殺人鬼の3怪人と不思議な少女

鬼怒川 ますず

獲物

俺は葛原くずはら公仁きみひと
意気投合した仲間とさすらう旅人だ。

今は訳あってこのファミレスでたむろっている。

「なーなー! やっぱりここで獲物を待つのってなんか失敗しそうじゃね? ジジババしかいないぞこの街」

俺が不平文句を言うと右に座っていたガタイの良い短髪、この中では年上で30代の葉隠はくれ和夫かずおが、それに反論する。

「心配するな、ここらへんには高校も中学校もある。夜遊びしている者だってたくさんいるはずだ。我慢しろ」

和夫はそう言ってドリンクを飲む。
その仕草は男気があって、筋肉で太い腕と胸元のせいかとても力強い。

「そーだよきみッチ、僕らの獲物は勝手にくるはずだから」

そう言ってストローでジュース優雅に啜る少年。
歳は自分と同じのはずだが、容姿はまだ幼い感じがあり童顔。
黒田くろだ祐介ゆうすけだ。

「でもよぉ、もう夜中の1時だぜ? いつもだったら18時にはキャッチして食べちまうのに、この店にくんのは子連れの親子ばっかだ。なんで友達と来ねーんだよつまんねーよ!」

「…年下をナンパする人間がそれ言うと、なんか虚しくならない?」

「ならねーよ!」

そう言って俺は持ってきたコーラを飲んで喉を潤す。
この街にきたのは夕方だったからあれから7時間は経過している。


俺たちが探しているのは、頭の悪そうな学生だ。
何故かって?それはだな…。


「いらっしゃいませー」 

「すいませーん、2名なんですけどー」

「ちょっとアキちゃん待ってよ〜」


あぁようやく来た。

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