コマンド見えるようになったので、ハーレム作ります!

片山樹

新たなるスタート

 俺達は魔界バルリア王国へと足を運んでいた。バルリア王国はゲームで一度は目にした事があるのでは無いのだろうかと思える程に単純で誰もが考え付きそうな程に凡才な国であった。それが逆にのどかで良いというか、世界観を崩さないというか、本当に普通の街だった。

✢✢✢
ーーピーンポーンパーンポーン!?
 終わりのチャイムが鳴り響き、俺は伏せていた身体を起き上がらせる。
どうやら俺は寝てしまっていたらしい。
そして起立、気をつけ礼という極極どこの高校でもやっていそうな上辺だけのありがとうございましたをして、椅子にもう一度座る。授業中に寝ているせいか、全くといって眠気が来ないので頬杖を付いて今後の対策を練る。

俺はレイシスを魔王にするという誓いを立てたその日。つまり、1週間前から色々とやらなければならないことができた。
それはどうやってレイシスの信頼を得るかという問題だ。レイシスの話によると、この世界は次期魔王候補を選ぶ為だけに作られた世界。
要するに仮想世界というやつらしい。だからこそ、色々と変なことが起きているのだ。そして何故かそれに巻き込まれた俺は呪いをかけられて現実世界の記憶を持ったまま、この世界に来たということみたいだ。
残念だがそういうことらしい。
それだけで納得してしまう自分がいるのは本当に馬鹿馬鹿しいと思うが前にも言ったとおり、こんなことが起きているという自体で幻想的でアンビリバボーな話なのだ。
だから仕方ないけど信じるしかないのだ。
本当に俺はポジティブな奴だ。
もう、本当に頑張った大賞を俺に今年はあげてほしいものである。でも仮想世界といえど、この世界は現実世界と連動しているという鬼畜仕様になっている為、俺が変なことを巻き起こすと現実世界でもそんなことをやってしまったという前科が付くという仕組みだ。本当に色々と細かい設定だ。

「あ、アンタ! ちょっと来なさい!」
 確か……こいつの名前は敬遠の墜天使の異名……いや違った。
こいつは絶縁の天使、桜田南だ。
俺になんのようだろうか。

「お、おい……」と言おうとした時には遅かった。腕を掴まれ、俺は連行された。

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