コマンド見えるようになったので、ハーレム作ります!

片山樹

地獄耳の情報屋

 「キーンコーンカーンコーン」
授業の鐘が鳴り終わり、俺に安らぎの時間を与える。
やはり、昼休みは最高だな。
「おい! 零! お前はこのあと、どうすんだ?」
突然、名前を呼ばれ俺は後ろを振り返る。
こいつの名前は阿弥陀あみだ健司けんじ
異名は特に無いが、色んな人の情報を持っている。
あえて言うならば、『地獄耳の情報屋』と言ったところだ。
こいつは何かと色んな情報をいち早く持っていて、聞きたい情報を教えて貰う代わりに金や要求した情報と同等の情報を彼に教えることで情報を手に入れることができる。
 試しにこんな感じだ。
「あ、そうだ。それよりさ、桜田について知りたいんだが……」

「桜田? お前、桜田に興味があるのか?」

興味……というほどには無いが、なぜ誰とも付き合わないかは気になる。

「あぁ、まぁーそういうところだな」

「そうか。それで、何を聞きたいんだ?」

「そうだな。なら、スリーカップから頼む!」

こいつの情報量を分かってもらうためにはちょうどいいだろう。

「桜田のスリーカップか……これは高くつくぜ」

健司が俺を見て、にやりと笑う。
そんなに高くつくのだろうか?

「それでいくらなんだ?」

「ずばり、これは10万だな」

「10万!? そりゃあ、あまりにも高すぎだろ」
あまりの値段の高さに驚いてしまった。

「当たり前だ。一応、相手は学園のアイドルの一人なんだぞ。それにこの情報は俺の内密に捜査した情報だから、高いわけだ」

「内密に捜査?」

「そうだ。桜田の情報ってかなり少ないんだ。まぁ、なんつってもあいつ……あまり男子と関わろうとしないからな」

「はぁ? あいつビッチだろ?」

「それがな……意外と桜田って男子と会話してないんだよ。ほら、あっち見て見ろ」
健司から指示され、言われた方を見る。

すると、そこには一人寂しく昼飯を食べる桜田の姿があった。

「え……あいつって、陽キャラなんじゃ?」
俺が尋ねると健司がそれを待っていましたと言わんばかりに
「千円だけど、聞くか?」
千円は学生の身分の俺にとってはかなり痛い出費だが仕方ない。
自分の財布から、千円札を取り出し健司に渡す。
健司はそれを颯爽さっそうに奪いとり、まいどわりーと言った。

「お前さ、桜田に近寄りがたいと思ったことはないか?」
確かにめっちゃ理解できる。ギャルっぽいってイメージが強くて近寄りがたいんだ。
別にギャルが悪いとかじゃなく、何か今時過ぎて陰キャラの俺とは全く関係人と言うイメージがある。
「あぁー確かにそうだな。だけど、それが?」
「それなんだ! 皆、それなんだよ。男子は皆喋りかける勇気がある奴はいないし、それに女子達は妬んでんだ、桜田のことを……」

「どういうことだよ?」

「これ以上は話せねぇーな。これ以上聞きたいなら、もう千円と言いたいが今回だけは特別だ。零の可哀想な財布を思ってな」

「可哀想な財布は余計だが、頼む」

「桜田ってかなりモテるのは分かるだろ? だけど、今までそれを全部振ってんだ。だからだな」

「それだけ?」

「そうみたいだぜ、女子の世界は色々と闇が深いってことよ」
健司が知ったような口調で言った。
でも、確かに分かるかもしれない。自分が好きだった人が、何もしていない相手に好意を抱くことがどんなに辛いか。
自分が今までやってきた相手へのアプローチが無駄だと知ることが。

「って、お前いいのかよ? 先生が昼休みにお前呼んでいただろ?」

「あ! そうだった。わりぃー」
俺はそう言って、職員室に向かった。

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