日本円でダンジョン運営

sterl

side ライオス・アリア・ヴォルドー part 5

 おじさんに案内され、走ればいいだろうと思いながら30分ほど草原を歩いた。

「ここが獣神の混沌迷宮だ」

「ここが」

 ハーピー山のアレオスの街側の地面に開いた、洞窟の入口。これが、獣神の混沌迷宮だというのか。伝承の通りならば、このダンジョンの最下層に、かつての力を継ぐ獣神が……。

「案内感謝する」

「気にすんなって。……それじゃ、気を付けろよ」

 おじさんは声を低くして言った。普段は感じぬ圧がそこにはあった。

「案ずるな。敵がどれ程強くとも、必ず打ち倒してみせる」

「ああ、行ってこい。それじゃ、俺は仕事に戻るわ」

 軽快な笑みを見せ、おじさんが飛び去る。

 ……さて、行くとしよう。おじさんにはああ言ったが、刺し違えてでも倒す。100階層に潜む獣神を。我が祖先の、正しき力を継ぐ者を。

「日本円でダンジョン運営」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く