日本円でダンジョン運営

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side ライオス・アリア・ヴォルドー part 7

 おじさんからこのダンジョンに来る道中で聞いていた、おじさんが負けて帰ってくることになった理由。それがサンドガーディアンだ。おじさんなら倒せぬことは無いはずなのだが、恐らく不意を突かれたか油断していたのだろう。何はともあれ、我には及ばぬ。

 おじさんから聞いた話には無かったが、他にもあまり見ないモンスターや、初めて見るモンスターは居た。
 洞窟では、腐ったゴム質の皮膚を持つ人型の獣がいた。溢れるような腐臭が少々キツかったが、たいして強くはなかった。
 その下の森林には、大木のような風貌に山羊の蹄を持つ怪物がいた。上部から生えた触手を振り回してはいたが、殴れば地面に溶けるように消えていった。
 更にその下の迷路では、雷が空中にまとまって浮遊しているような姿の、スタンライトという名のモンスターがいた。ゴーレムの中に隠れていたのだが、殴れば蜘蛛の子を散らすように霧散した。

 そして、砂漠のサンドガーディアンだ。どうやらそれぞれの種類の階層ごとに一つずつ、他よりも強いモンスターがいるようである。

 つまり、砂漠の先にもこのような特殊なモンスターはいるということだ。さて、どのようなモンスターが待ち受けているのであろうか。

 砂漠を駆け抜け、ウルフを薙ぎ払い、次の階層へと進む。次は31階層だ。
 扉を開けるとそこには、どこまでも暗い、濃密な闇があった。

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