竜と王と剣と盾

ノベルバユーザー173744

資料設定集……昔書いたあらすじ……

天暦1800年。アシエル……地球と同じような惑星と同じようなものと考えてください……の最大の大陸アシール。
その大部分を占めるのはシェールド。

シェールドは長く神の末裔である王を君主とし、その王を支える五爵と呼ばれる王に仕える重鎮がいた。

他に働く臣下は皆、国に仕える。

しかし、五爵は王に仕え、特に、カズール伯爵とマルムスティーン侯爵は、病床の王の代理に執政を振るう事もあれば、暗愚な王太子を仕えるに値しないと切って捨てることもできる。
独裁を抑え、幼く即位した王を支える五爵は、マガタ公爵、カズール伯爵、マルムスティーン侯爵、ファルト男爵、ヴェンナード子爵である。

普通、爵位は公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と言う順序だが、五爵には当てはまらず、仮に与えられた爵位と呼ばれている。
形ばかり、爵位を与えて、王の手足となって動く存在。
そして、主が愚かな行為に及ぶなら、背後からやいばを向ける。

マガタ公爵家は、初代公爵が1800年前の当時の王の夫であった為に興った家である。
しかし、王の息子……つまり、自分の息子が王になってしばらくして、公爵は表に現れなくなった。
子供が男児二人とは言え、一人は王を、もう一人は人として育てたものの竜族であったために断絶したともいわれていた。
しかし、約100年ほど前、現王のアレクサンダーの祖父の代に、アレクサンダーの伯父がマガタ公爵の爵位を与えられ、現在はその息子の代になっている。
マガタ公爵は政務大臣であり、王の教育係である。

カズール伯爵は、財務大臣であり、国内全ての騎士団の総帥として任を帯びる。
カズール伯爵は、初代国王の親友であり側近であった『風の竜』と呼ばれる竜族とも神とも違う、精霊の末裔と言われており、時折、極端に強い風の術を操る存在が生まれる。
しかし、この術は、人が練り上げ生み出していった術とは違い、命令するのではなく、本人の感情や、精霊たちが勝手に動き始めるもので、諸刃の剣であるともされている。

マルムスティーン侯爵は、外務大臣であり、国内全ての術師、術師団を統括する。
マルムスティーン侯爵は、初代国王の親友であり側近であった『水の精霊神の子』の末裔であり、ごく稀に極端に突出した水の術師が生まれる。
水は癒し……自らの力を放出し続け、死に至る存在も多く、そう言う子供には強い封印を幾重にもかけて育てる。
現在の当主の祖父、エリファス・レヴィが、封印の術にたけている。

ファルト男爵は、1800年前の王の義弟で、初代公爵の従兄弟が当主となった家である。
元々、カズール伯爵家で育った為に武術に優れ、王宮内の近衛兵を纏める事と、戸籍や福祉関係を担当する大臣である。

ヴェンナード子爵は、1800年前の王が戦乱に巻き込まれた時に影に日向に支えた一人の青年に与えられた爵位である。
法務大臣の任を帯び、教育機関を管理する。

彼らの姓は、シェールドの五つの地方の名前ともなっている。

マガタは、シェールドの東地域。
広大な田園地域とその向こうに『冥海うみ』。
『冥海』に面した長い海岸線には漁村が広がっている。
マガタ領の中には人口が100人程度の小国『ラディリア公国』があり、マガタ公爵はこの国の公主でもある。

カズールはシェールドの西地域。
西には広大な『迷いの原』と呼ばれるホワイトドラゴンの生息地域、南部にはレッドドラゴンの生息する『竜の谷』、北は河を隔てて『風の鳥平原』東は『竜河りゅうが』と地域的には狭く、小さい街『カズール』を有する。
しかし、『迷いの原』は神聖な地、もしくは異世界との門が隠されている場所と言われ、絶滅は免れたが、ホワイトドラゴン、レッドドラゴンの生息地に近く、北は代々の国王が管理するものの、全く手をつけていない自然の地『風の鳥平原』と言う具合で、言ってみれば、世界遺産よりどりみどりの聖地である。

マルムスティーンは北地域。
シェールドのもっとも広大な地域の名称。
西部から南部にそして『冥海』に注ぐ大河アンブロシアス……西部の時には支流ユーザー河……は、アシール一の大河で、豊かな恩恵を下流のマガタ領にもたらす。
その水は、マルムスティーンを年半分以上閉じ込める雪によるものである。
マルムスティーンの街は『雪の街』と呼ばれ、冬の間は河が凍結し、雪が深すぎ、ナムグとブラックドラゴンしか行き来ができない。マルムスティーンは広大な針葉樹林に覆われているが、王家やマルムスティーン家所有の鉱山がいくつもあり、珍しい石が採れることで知られている。

ファルトは南地域。
砂漠と岩山に囲まれた地域で、雨が少なくわずかな緑は南東の海岸沿いの町とファルト北部のみ。
最近は研究により植樹が行われている。
岩山は鉱山、金、銀、銅、鉄、鉛、そして微少ながら宝石が採れる。
しかし、ファルトの生活水準は他の地方よりもかなり低く、治安問題や人身売買、鉱石の横流しなどがあると言われている。
ファルト領内には『スティアナ公国』と言う小国があり、現在の当主はマガタ公爵の母、ユーロフィーナ公主である。

ヴェンナードはシェールドの中央地域。
王都シェールダムとその西にある広葉樹の森『金の森』を除く地域である。
ヴェンナードは、シェールダムから南に東にと広がる大きな道に面した町や、大河アンブロシアスをわたる港など開かれた地域である。
商業も盛んで、人の行き来が多く、もっとも賑やかな地域である。

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