コマンド見えるようになったので、ハーレム作ります!

片山樹

魅惑の魔女

俺は女の子をおんぶした。名前は分からないが、とっても可愛い。
それにしても長い髪が俺の顏に当たってこしょまゆい。
おまけにいい匂いもするし。ジャスミンのような。

周りの生徒が俺を奇妙なものを見るみたいだけど、気にすることはない。
多分俺じゃなくて、この女の子だと思うし。
ってか、こいつが来てる服って制服ではないよな。
どっからどう見ても黒のゴスロリだし……。
それに髪の色も明らかに俺が知っている日本人とはかけ離れてるよな。

そんなことを思っているとすぐに保健室に着いた。
保健室などあまり使わないので少し開けるのに緊張する。
たった、少しの勇気なのにな。
だから俺は—―振られたのか……いや、それは関係ないか。ってかそうだと思いたい。
これ以上ネガティブモードになると自分の心が折れそうなので止めよう。
こうして、俺は少しの勇気を振り絞ることもなく、やけくそにドアを開けた。
「失礼しますーーってあれ?」
保健室には先生の姿は無かった。ちょっと寂しい。
『魅惑の魔女』を見れるチャンスだと言うのにね。
と、それよりこの女の子をベットで休ませるべきだよな。
きつそうって訳じゃないけど、なんか心配だし。
おんぶしたまま、女の子を窓側のベットのカーテンを開け寝かせる。
可愛い吐息を立てている。その姿がとても愛らしい。
今が夜だったら危なかったぞ。俺の政治上的に。
そんな興奮を隠しながら、自分の教室に戻ろうと振り返る。
そこには『魅惑の魔女』がいた。

「あれれぇー? 零ちゃんじゃん!」

彼女は俺の名前を知っているらしい。俺はというと、もちろん知っている。
ってか、知らない男子生徒はいないだろう。
だってこんなナイスバディだもん。
程よく焼けた健康的な身体に、艶な唇、そして何といってもデカすぎる豊満な胸。
俺は別に巨乳好きってわけではないけど、小さいよりも大きい方がいいだろ。

「どうも、魅惑の魔女さん」

「魅惑の魔女? あぁ、生徒たちが言っている異名か。私はあまり好きでは無いんだけど。その異名は。個人的に私は『魔女』というよりも『悪魔』って感じがしないかい?」
俺に微笑みながら、投げかけてくる。
魔女よりも悪魔か。意外と分かる人だな。だけど、貴方は魔女ですよ。
だってもう俺は魅惑の色気に引っかかってますから。
特に目線が貴方の胸の方に。先生をそんな風に思うことは悪いと分かるけど、所詮男と女なのだから仕方が無い。

「で、どうだい? 私の意見?」
魔女が俺の目をまじまじと見つめるので、慌てて目線を胸から逸らす。

「零ちゃん、今がっつり見てたよね?」
俺を問い詰める。そろそろ、コマンドが出てきそうだな。

「い、いや……見てないです」
図星を突かれたが平然を装う。

「いや、見てたよね?」
俺をさらに精神的に問い詰め、肉体的にも距離を追い詰める。近づくにつれ、胸が揺れ視線が奪われる。もしかして、俺を誘ってんの?

「み、み。見てないっすよ、ははっはっは」

「へぇーーそっか……」
魔女が悲しそうに俯いた。

「正直に言えば揉ませてあげたのに。もう、本当に残念だわ」
な、なんですと!? この人かなり大胆なことを言ったぞ。
俺は鈍感系主人公ではないので聞き逃すはずがない。
それもこんな人生に二度とこないチャンスなど。

「すいませんでした。嘘です! 俺ずっと目線が先生の豊満な胸に夢中でした」

「あら、そう?」
魔女の顏がニヤリと緩む。

「ってことで揉んでいいですかね?」

「……ダメよ。もう遅いわ」
先生はそう言ってポケットから変な機械を取り出した。

「零ちゃん、ボイスレコーダーって知ってる? 音声を録音する機械ね。私がこれをどうしたいか分かる?」

……もしかして俺の学園生活終わった?

『俺ずっと目線が先生の豊満な胸に夢中でした』

先生がボイスレコーダーのボタンを押したようだ。
そしてさらに先生がボタンを押す。

『ってことで揉んでいいですかね?』

魔女が「ふふふっ」と不気味に笑みを零す。

「あの先生……それをどうするつもりですか?」
恐る恐る魔女に尋ねる。
すると、魔女はその台詞を待っていたと言わんばかりに言った。

「放送室に乗り込み、朝のHR中に流します……」

「ちょっと待ってください! 何でもしますからそれだけは……」
土下座をして、頼み込んだ。
女神に嫌われるのだけは勘弁だしな。

「顏を上げて。私もそんな遊びの為にこんな真似はしないから。ちゃんと零ちゃんが私の言うことを聞いてくれるなら流さないから」

「えぇ? 本当ですか! もう、信じますからね」

「勿論、本当よ。私も一応大人だし、嘘はつかないわ」

「それで何をすればいいんですか?」

「私と結婚を前提に付き合ってほしいんだ!」

「えぇぇっぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇーー」
俺は言葉を失うことは無かったが、とりあえず叫んだ。

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