日本円でダンジョン運営

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side 羅勇士 三太 part 8

 街を出て数十分、目の前にはただの洞窟にしか見えないダンジョンがあった。

「ふむ、これがそのダンジョンですか。確かにこの瘴気はできてまだ間もないダンジョンですね。しかしこの濃度は、アースガルズの迷宮に匹敵しますね」

 ほー、この学者が言うにはアースガルズの迷宮に匹敵するらしい。俺もそのダンジョンに1度行ったことがあるんだが、踏破するのに1週間もかかっちまったんだよな。
 そういえば、迷宮学者は大体のやつが瘴気が見えるらしい。瘴気ってよく聞くけど、なんなんだ?

「その瘴気ってなんなんだ?俺には見えねぇからよくわかんねぇんだが」

「おいおいおじさん、ギルドマスターのくせにそんなことも知らねぇのか」

「てめぇには聞いてねぇ」

「んなっ、仮にも僕は王国騎士団部隊長だぞ!ギルドマスターごときで僕に太刀打ちできると思うな!」

「あー、はいはい、そうやって権力に頼って威張り散らすやつだいっきらいだわ」

「僕は権力に頼ってなどっ!」

「まあまあ、落ち着いてください。今は調査が先です。私は迷宮の鑑定をしてきますので、ここで大人しく待っていてください」

「ッチ、覚えてろよ」

「あー、どうだかな」

 こんな悪役貴族みたいなやつと、どうして一緒なんだか。

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