日本円でダンジョン運営

sterl

リレー式送還

 ……弱い。

「弱くないか?」

「ワオンッ」

 思っていたよりも獣王とやらが弱かった。まさか55階層の守護者程度でやられるとは考えても見なかった。精々90階層までは来てくれると思っていたんだがなぁ。これは守護者を起こさなくても良かったかもしれない。まあそれまでの守護者の強さを測れたからよしとしよう。

 ちなみに余談だが、ジョセフィーヌなら全ての守護者を瞬殺できる。ステータスだけを見るなら95階層のマルムルーナまでなら瞬殺できる。それ以降でも秒殺だ。ジョセフィーヌにとって1番大変なのは手加減だろう。

 とりあえず、この獣王をどうするか。流石と言うべきか、腹を貫かれてなお息はあるようだ。水中なので息はあるという表現は適切ではないだろうが。

 まあ、適当に生かしてダンジョンの外に放り出しておけば良いだろう。例え危険だとされて人類総出で攻め込まれても、獣王が人類最高であるならこのダンジョンを踏破できない。むしろ金が稼げて万々歳だ。

 獣王をテンタクルカイザースライスに取り込ませ、50階層まで輸送する。獣王は延命の上位互換のスキルである不撓不屈を持っているようなので、少し前のおじさんのようにスキルを与えなくても空気があれば生き残るだろう。

 そのまま、45階層の守護者であり獣王に木端微塵にされたショゴスに回収に行かせる。ショゴスは別のモンスターを取り込み、復活済みだ。再生能力が異常である。

 ショゴスに回収させたら40階層まで輸送させそのまま別のモンスターに引き継ぎまた輸送させる。そんな獣王をバトンに見立てたリレーで、ダンジョンの外に運び出した。

 これで万事解決か。さて、どうやってナーダルに終わったことを伝えるとしよう。

「日本円でダンジョン運営」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く