我が家の床下で築くハーレム王国
第48話彼女の悩み
デパートの買い物の日から二日後、俺は少し久しぶりにトリナディアへ訪れていた。
「プール、ですか? 確かに私も行った事はないですが、一緒に行ってもよろしいのでしょうか?」
「勿論」
目的は近日行くプールにサクヤも誘うため。折角キャロルも連れて行くのだから、サクヤも連れて行こうとハナティアと二人で決めたのだ。
「あ、でも私城の守護の為に残らないといけませんし」
「それって何とかならないのか?」
「日帰りなら他の者に任せる事は不可能ではありませんが、プールとなると私水着は持っていませんから」
「それなら心配するな」
実はサクヤを誘おうと決めた時点で、デパートで彼女の水着も一緒に買っていたので心配はなかった。俺は持ってきていた紙袋から彼女の水着を渡す。
「えっと、翔平様、これは……」
「あ、違う。これじゃなくでこっちだ」
「いや、何故スク水を翔平様が持っているのですか?」
何故か紙袋には混ざってはいけないものが入ってしまっていたらしい。決してネタとかでハナティアに着せようとかそんな事考えたわけではない。
「翔平様、あとでその紙袋渡してください」
「な、何でだよ」
「ものすごく犯罪臭がするので」
「は、は、犯罪だなんて、お、お、俺は別にそんな下心は一ミリも」
「動揺しすぎですよ、翔平様」
ちなみに後で本当にサクヤにスク水ごと紙袋を没収されました。
(あぁ、男のロマンが……)
人に物を渡す時は要注意しましょう。特に渡してはいけないものなどを持っている時などは注意。
(って、誰に言ってんだ俺は)
と、まあ何はともあれサクヤも一緒に行く事になり、俺はその日にキャロルとハナティアも集めて日程を組む事にした、
「と言っても二人とも、特に忙しい日なんてないんだろ?」
「馬鹿言わないでよ。私だってちゃんと仕事しているのよ」
「そう言う割には毎日暇そうだけど。今日だって特に何もしていなかっただろ?」
「し、してたわよ。デスクワークとか」
「さっきまで寝てただろ」
「本当ハナちゃんは嘘が下手だよね」
「なっ、きゃ、キャロルには言われたくないわよ。それに寝るのが仕事とか言うんだから!」
「それ駄目な人が言うセリフだぞ、ハナティア」
こんなやり取りを続けていては話が進まないので、話を本題に戻す。まあ、日程を決めるとは言っても、ここにいる奴は皆暇だし大して悩む必要はない。
「ほぼ暇な王女もどうかとは俺は思うけどな」
「平ちゃん、これでもハナちゃんは頑張っているんだよ。まあ、私から見ても暇そうなのは分かっているけど」
「フォローしてくれないの?!」
「フォローする所がないからじゃないかな」
「キャロル、あとで覚えておきなさいよ」
とグダグダしながらプールへ行く日は次の休日。ざっと五日後くらいに決定。場所はテレビとかでもよくやっている大型のプール施設だ。
「俺の家からだとそれなりなに距離はあるから、朝は結構早いかもしれないけど、二人は大丈夫か?」
「前日にハナちゃんの所に泊まるから大丈夫。問題はハナちゃんが起きるかなんだけど」
「だ、大丈夫よ。サクヤに起こしてもらえば」
「結局他力本願かよ」
とりあえずこれで日程は決定。一応正志と雪音にも声をかけておいたのだが、日程が合わなさそうなので今回は四人だけになりそうだ。
「プール楽しみだな私。この水着も着てみたいし」
「ハナティアに似合うものを選んだから、俺も期待しているよ」
「期待って何を?」
「それは、まあ」
当日になってからのお楽しみで。
■□■□■□
具体的な日程も決まった日の晩、俺は夕食をトリナディアで食べる事になった。普段大きな部屋で料理を食べる事に慣れていないので、あまりトリナディアでご馳走になる事はなかったんだけど、サクヤがどうしてもという事で久しぶりに食事をする事に。
「うん、美味いな」
「でしょ?」
「何でハナティアが誇らしげにしているんだよ」
