(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~
続 王女のワガママ・4
それから一時間後。
俺とリーサは城下町を歩いていた。理由は単純明快、ミルシア女王陛下にご飯を届けるため。そういうこともあって僕はバスケットに鍋を入れている。少々重いけれど、リーサに持たせるわけにもいかない。魔法を使って何とかします、と言っていたけれど魔女と判明してしまうのもちょっと面倒なことになりそうな気がするのでそれはやんわりと断った。
それにしても、目立つ格好というのはしたくない。見られている感じがするし。それにスースー風が通ってくるし。
「ケイタさん、大丈夫。落ち着いて。落ち着かせれば何とかなります」
心に直接リーサの声が響く。テレパシーというやつだろう。大変有り難い。あまり表に聞こえたくないこともこれなら話すことが出来る。いや、まあ、別に話すつもりは無いのだけれど。
「落ち着いて、っていうけれどさ……。今、俺が着ている格好を見てもそれを言える訳かい?」
俺が着ている格好。
それは黒のワンピースにフリル付きの白いエプロン、ガーターベルトまでつけていやがる。何が言いたいかというと、いま俺が着用しているものは普通のメイド服そのものだということだった。
「……まあ、メリューさんに辛く当たりたい気持ちも解らないではないけれど、致し方ないと思いますよ。だって、やっぱりお客さんとしては叶えてほしいことだってあるし」
「そうかもしれないけれど……うーん、やっぱり納得いかねえよ。何でこんなことをする必要があるんだ。やっぱり別に俺がメイド服を着用する必要なんて……」
「そうかもしれませんけれど! ……えーと、取り敢えずいいから、急いでいきましょう。この料理が冷めてしまわない前に」
それもそうだけれど。
まあ、取り敢えずその話をいつまでも話していても解決するわけではない。
一先ずやることをやってしまわないとならないだろう。ああ、これを知っている人に見られていなければいいのだけれど……。
◇◇◇
城に到着すると、門の前でメイド長が待機していた。
「ご苦労様でした。……ええと、あなた、もしかして」
「いわないでください。メリューさんが悪いんです」
「あと、人手不足も」
俺の言葉に付け足すようにリーサはいうと、笑みを浮かべた。
何となく察してくれたのか、溜息を吐いて、
「まあ、仕方がありませんね。……取り敢えず、中にお入りください。実はこの国も忙しくて普通に使えるメイドが居ないのですよ。ですから、私が自らやらないといけない。それを温めてミルシア女王陛下のところまでもっていくところまでお願いしますよ、もちろん、その分のお代もお支払いします」
まあ、そう言われると断れないか……。
そう思うと、俺とリーサはメイド長の後ろに従うように、城の中へと入っていった。
俺とリーサは城下町を歩いていた。理由は単純明快、ミルシア女王陛下にご飯を届けるため。そういうこともあって僕はバスケットに鍋を入れている。少々重いけれど、リーサに持たせるわけにもいかない。魔法を使って何とかします、と言っていたけれど魔女と判明してしまうのもちょっと面倒なことになりそうな気がするのでそれはやんわりと断った。
それにしても、目立つ格好というのはしたくない。見られている感じがするし。それにスースー風が通ってくるし。
「ケイタさん、大丈夫。落ち着いて。落ち着かせれば何とかなります」
心に直接リーサの声が響く。テレパシーというやつだろう。大変有り難い。あまり表に聞こえたくないこともこれなら話すことが出来る。いや、まあ、別に話すつもりは無いのだけれど。
「落ち着いて、っていうけれどさ……。今、俺が着ている格好を見てもそれを言える訳かい?」
俺が着ている格好。
それは黒のワンピースにフリル付きの白いエプロン、ガーターベルトまでつけていやがる。何が言いたいかというと、いま俺が着用しているものは普通のメイド服そのものだということだった。
「……まあ、メリューさんに辛く当たりたい気持ちも解らないではないけれど、致し方ないと思いますよ。だって、やっぱりお客さんとしては叶えてほしいことだってあるし」
「そうかもしれないけれど……うーん、やっぱり納得いかねえよ。何でこんなことをする必要があるんだ。やっぱり別に俺がメイド服を着用する必要なんて……」
「そうかもしれませんけれど! ……えーと、取り敢えずいいから、急いでいきましょう。この料理が冷めてしまわない前に」
それもそうだけれど。
まあ、取り敢えずその話をいつまでも話していても解決するわけではない。
一先ずやることをやってしまわないとならないだろう。ああ、これを知っている人に見られていなければいいのだけれど……。
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城に到着すると、門の前でメイド長が待機していた。
「ご苦労様でした。……ええと、あなた、もしかして」
「いわないでください。メリューさんが悪いんです」
「あと、人手不足も」
俺の言葉に付け足すようにリーサはいうと、笑みを浮かべた。
何となく察してくれたのか、溜息を吐いて、
「まあ、仕方がありませんね。……取り敢えず、中にお入りください。実はこの国も忙しくて普通に使えるメイドが居ないのですよ。ですから、私が自らやらないといけない。それを温めてミルシア女王陛下のところまでもっていくところまでお願いしますよ、もちろん、その分のお代もお支払いします」
まあ、そう言われると断れないか……。
そう思うと、俺とリーサはメイド長の後ろに従うように、城の中へと入っていった。
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