死神始めました

田中 凪

第247話 緊急会議

会議の招集を掛けたところで大して人は集まらなかった。
まあ、地球みたいな球体だし、こちらのように昼の場合もあれば朝方や、夕方、夜、真夜中の場合もあるのでしかたないな。
「緊急会議の招集に集まってもらって感謝する。至急、伝えなければならないことができたのでね。あとあと、別の国の王達に伝えてくれると助かる」
「了解した。して、話とは?」
「ああ、まずは俺が別の世界出身だってことは知っているだろ?」
「ええ、そうですわね。でも、それがどうかいたしましたの?」
「俺がその世界にいた時、いや多分今でもだけど、恐れられている兵器がある。それは周囲数十キロならば爆風による被害を与えることができる恐ろしいものだ」
「そ、そのような兵器が存在するというのか…」
「ああ、存在している。そして、それは叡智えいちの焔と言われたりする。いや、正確なことは分からないけどな」
「も、もったいぶらずに早く教えてくれ!」
「先に言っておくが、それを作ろう、もしくは作った場合は一番きつい拷問を100年受けてもらったあと…殺す」
「それほどのものだと言うのか…?」
「ああ、そうだ。そして、向こうではそれにプラスある病気にかかるんだ。詳しくは知らないけどな。まあ、知りたいやつは自分の端末で調べてくれ」
そして、浩太はそれについて語る。
語り終えた瞬間から各国の王は怒りをあらわす。
「そのようなもの、頼まれても作る気は無い!!」
「いかに最強の兵器とはいえ自分の住んでいる土地までも汚すような愚かな真似はせぬ」
「浩太殿のせかいも相当に狂っているようだな」
「自らが住んでいる星を壊すほどのものをいや、量を作るなど…愚の骨頂だな
「ああ、そんな兵器はこの世界には不要だ。だからこ国を治めているトップにだけ伝えてくれ。頼んだ」
こうして、緊急電話会議は終了した。そして、レストルに向き直り、
「そういうわけだから、お前は100年間拷問を受け続けて殺されてもらう。楽に死ねると思うなよ?」
レストルはガタガタと歯を鳴らしながら連行されて行った。

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