談笑しながらも食事をする。だけど俺はその途中である事に気がつく。さっきから一緒に食事を取っているサクヤが、少し元気がない。
多分気のせいなのかもしれないけど、時々ため息をついていたりする。
「サクヤ、どうかしたか?」
「あ、いえ」
「さっきから元気がないように見えるけど」
「き、気のせいですよ」
慌てるあたりどこか怪しいサクヤ。元気がない原因として考えられるのは恐らく、
(まだ気にしているのか。自分が一度ここを辞めようとしたことを)
もう三週間近く経っているのに、彼女はずっとその事を引きずっているの。しばらくサクヤに会っていなかったからこそ、彼女の様子の変化には気づいていなかった。
「翔平ももしかして気付いた?」
そのやり取りを見ていたハナティアが小声で話しかけてくる。
「俺もって事はハナティアはずっと?」
「うん。あそこまで分かりやすいと、気にしないようにしても気になるでしょ」
「そうだな」
正直まだ一連の騒ぎは収まりきっていない。ハナティアの元に残ると決めたとはいえ、やはりその根本的な原因を解決しなければ、恐らく解決する事は難しい。
そしてその根本的な原因に俺は心当たりがあった。
(恐らくサクヤの本当の狙いは)
ハナティアの両親の事なのだろう。本人には話してはいないけど、サクヤの中にはそれがあると思われる。
(これは難しいな……)
プールの時もこの空気だったら、少し嫌だな俺も。
「どうしたの翔平」
「いや、ちょっと難しい事を考えてた」
「難しい事?」
「いつかはハナティアも分かる事だと思うよ、俺は」
「もっと分からないんだけど、私」
「今は分からなくていいと思うよ」
せめてこの話は、サクヤ自身から話すべき事だと思うし。
「お二人とも、何をさっきからこそこそとしているのですか?」
「い、いや、別にこそこそなんかしてないよな、ハナティア」
「う、うん。そうよね翔平」
「お二人とも、ますます怪しいですよ」
つくづく問題が絶えないな、この国は。
「プール、ですか? 確かに私も行った事はないですが、一緒に行ってもよろしいのでしょうか?」
「勿論」
目的は近日行くプールにサクヤも誘うため。折角キャロルも連れて行くのだから、サクヤも連れて行こうとハナティアと二人で決めたのだ。
「あ、でも私城の守護の為に残らないといけませんし」
「それって何とかならないのか?」
「日帰りなら他の者に任せる事は不可能ではありませんが、プールとなると私水着は持っていませんから」
「それなら心配するな」
実はサクヤを誘おうと決めた時点で、デパートで彼女の水着も一緒に買っていたので心配はなかった。俺は持ってきていた紙袋から彼女の水着を渡す。
「えっと、翔平様、これは……」
「あ、違う。これじゃなくでこっちだ」
「いや、何故スク水を翔平様が持っているのですか?」
何故か紙袋には混ざってはいけないものが入ってしまっていたらしい。決してネタとかでハナティアに着せようとかそんな事考えたわけではない。
「翔平様、あとでその紙袋渡してください」
「な、何でだよ」
「ものすごく犯罪臭がするので」
「は、は、犯罪だなんて、お、お、俺は別にそんな下心は一ミリも」
「動揺しすぎですよ、翔平様」
ちなみに後で本当にサクヤにスク水ごと紙袋を没収されました。
(あぁ、男のロマンが……)
人に物を渡す時は要注意しましょう。特に渡してはいけないものなどを持っている時などは注意。
(って、誰に言ってんだ俺は)
と、まあ何はともあれサクヤも一緒に行く事になり、俺はその日にキャロルとハナティアも集めて日程を組む事にした、
「と言っても二人とも、特に忙しい日なんてないんだろ?」
「馬鹿言わないでよ。私だってちゃんと仕事しているのよ」
「そう言う割には毎日暇そうだけど。今日だって特に何もしていなかっただろ?」
「し、してたわよ。デスクワークとか」
「さっきまで寝てただろ」
「本当ハナちゃんは嘘が下手だよね」
