召しませ後宮遊戯~軍師と女官・華仙界種子婚姻譚~

簗瀬 美梨架

◆召しませ後宮遊戯2~小羊女官と皇帝陛下・華仙界への種は遙か~ 後日談*天界*

珠玉の世界。この世の宝飾をすべて集めたような大きな宮殿に青々とした水海。
そこを二人の仙人がゆっくりと歩いている。

 光蘭帝に追い出され、天界に戻った白龍公主芙君と遥媛公主山君は天帝より謹慎を食らっていた。

 理由は地上を当然ながら、恐怖に叩き落とした咎であり、あの武官が実は天帝で、自ら二人を見張っていたと知り、二人は言い逃れが出来ず、処分を受けている。

「遥媛公主並びに、白龍公主、両名の天帝への資格を剥奪と共に、公主芙君の位を返上せよ」という厳しい処分であった。

「それはあんまりではございませんか!」

 遥媛公主山君が最後まで抵抗したが、白龍公主芙君はその顔で気がついてしまう。

 度々現れていたあの嫌みな武官。あれは天帝の姿だったことに。
 優雅に龍に乗ったまま、天帝は嘲って見せたのだ。

「何がだよ。心配で、わざわざ降りて仮の姿で後宮を見ていれば、おまえたちは好き放題。白龍公主芙君に至っては、光蘭帝をつまみ食いだけでなく、仙人としてあるまじき行為の数々、知らず小娘に種をかすめ取られているし。遥媛公主山君に至っては、きみ、無理矢理種を飲ませようとしたし、ねえ、あんな小娘を騙して良心がないの? 華仙人が感情がない? 超越? 修行が足りないな。下山して修行しな。さすれば少しは懲りるだろうよ」
「お待ちください!天帝!天帝の話は!」

「あ、あれ白紙」

「白紙~?!が、頑張った僕の苦労は・・・っ・・・そもそも僕は貴方様の為に・・・っ」

 俺、婚活で忙しいから~と天帝は龍に乗って、どこかに行ってしまい。
「こ、こんな屈辱!」と喚く遥媛と共に、白龍は華仙界の山地に放り出されてしまった。

(道理で見覚えがあると思った…天帝…あの暇人め。いや、華仙は皆暇人か…)

 悪態をついても後の祭りだ。公主の位を剥奪されて、ふて腐れて日々を過ごす事になった。当然力も全部剥奪、何もない。全く蝶華には見られたくない姿だ。

「その目を開けてくれるなよ・・・俺はおまえに格好悪いところを見せたくない。これ以上。
俺の種をいつ、浚ってたんだ・・・全く」



羽衣に包まれた蝶華は艶然と微笑み、瑞々しいまま、天界で時を緩やかに過ごしている。



ある日白龍公主芙君は蝶華を大好きだった蓮華の咲き誇る中にそっと寝かせる事にした。

「俺が朽ちる時は、どうせ一緒に来るのだろう……苦しめて済まなかった」

と羽衣を剥がした蝶華は下腹を淡く光らせて、風に溶けてゆく。最後に種が地面に落ち、蓮華の園深く、人知れずゆっくりと沈んで行った。


空から閃光が射し―――――地上に声が響く。


蝶華。愛を教えたのは明琳の饅頭かと思っていた。もしかして―――――………


白龍公主芙君はその言葉を続けるのを止めた。



その後、数百年の後、同じ場所で一輪の桃蓮華がゆっくりと蕾を開き、愛を考え始める。
そして、苦しんで、やがて、真実を知るだろう―――――――。

※あと一話で終話です。
⇒◆召しませ後宮遊戯2~小羊女官と皇帝陛下・華仙界への種は遙か~ 後日談*人間界*

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