俺にエンジョイもチートも全否定！～仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう～
第二十五回 最強と称された三兄弟
「あぁ！やっと離れたぜ……」
「お、お疲れ様です…！」
トセガイの中心部に、俺達はいる。
あの後俺はレジアス家に別れを告げ、止められるも王都に向かう。
束縛などされたこともなかったが、……世界の男は可哀そうだなと改めて思った。
「宿とかこの先結構あるぞ？」
「さっすが！詳しいな！」
レスナはこの辺りを見回してそう言った。
エメラルドグリーンの横に結われた髪が左右に動く。
美しいとは言えないが、女みたいに髪がサラサラだと俺は思った。
断じて変態じゃない。
「……」
「リオン？」
振り向くと、サテラが真剣な顔をして前方を見ていた。
賢者感丸出しな存在感。俺はそれに圧迫されて動けない。
「……前方、魔物の気配がします。急ぎましょう！」
「強そうだな……リーゼルト、急ぐぞ！！」
「お……おぅ！！」
地球に居た頃の反応の速さと走る速さ。
小学生の頃の五十メートル走は四捨五入で五秒。中学では四秒。高校にはほとんど行っていないため、体力測定はやっていない。
それを武器に、俺はレスナ達についていけている。
この町はそう大きいわけではない。
しかし走るとなると、長い道に息が切れる。
セル帝国は五大王国の中に入っている。
しかしそれは大きさではなく、魔力の強さで上に立つのだ。
「あそこです！」
「見えた！」
この状況でも敬語を失くさないサテラは凄いと思う。
俺は叫び、勢いよく足にブレーキをかけた。
この世界では人間よりも魔物の方が上だ。
そのため最強レベルの魔物、オーガやウェンウルフに会ったら逃げろと言われている。
しかし、そのオーガが今目の前に四体。
それに三人が力比べで同等に戦っている。
一匹と一人ならば彼らが優勢に立つだろう。
一番年齢が高いと思われる男性が二体を相手にし、やや弱勢だ。
「リオン！お前が行け！オレは援助する！」
「了解です！」
レスナのその声を境に、サテラが飛び出す。
「……あ、ありがとう」
「大丈夫です。貴方は戦ってください！」
二体のオーガを相手にしていた男性がサテラに声をかけた。
後方に居た俺は、「イケボだなぁ……敵だ」などと余計なことを考えていた。
賢者ならともかく、平民がオーガを相手にするとは聞いたことがない。
援護しながらもレスナは驚きを隠せない。
周りに野次馬たちがわんさかと集まってくる。
『雷電！』
『エアアンスト！』
『ファイアー！』
それを無視して三人は魔法を放つ。
それを受けた三体のオーガは腕をはねられたり、腹が焦げていたりしていた。
しかし、あのイケボ男性（仮）は低級魔法『ファイアー』でオーガを殺した。
サテラは驚きで絶叫しそうになったが、それを噛み殺し、オーガの相手をする。
『麗しき瞳！』
サテラの新生スキル、『麗しき瞳』それが何をもたらすのか。
彼女の目が輝き、そこから赤と黒が混ざった光線が噴出される。
何処が『麗しき』なのか俺は割り切れなかった。
それをまともに受けたオーガはまるで最初からいなかったかのように消え去っていた。
『風圧！』
これは茶色のポニーテールの女性が放った上級魔法だ。
恐らくランクはSR。
普通の平民ならば取得が珍しいどころではない魔法だ。
そしてそれを受けたオーガの体が音を立てて倒れた。
『殺生！』
茶色の髪をした幼い少年がその見た目に合わずRの魔法を打ち出す。
『業火！』
それを見た女性が援助して同じくRの魔法を繰り出す。
その光線はオーガの腹を貫通し、血が噴き出した。
そしてそのオーガは倒れ、動くことはなかった。
「はぁ……」
少年が溜息をつく。
「ありがとうございます。あなたたちが居なかったら、あたしたちはどうなったか……」
女性はサテラに礼をし、俺達を交互に見る。
「僕はアスリーン。一番上の兄さ」
「あ、あたしはアレン、年齢としては真ん中だけど長女なの！」
「……アスラ……いちばんした……」
と、彼らは自己紹介する。
周りの野次馬達はどんどん散らばっていった。
「あ、俺はリーゼルトだ」
「リオンです」
「おっと、オレはレスナ、よろしく」
俺たちも慌てて自己紹介をする。
「ちょっと死体処理するから待ってて」
アスリーンはそう言ってオーガに近づいた。
するとその隙にそばで見ていた野次馬の一人が俺たちに近づいてきた。
「彼らはこの町で一番強いんだ。怒らせたら危険さ。お前らがどんだけ強くとも、腕の一本や二本は持ってかれるぞ、じゃな、俺はもう行くよ。」
それだけ言って何かに怯えるように走り去っていった。
あっという間に俺達を囲んでいた者はすべて居なくなっていた。
「終わったよ、ところで君たちは冒険者かな？」
「そんな感じだよ」
この国で人にため口をきくのは常識らしい。日本では喧嘩になりそうだがな。
もちろん俺にとって日本の奴らは相手にならないがな。
……政府とかは別だぞ？捕まったことはないがな。
「良かったら泊まってく？」
「良いんですか？」
「えぇ、命の恩人だもの！」
アレンとアスリーンは嬉しそうにサテラに言った。
アスラはあまりうれしくなさそうだが。
とにかく、泊れるというのは良いことだ。
俺は何も考えずに了承した。
「あ、ありがとうございます！！」
アレンの目がきらきらしている。
如何やら彼女はお人よしの部類のようだ。
