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神秘的不気味

「コォォォ……」

 オレイノスが非常に悔しそうな声を出している。まあ、ほぼ確実に勝てると思っていた相手に負けたのだから仕方ない。

「みなさん、よく頑張りましたね」

 アドゥルが配下のアンデッドと悪魔に労いの言葉をかけている。アドゥルが勝てたのは配下の力あってこそだったからな。私もあそこまで強いとは思っていなかった。
 そういえばアドゥル自身の力はどれぐらいなのだろうか?あれだけ強い配下を従えているのだから……。うまく予想がつかないが、少なくともジョセフィーヌよりは弱いだろう。

「アドゥル、この後連戦になるけど、大丈夫か?」

 アドゥルは明日の準備期間が既に陣地が完成しているため必要ない。シード枠でアドゥルと戦うカオスゴッドは陣地をそもそも作らないそうだ。そのため、明後日行うはずの対戦を明日に変更できる。しかし、それだとアドゥルは間を置かずに連戦となってしまう。それを案じて訊いたのだが……。

「大丈夫です。我が不死の軍勢は連戦程度でへばったりはしません」

 気にする必要も無かったようだ。

「さて、カオスゴッドですか。勝てると良いですが……」

 アドゥルが離れた場所に座るカオスゴッドを、憂鬱そうに見やる。
 当の本人であるカオスゴッドは、相変わらず何を考えているのかわからない。その外見も相まって、神秘的でありながら、不気味だった。

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