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復讐のパラドクス・ロザリオ

殻守

第25話 退屈な日

「つまらんなぁ…」
椅子に背を預け大きめの机に足を乗せ男は窓の外をじーっと眺めていた。
二年前、王国に仕える騎士達をまとめあげるいわゆる騎士団長になって以来、男は退屈な日々を過ごしていた。
コンコン
木製のドアを軽くノックする音がすると同時に業務始まりを告げる秘書の声がした。
「団長入りますよ」
「ダメだこのまま帰れ」
またか、と言わんばかりの顔をして秘書のマキリがドアを開けた。
まだ幼さを残した美しい顔立ちにすらっとした長身、赤い髪を肩まで伸ばし瞳は赤く澄んだ色をしていた。
「団長、今日の仕事です。」
マキリは机に乗せた足を退かさせるといくつかの書類を机に置いた。
「今日は少ないな」
ざっと見たところ警備班の報告書や討伐隊の出動願い、先日の領土内にて発生した爆発事件の調査など内容はともかく普段は数える気すら起きない仕事の量からは考えられない少なさだった。
「ふふ〜ん」
書類に一通り目を通した所でマキリが控えめな胸を張り着ていた純白の騎士服の懐から1枚の紙を取り出した。
まだあったのかと思いうんざりしながら見ると
「赤狼…祭」
「その通りです!」
マキリは興奮しているのか声を荒げながら、
「今年も赤狼祭の季節が来たんですよ団長!いやぁ待ちくたびれました!このマキリ、去年敗北を忘れられず毎日毎日稽古に明け暮れ遂に!奥義を手に入れ…団長?」
突然喋るのをやめたマキリは何かを懐かしむようにその紙を眺める団長-レオンの姿に何故だか心が傷んだ。レオンが静かに口を開くと
「今年こそお前との決着をつけないとな」
そして遠くを見るように窓を眺め
「なぁ、エルケード。」
かつての親友の名を呼んだ。

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