死神始めました

田中 凪

第147話 変な依頼その1

ヘルプさんを実体化させた翌日、俺はギルドに来ていた。なんでも、面白い依頼が入ったとか。俺がギルドに入ると人族の受付嬢さんが
「あ、浩太さんこちらです。」
と言ってギルドカウンターの奥へと案内してくれた。もちろん、俺の行き先はギルドマスター室だ。
「失礼します。浩太様をお連れしました。」
「そうか、入ってくれ。」
と言われ入るとなぜかニヤニヤと笑っている小太りの男がいた。このギルドのギルドマスターだ。
「んで、どんな依頼なんだ?面白いっていうからには結構面倒くさそうだけど。」
「いや、それほど面倒くさくないさ。まあ、これを見てくれ。」
と言って紙を渡された。ん?『2つ街のギルドに変装していき調子に乗っている冒険者たちに見た目だけで甘く見るなと教えて欲しい。』だと?期間は1ヶ月で迷宮都市エルブス、港町ハール。報酬は5万G+迷宮都市、港の魔物を討伐した際に売った代金。・・・悪くないな。
「どうだ?面白いだろ?受けてくれるか?」
「ああ、面白そうだし受けさせてもらうよ。迷宮都市も港町も行った事はないからな。」
「わかった。ではその街のギルドマスターに伝えておこう。あ、あとこの手紙を持って行け。そうすれば事が円滑に進むからな。」
「わかった。ありがたくもらって行くよ。あ、それと俺のパーティメンバーも連れてっていいよな?」
「たぶん大丈夫だと思うぞ。」
「ならいい。明日にでも行くよ。」
「一応この国の王なのに1ヶ月も開けていいのか?」
「ああ、その間は分身に任せるさ。それに、俺が王だと分かってるなら敬語でも使えよ。」
「はっはっは、今はいち冒険者として接しているんだしいいだろう。」
と、最後に軽口を叩きギルドマスター室を出てギルドカウンターをくぐりギルドをあとにする。

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