異世界で教師⁈やらされました

田中 凪

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大輝達がやってきた学園の裏にある森では様々な場所から悲鳴が上がっていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「あああああ!!」
大「みんなスゲー悲鳴あげてるな」
大輝は楽しそうにそれを聞いていた。
キン「マスター、それを笑いながら言いますか?」
大「いや、まあね?俺がやらされた学長の鬼畜訓練よりましだからね?」
ゴブリンキングはそれ以上何も言わなくなった。というか、呆れてしまったのだ。
何班かに分けてこの森で3日間過ごすのが課題なのだが、大輝は「1日目は魔法を使わずにがんばれ!」と言ってみんなの魔力を抜き取った・・・つまり、下手をしたら学長の鬼畜訓練よりもきついのではないか?
ゴブリンキングは1人、そう考えている。

side1班

日が暮れそうだったので今日は少し開けた場所に野営地を作ることにした。
ミル「ったく冗談じゃないわ、あのクソ教師!魔力を全部抜くとかなにしてくれちゃってんの?!」
1班の班長、ミルナはキレていた。
ハル「まあ、落着けよ。道具とかは支給されてるんだからギリギリいけるだろ。」
そうなだめるのは班員のハルトである。
1班はこのほかにも数人いるのだが、彼らは野営の準備をしていたので会話には入ってこない。
そこに・・・
「ホーホーホーホー」
ハル「やっべ、ブラインドバードだ!みんな、急いで火を焚いて戦闘準備だ!」
ミル「ちょ、なに仕切ってんの!班長は私よ!」
ハル「んなもんしるか!今は緊急事態なんだ!」
エミ「2人とも今は、喧嘩しちゃダメだよ。力を合わせないと」
喧嘩になりそうだった2人を止めたのは副班長のエミリだった。
ミル「そうね、わかってるわ。みんな、周囲を松明で照らして!」
ハル「いた!こっちに向かってくる!」
ハルトは授業で教わったブラインドバードの対処法を思い出す。彼は幸いにも前衛職がメインなのでロングソードを持っていた。
(ブラインドバードは獲物に向かって一直線に来る。だったはず。なら・・・)

ザクッ!

ハルトがとった行動はただ剣を前に突き出すというものだけだ。
「ホギャッ?!」
足を剣に貫かれ、驚きの声を上げるブラインドバード。そこに残りの班員が短剣などを持って刺し殺す。
ミル「ナイスだったわ」
ハル「それほどでもないよ」
このやり取りを聞いて班員はさっきの喧嘩はどうした?!と思うのだった。

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