殺人鬼の3怪人と不思議な少女

鬼怒川 ますず

シャワー浴びます

3人はコンビニから歩いて街中にある一軒のネット喫茶にいた。
黒田と葛原は先ほどと同じ持ち物だったが、葉隠だけどこからか持ってきたスポーツバックを肩に掛けていた。


「それではお一人様3時間のご利用なので3名で4280円です」


ネット喫茶の受付口でアルバイト店員が金額を言い、黒田が財布からお金を出すと受付口に出す。
アルバイトはそれを受け取ってから部屋の番号と案内の説明をする。

「それではこれから…4時から7時までご利用できます。部屋の鍵はかかってないので貴重品などは常に携帯するように。あとドリンクバーは右手奥にあります。何か他にご質問がありましたらこちらカウンターで受け付けます」

「あぁごめん、シャワーっていくら?」

「シャワーはお一人様170円となってます」

葛原がそう聞いてからポケットから170円を取り出すと店員に渡す。

「シャワー浴びるから鍵くれないか?」



シャワー室の鍵をもらった葛原達は自分達の部屋に行く前にこれからのことについて話す。

「まず、バレたら捕まる」

「そりゃスポーツバックに子供…女の子入れてるのバレたら誰でも捕まるよ」

葛原が分かりやすい忠告を言うのと同時に黒田がツッコミを入れる。
葉隠はスポーツバックのチャックを開ける。
中には白緑が入っていた。

「おーいお嬢ちゃん、息とか大丈夫かー?」

『あ、暑いけど…大丈夫かもしれない…』

白緑は暑そうにしながらも、じっと動かずにバックの中に入っていた。
それを見て少し安堵する葉隠。

彼らは暇つぶしにネット喫茶に入ったたわけではない。
もちろんこの少女、白緑の身体を洗うために入ったのだ。
シャワーよりは銭湯などのお風呂に入れたほうがいいのだが、この姿だ。
泥だらけで裸足の足は傷ができ、髪も顔も水道水で少し洗ったがそれでも汚い。
そんな汚い少女を連れて歩けば、それこそ目立って仕方がない。
そのため、まずは身体を洗って綺麗にしなければならなかった。

葛原は葉隠からスポーツバックを受け取り、代わりに自分のトランクを渡す。
受け取った葉隠は嫌そうな顔で葛原に言った。

「お前がお嬢ちゃんを洗うとか…心配でしかない」

「大丈夫だって、俺は別に性的興奮とかそんなもんねーから。大体、生きてきてもう100年以上も経ってる俺がガキの体に興味あると思ってんのか?」

「思う」
「思うね」

黒田と葉隠が同時に答えてたのに対し恨めしそうに「殺すぞ」と返す葛原。
嫌そうな顔を浮かべて彼らに背を向けると、シャワー室に向かった。

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