コマンド見えるようになったので、ハーレム作ります!

片山樹

職員室にて——

「あのさ、ちゃんと人の話聞いてる?」
「……っ!?」
俺はあまりの迫力にたじろいでしまう。
今の場所は職員室。HRの時に呼ばれていたので大人しく来たらこのざまだ。
独り身がどれほど楽かを俺に熱弁したりもしていた。そしてあろうことか、俺は先生の愚痴を聞く羽目になったというわけだ。というか、それが目的だったと思われる。
「もうぉー本当にイライラするわ。あの魔女といい、貴方といい……」
魔女? それは魅惑の魔女のことだろうか?
「何、黙ってるわけ? ちゃんと返事しなさいよ」
俺は先生にしつこく責められる。
「あの……先生、二日酔いですか? かなり酒臭いんですけど……」
「はぁ? 何、私が飲んだら悪いの?」
先生が憤った表情で俺を睨む。
「いや……別に悪いとは一言も」
「そ、そう? それならいいわ。今日はあんたの恋バナでも聞いてあげるから聞かせなさい」
「俺の恋バナ? あの……意味が」
「あぁーもう本当に分からず屋ね。だから、宮城さんのことよ」
宮城茜――異名『白銀の女神』。俺の学校のアイドルの一人で神々しいオーラを放っている。
正に完璧超人。
「ってか、なんで俺が宮城を好きみたいになってんだよ!」
「なってんだよ……? あんた、教師に対してタメ語とは舐めてるじゃない!」
先生が拳を振り上げたのを瞬時に判断し、先生の腕を掴む。
「危ないじゃないですか?」
俺が優しく言うと先生は顔を真っ赤にして俯いた。
本当に意味が分からない。ってか、女性の腕ってやわらけぇー。

「何、にやにやしてんの? キモイわよ、じゃあもういいわ」
先生は顔を背け、俺に言った。
俺は先生に一応謝って職員室を出た。

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