモヤしてるし。
体の中と外、普段感じたことのない感覚を調べていく。
魔法をたまに使用して、魔力が減る感覚などを感じていき──普段感じたことのない違和感を掴む。
「うーん……たぶんだけど、これが魔力……なのかな?」
二つの違和感の内、魔法を使う度に違和感の度合いが変化する方を強く認識する。
「まあこれを、グワーンとそしてドリャーンとやってみれば……よしっ! これで火力調節ができる!」
火を強くイメージし、指先に魔力を籠めてみると――そこに火が灯る。
なぜこうなったか、そんなことはよく分からないが……できたんだし、それでいいと思うことにしよう。
あ、いちおう言っておくが、魔法の使い方に決まりはないと思う。
少なくとも俺の適当な魔力の扱い方で使えているんだから、本人の感性にお任せ、みたいな感じなんだろう。
◆ □ ◆ □ ◆
ムシャムシァムシャムシャ
「美味い! 旨すぎるよワイバーンの肉! 今まで微妙とか言って本当ですいません!」
見つけだした程良い火力で肉を焼き、バクバクと口の中に短剣で切り出して押し込んでいく。
本当なら(水魔法:5)を習得して肉を洗った方が良いのかもしれないが、(雑食)の影響か乾かした血が絶妙な調味料となっている。
……ブラッドソーセージがあるんだし、初めてだが中々イケると思えてきた。
「あむあむ……独特の強い癖が、なんとも良い味を出してるみたいだなー」
少し狂っているように見えるが、それだけ俺が亜竜を旨いと思っている。
もうどれだけ食べたか知らないし、普通の調味料をまったく使ってないのにずっと食べられているんだぞ。
「魔力クッキングのお蔭で、新しいスキルが手に入ったでござる」
ずっとあの四つのスキルを使っていたからか、それらのスキルレベルがMAXになった。
――なので合体させて、二つのスキルを手に入れた。
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身体:(魔力支配Lv1:10)
自身の周囲に存在する魔力を自在に操り、魔力を使う際に使用する魔力量を、ある程度決めることができる
レベルが上昇することで、操作できる魔力量とその範囲が増える
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技能:(気配感知Lv1:10)
辺りに広がる気配を感知することができる
レベルが上昇することで、感知できる範囲・種類が増える
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ま、どちらも元のスキル二つを、一つに纏めましたって感じだ。
GURURUURURURURU
「……おっ、もうHPもあと一割だな」
可視化されたワイバーンの命も、食事の影響でかなり減っていた。
かなりたくさんの部位を食べたからな、肉体を正常に保てなくなったのかもしれない。
美味な部位を食べれば食べる程、だんだん弱っていた気がするし……。
「──それじゃあ、最後の仕上げといきますか。〆の一品、イタダキマス!」
そうして、亜竜の心臓の辺りまで向かう。
体がデカい分、中も広大なのだ。
「やっぱ、最後は心臓だよな……異論はご自由に」
業火魔法を用意して、(魔力支配)で威力を調節する。
……うん、(気配感知)もこれぐらいが最適だと伝えているな。
「レッツ、ファイヤー!」
GUGYAAAAAAAAAAA!!
いやー、こんがり焼けてますな~。
今回はあえて短剣で刺激をせず、踊り焼きみたいな感じで炙って食おうかと。
「さて、実食実食。――うん、このコリコリとした感触がたまらん!」
嗚呼、ここに調味料があればもっと美味しくなったかもしれないな。
血も確かに良い調味料ではあったが、日本が現代まで繋いだ調味料は、さらにそれを引き立ててくれること間違いなし!
クセを強めるか和らげるか、どちらにせよ変化させて食ってみたかった!
GURURURURRRR……。
おっ、完食と同時にHPがゼロになったみたいだな。
でも、よく心臓焼かれて喰われてたのに、その間倒れなかったな~。
さてさて、亜竜が消えて俺もここからおさらばだ。
その前に、掌を合わせまして――
「ご馳走様でした………………ん? おかしいな。ここから出れない……」
あれっ!? もしかしたらこれ、ここから出なきゃいけないの?!
魔物の討伐が初めてだったし、そんなこと知らなかったよ。
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コメント
ノベルバユーザー611597
SP絶対足りてないでしょ