「なっ、きゃ、キャロルには言われたくないわよ。それに寝るのが仕事とか言うんだから!」
「それ駄目な人が言うセリフだぞ、ハナティア」
こんなやり取りを続けていては話が進まないので、話を本題に戻す。まあ、日程を決めるとは言っても、ここにいる奴は皆暇だし大して悩む必要はない。
「ほぼ暇な王女もどうかとは俺は思うけどな」
「平ちゃん、これでもハナちゃんは頑張っているんだよ。まあ、私から見ても暇そうなのは分かっているけど」
「フォローしてくれないの?!」
「フォローする所がないからじゃないかな」
「キャロル、あとで覚えておきなさいよ」
とグダグダしながらプールへ行く日は次の休日。ざっと五日後くらいに決定。場所はテレビとかでもよくやっている大型のプール施設だ。
「俺の家からだとそれなりなに距離はあるから、朝は結構早いかもしれないけど、二人は大丈夫か?」
「前日にハナちゃんの所に泊まるから大丈夫。問題はハナちゃんが起きるかなんだけど」
「だ、大丈夫よ。サクヤに起こしてもらえば」
「結局他力本願かよ」
とりあえずこれで日程は決定。一応正志と雪音にも声をかけておいたのだが、日程が合わなさそうなので今回は四人だけになりそうだ。
「プール楽しみだな私。この水着も着てみたいし」
「ハナティアに似合うものを選んだから、俺も期待しているよ」
「期待って何を?」
「それは、まあ」
当日になってからのお楽しみで。
■□■□■□
具体的な日程も決まった日の晩、俺は夕食をトリナディアで食べる事になった。普段大きな部屋で料理を食べる事に慣れていないので、あまりトリナディアでご馳走になる事はなかったんだけど、サクヤがどうしてもという事で久しぶりに食事をする事に。
「うん、美味いな」
「でしょ?」
「何でハナティアが誇らしげにしているんだよ」
談笑しながらも食事をする。だけど俺はその途中である事に気がつく。さっきから一緒に食事を取っているサクヤが、少し元気がない。
多分気のせいなのかもしれないけど、時々ため息をついていたりする。
「サクヤ、どうかしたか?」
「あ、いえ」
「さっきから元気がないように見えるけど」
「き、気のせいですよ」
慌てるあたりどこか怪しいサクヤ。元気がない原因として考えられるのは恐らく、
(まだ気にしているのか。自分が一度ここを辞めようとしたことを)
もう三週間近く経っているのに、彼女はずっとその事を引きずっているの。しばらくサクヤに会っていなかったからこそ、彼女の様子の変化には気づいていなかった。
「翔平ももしかして気付いた?」
そのやり取りを見ていたハナティアが小声で話しかけてくる。
「俺もって事はハナティアはずっと?」
「うん。あそこまで分かりやすいと、気にしないようにしても気になるでしょ」
「そうだな」
正直まだ一連の騒ぎは収まりきっていない。ハナティアの元に残ると決めたとはいえ、やはりその根本的な原因を解決しなければ、恐らく解決する事は難しい。
そしてその根本的な原因に俺は心当たりがあった。
(恐らくサクヤの本当の狙いは)
ハナティアの両親の事なのだろう。本人には話してはいないけど、サクヤの中にはそれがあると思われる。
(これは難しいな……)
プールの時もこの空気だったら、少し嫌だな俺も。
「どうしたの翔平」
「いや、ちょっと難しい事を考えてた」
「難しい事?」
「いつかはハナティアも分かる事だと思うよ、俺は」
「もっと分からないんだけど、私」
「今は分からなくていいと思うよ」
せめてこの話は、サクヤ自身から話すべき事だと思うし。
「お二人とも、何をさっきからこそこそとしているのですか?」
「い、いや、別にこそこそなんかしてないよな、ハナティア」
「う、うん。そうよね翔平」
「お二人とも、ますます怪しいですよ」
つくづく問題が絶えないな、この国は。
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