まぁ、何が起きてもパワーで何とかすると、俺はそう心の中で決めて、彼らの家へと向かった。
「お、お疲れ様です…！」
トセガイの中心部に、俺達はいる。
あの後俺はレジアス家に別れを告げ、止められるも王都に向かう。
束縛などされたこともなかったが、……世界の男は可哀そうだなと改めて思った。
「宿とかこの先結構あるぞ？」
「さっすが！詳しいな！」
レスナはこの辺りを見回してそう言った。
エメラルドグリーンの横に結われた髪が左右に動く。
美しいとは言えないが、女みたいに髪がサラサラだと俺は思った。
断じて変態じゃない。
「……」
「リオン？」
振り向くと、サテラが真剣な顔をして前方を見ていた。
賢者感丸出しな存在感。俺はそれに圧迫されて動けない。
「……前方、魔物の気配がします。急ぎましょう！」
「強そうだな……リーゼルト、急ぐぞ！！」
「お……おぅ！！」
地球に居た頃の反応の速さと走る速さ。
小学生の頃の五十メートル走は四捨五入で五秒。中学では四秒。高校にはほとんど行っていないため、体力測定はやっていない。
それを武器に、俺はレスナ達についていけている。
この町はそう大きいわけではない。
しかし走るとなると、長い道に息が切れる。
セル帝国は五大王国の中に入っている。
しかしそれは大きさではなく、魔力の強さで上に立つのだ。
「あそこです！」
「見えた！」
この状況でも敬語を失くさないサテラは凄いと思う。
俺は叫び、勢いよく足にブレーキをかけた。
この世界では人間よりも魔物の方が上だ。
そのため最強レベルの魔物、オーガやウェンウルフに会ったら逃げろと言われている。
しかし、そのオーガが今目の前に四体。
それに三人が力比べで同等に戦っている。
一匹と一人ならば彼らが優勢に立つだろう。
一番年齢が高いと思われる男性が二体を相手にし、やや弱勢だ。
「リオン！お前が行け！オレは援助する！」
「了解です！」
レスナのその声を境に、サテラが飛び出す。
「……あ、ありがとう」
「大丈夫です。貴方は戦ってください！」
二体のオーガを相手にしていた男性がサテラに声をかけた。
後方に居た俺は、「イケボだなぁ……敵だ」などと余計なことを考えていた。
賢者ならともかく、平民がオーガを相手にするとは聞いたことがない。
援護しながらもレスナは驚きを隠せない。
周りに野次馬たちがわんさかと集まってくる。
『雷電！』
『エアアンスト！』
『ファイアー！』
それを無視して三人は魔法を放つ。
それを受けた三体のオーガは腕をはねられたり、腹が焦げていたりしていた。
しかし、あのイケボ男性（仮）は低級魔法『ファイアー』でオーガを殺した。
サテラは驚きで絶叫しそうになったが、それを噛み殺し、オーガの相手をする。
『麗しき瞳！』
サテラの新生スキル、『麗しき瞳』それが何をもたらすのか。
彼女の目が輝き、そこから赤と黒が混ざった光線が噴出される。
何処が『麗しき』なのか俺は割り切れなかった。
それをまともに受けたオーガはまるで最初からいなかったかのように消え去っていた。
『風圧！』
これは茶色のポニーテールの女性が放った上級魔法だ。
恐らくランクはSR。
普通の平民ならば取得が珍しいどころではない魔法だ。
そしてそれを受けたオーガの体が音を立てて倒れた。
『殺生！』
茶色の髪をした幼い少年がその見た目に合わずRの魔法を打ち出す。
『業火！』
それを見た女性が援助して同じくRの魔法を繰り出す。
その光線はオーガの腹を貫通し、血が噴き出した。
そしてそのオーガは倒れ、動くことはなかった。
「はぁ……」
少年が溜息をつく。
「ありがとうございます。あなたたちが居なかったら、あたしたちはどうなったか……」
女性はサテラに礼をし、俺達を交互に見る。
「僕はアスリーン。一番上の兄さ」
「あ、あたしはアレン、年齢としては真ん中だけど長女なの！」
「……アスラ……いちばんした……」
と、彼らは自己紹介する。
周りの野次馬達はどんどん散らばっていった。
「あ、俺はリーゼルトだ」
「リオンです」
「おっと、オレはレスナ、よろしく」
俺たちも慌てて自己紹介をする。
「ちょっと死体処理するから待ってて」
アスリーンはそう言ってオーガに近づいた。
するとその隙にそばで見ていた野次馬の一人が俺たちに近づいてきた。
「彼らはこの町で一番強いんだ。怒らせたら危険さ。お前らがどんだけ強くとも、腕の一本や二本は持ってかれるぞ、じゃな、俺はもう行くよ。」
それだけ言って何かに怯えるように走り去っていった。
あっという間に俺達を囲んでいた者はすべて居なくなっていた。
「終わったよ、ところで君たちは冒険者かな？」
「そんな感じだよ」
この国で人にため口をきくのは常識らしい。日本では喧嘩になりそうだがな。
もちろん俺にとって日本の奴らは相手にならないがな。
……政府とかは別だぞ？捕まったことはないがな。
「良かったら泊まってく？」
「良いんですか？」
「えぇ、命の恩人だもの！」
アレンとアスリーンは嬉しそうにサテラに言った。
アスラはあまりうれしくなさそうだが。
とにかく、泊れるというのは良いことだ。
俺は何も考えずに了承した。
「あ、ありがとうございます！！」
アレンの目がきらきらしている。
如何やら彼女はお人よしの部類のようだ。
まぁ、何が起きてもパワーで何とかすると、俺はそう心の中で決めて、彼らの家へと向かった。
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